自交労働者No.915、2018年3月15日

白タク阻止、労働条件改善

ビラ配り、対話にとりくむ

2・1宣伝行動

  自交総連は2月1日、全国いっせい宣伝行動にとりくみました。この行動は02年同日のタクシー規制緩和実施を忘れないために、毎年実施しているものです。

各地でいっせい宣伝

埼玉地連=熊谷市・熊谷駅前
埼玉地連=熊谷市・熊谷駅前
東京地連=北区・赤羽駅前
東京地連=北区・赤羽駅前
神奈川地本=横須賀市・衣笠駅前
神奈川地本=横須賀市・衣笠駅前
京都地連=京都市・京都駅前
京都地連=京都市・京都駅前
大阪地連=大阪市中央区・近畿運輸局前
大阪地連=大阪市中央区・近畿運輸局前
福岡地連=福岡市博多区・博多駅前
福岡地連=福岡市博多区・博多駅前
鹿児島地連=鹿児島市・鹿児島中央駅
鹿児島地連=鹿児島市・鹿児島中央駅

  【宮城】JR各駅など15か所で宣伝を実施しました。14人が参加、370枚のチラシを配布し、対話を行いました。地下鉄泉中央駅のタクシープールでは、1月に公示された運賃改定についての話になり、「あんな値上げなら今のままでいい」などの声が出ていました。


 【埼玉】東上線北部及び県北の熊谷駅で国民春闘、白タク阻止のビラ、機関紙を配布。3・7中央行動の署名を呼びかけ熊谷駅では約20筆の協力があったことから、白タク合法化阻止にむけ運動の前進が求められていることが窺えました。


  【東京】東京駅など24駅頭で、26組合84人が白タク合法化阻止ビラ2000枚を配布しました。上野駅で川崎書記長は「行政が主導し事業者が掲げている新たな規制緩和を許さず、労働条件改善をめざして奮闘する」と訴えました。


  【神奈川】横須賀地区では、ブロックで協力して市内8か所の主要駅頭で自交総連のビラと独自に作成したビラをセット配布し、宣伝行動を実施しました。未組織の会社でも乗務員不足と高齢化が共通の課題です。共に協力し合って働きやすい職場環境を構築して行きたいと思います。


  【京都】道路運送法改悪16年目の「怒りの行動」として、毎月の宣伝に加え「拡大行動」として、京都駅前で働く仲間や市民へ訴えました。翌日には関係各所との懇談も行いました。


  【大阪】近畿運輸局前、新大阪駅、大阪駅、阪急梅田駅、南海なんば駅で労働条件改善、白タク合法化阻止、規制強化を求める宣伝にとりくみました。


  【福岡】午前9時より博多駅で、マイクを使った宣伝行動と、客待ち中のタクシー乗務員さんにティッシュビラを配り、白タクライドシェアの問題点と危険性を訴えました。午後からは福岡空港や博多港に場所を移し旅行者や一般の人達にも危険性を訴えました。


  【鹿児島】3人で市内待機場5か所での宣伝行動を行いました。 自交新聞とビラを渡す中、「白タクは許されるものではない、今の政府はおかしい」「私たち個タクの組合でもとりくんでいる」「種子屋久航路乗り場で福岡ナンバーのレンタカーを借りて、送迎をしている。支局に通報した」など、白タク行為がはびこる話が聞かれました。

許すな白タク合法化

460人が国交省前に集結

3・7中央行動

シュプレヒコールする参加者=3月7日、千代田区・国土交通省前
シュプレヒコールする参加者=3月7日、千代田区・国土交通省前

  自交総連は3月7日、「安心・安全なタクシーを守れ、白タク合法化、新たな規制緩和反対!」「安部『働き方改革』反対、改善基準の改正・法制化、最賃引上げ!」の中央行動を実施しました。 行動には460人が参加し、国土交通省・厚生労働省で個人請願、交渉等を行いました。


労働条件改善できない

仙台市の運賃改定率2.62%

東北運輸局交渉

要請書を渡す宮城地連本間委員長(右)=2月22日、仙台市・東北運輸局内会議室
要請書を渡す宮城地連本間委員長(右)=2月22日、仙台市・東北運輸局内会議室

  【宮城】宮城県仙台市のタクシー運賃改定が1月16日に公示、2月25日に実施されました。23年ぶりの運賃改定であるにもかかわらず改定率が2・62%と異常に低く、これでは運転者の労働条件改善もできないとして、宮城地連は2月22日、本部の菊池書記長を交え、東北運輸局と交渉を行い、改定作業のやり直し、査定計算数値の公表を求めました。
  運輸局側は、低改定率の理由を、@実績年度の収支差が少ない、A労働者数が減少しているため総人件費がマイナスである、B総営収が減少し続けている、と回答しました。また、撤回や査定のやり直しは考えておらず、各社の利害を害するので査定計算数値は公表できないとしました。組合側が、減車も進まず運賃もあがらないのではどのように労働条件を改善するのかと追及すると、局側は、改定に際して経営者に労働条件改善をするよう通知を出したとするだけで、改善に必要な増収が見込めないことについては何ら答えられませんでした。

※詳細はこちら

交運の規制緩和に反対

ライドシェア反対宣伝など発言

交運共闘総会

交運共闘総会=2月23日、台東区・水月ホテル鴎外荘
交運共闘総会=2月23日、台東区・水月ホテル鴎外荘

  交通運輸、港湾、国交省などの組合でつくる交運共闘は2月23日、第29回総会を都内でひらき、規制緩和に反対し、交運労働者の労働条件改善をめざす方針を決めました。
  事務局長には国土交通労組の田中達也副委員長が新任、議長に自交総連・城委員長、幹事に菊池書記長が再任されました。


法案阻止の決意

裁量労働制の危うさ訴える

安倍「働き方改革一括法案」

  安倍「働き方改革一括法案」阻止の決起集会が2月10日、都内でひらかれ、200人が参加して法案阻止の決意を固めました。
  31歳で過労死したNHK記者・佐戸未和さんの母親恵美子さんが講演、「選挙報道で直前1か月は209時間も残業していたのに、上司は『記者は裁量労働』と何度も言った。結婚直前だった娘には、どんなことになっても生きていてほしかった」と声をつまらせ、裁量労働制の危うさを訴えました。医師の夫が過労自死した東京過労死家族の会の中原のり子代表が残業代ゼロ制度の危険性と遺族の悲しみを報告しました。
  労組代表が現場の報告、自交総連の菊池書記長が「柔軟な働き方」とライドシェアの危険を発言しました。

ハイタク8団体が再結集

白タク合法化阻止へ集会開催

5・23集会

  ハイタク労働8団体(交通労連、私鉄総連、全自交労連、全中労、新運転、中労協、KPU、自交総連)によるライドシェア合法化阻止にむけた連帯行動として「安全な地域公共交通を守る5・23集会」が5月23日、東京・星稜会館で開催されることになりました。
  この集会は、8団体の関係者らによる協議(2月22日)で大筋合意したもので、全体で450人規模の参加、集会後のデモ行進、後日に要請行動を予定しています。
  自交総連は、産別の枠を超えた8団体による共闘を歓迎し、安全破壊の白タク合法化阻止へ全力をあげます。

組織拡大、白タク合法化阻止へ

各地の中央委員会・春闘討論集会

要求獲得にむけ戦術を議論

東京春闘討論集会
東京春闘討論集会

  【東京】東京地連は2月7日〜8日、きぬ川ホテル三日月で春闘討論集会を開催。45組合191人が参加しました。各分散会討議では、17年秋季年末闘争の総括と今春闘の位置づけ、情勢認識の一致を確認し、組織強化・拡大、白タク合法化阻止、要求獲得にむけた戦術などを議論しました。



初乗り短縮運賃の導入阻止

  【神奈川】神奈川地本は2月13日、かながわ労働プラザで春闘学習集会を開催し、22人が参加しました。全体会議では、17年秋闘総括の最終報告、18年春闘統一要求書の内容について協議しました。昨年、東京で導入された「初乗り距離短縮運賃」については神奈川への導入を阻止していきたいとの意思統一を確認しました。


一つでも多くの要求実現を

大阪中央委員会
大阪中央委員会

  【大阪】大阪地連は2月15日、国労大阪会館で第75回中央委員会を開催し、18年春闘方針を全会一致の賛成で決定しました。福井委員長はあいさつで「労働条件改善なくして白タク合法化反対の運動は成功しない。今春闘で一つでも多くの要求実現をめざし、最後まで共にがんばろう」と呼びかけました。



ライドシェア阻止へ奮闘

福島中央委員会
福島中央委員会

  【福島】福島地連は2月18日、福島市小倉寺集会所で中央委員会を開催しました。討論・方針では、乗務員不足には乗務員の定着や新たな雇用確保が必要でモチベーションの維持・向上、労働環境改善が不可欠。ライドシェア阻止へ運動をひろめて組織の強化・拡大とあわせ奮闘することが確認されました。



拡大へ具体的手法を学習

福岡中央委員会
福岡中央委員会

  【福岡】福岡地連は2月18日、福岡県労連大会議室で中央委員会を開催しました。組合員の高齢化で退職者が年々増える中、組織拡大も重要な課題であり、高城委員長の講演で東個労の具体的な組織拡大の手法や、道交法のたたかい方・人身事故対処マニュアルなど、参加者全員で組織拡大の新たな方法を学習することができました。


異常な運賃改定に怒りの声

  【宮城】宮城地連は2月20日、仙台南光台市民センターで中央委員会を開催し、春闘方針を決定しました。討論では、1月16日に公示された運賃値上げが2・62%と異常な低率になっていることに対し、怒りの発言が相次ぎました。職場組織が高齢化する中、組織の維持にむけた検討の重要性も確認されました。



新加盟組合へ団結旗の進呈

京都中央委員会
京都中央委員会

  【京都】京都地連は2月22日、京都市左京区で中央委員会を開催し、約20人が参加しました。本部の庭和田副委員長の講演では、規制緩和が地域社会の崩壊を呼ぶとし、揺れ戻しが必ず起こる、広範な人々との連帯の構築がキーワードであると強調しました。新京和タクシー労働組合への加入記念の団結旗の進呈も行われました。



仲間を増やしがんばろう

埼玉中央委員会
埼玉中央委員会

  【埼玉】埼玉地連は2月27日、ウエスタ川越で「賃金引上げ、職場権利の確立、許すな、白タク・規制緩和18春闘」をスローガンとした中央委員会を開催し、31人が参加ました。本部の早川副委員長の白タク問題とノースライド闘争についての講演後、石野委員長が「この春闘で何かをかちとり、仲間を増やしがんばろう」と締めくくりました。



団結がんばろうで勝利誓う

静岡春闘学習会
静岡春闘学習会

  【静岡】静岡地連は2月27日、浜松・西塚記念館で春闘学習会をひらき、3単組25人が参加しました。本部菊池書記長が講演を行い、ライドシェアの危険な本質と社会的水準の労働条件獲得のための闘い方を学びました。また各単組の代表者がそれぞれ春闘方針や状況を述べ、団結がんばろうで春闘勝利を誓いました。


海外ライドシェア企業との連携に反対

手数料の運転者負担など警戒

自交総連見解要旨

  全タク連は1月17日、国内のタクシー事業者が海外のライドシェア企業と配車アプリで連携をすすめる方針をまとめた。
  こうした動きについて、自交総連はつよい懸念を表明し、海外ライドシェア企業との安易な連携に反対する。
  理由として、@ライドシェア実施への道筋をつけるものである、Aアプリ利用手数料が運転者負担となる可能性がある、Bサージ・プライシングなどの契約を強要されかねない、C配車において国内事業者がライドシェア企業の下請け的な地位におかれる恐れがある――があげられる。
  自交総連は、いっそうの警戒をつよめて、広範な利用者・国民と共同して白タク・ライドシェア合法化反対の運動を強化していくものとする。

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相乗り輸送アプリ・『CREW(クルー)』の実態

本部顧問弁護団・菅俊治弁護士の報告

クルーは名ばかり無償輸送

  1月22〜23日、東京・全労連会館で開催された自交総連第40回弁護士交流会において、本部弁護団・菅俊治弁護士が『シェアリングエコノミーと労働者の権利』と題し、基調報告を行いました。
  その中で、東京都心部で広がっている自家用車を使ったタクシー類似の相乗り輸送アプリ『CREW(クルー)』について報告がありましたので紹介します。

有償へ誘導

  クルーは、燃料代などの実費と謝礼を同乗者がドライバーに支払うマッチングサービスで、謝礼の支払いが任意のため、現行制度上は「無償輸送」として分類されています。
  菅弁護士は、クルーに体験乗車し、ドライバーに聞きとり調査を行いました。1月12日午後11時半ごろ、東京都新宿区の四谷一丁目〜新宿三丁目の往復で利用しました。
  往路のドライバーは、千葉から来ており、去年の7月から輸送をしていると語りました。ドライバーになるのに車種の規制はなく、5人面接を受け3人合格だったとのことです。
  クルーには利用者とドライバーとの相互評価システムがあり、「自分のルールとして1キロ当たり200円の謝礼をくれた人は評価する」とし、ドライバーからの評価が低い場合は「謝礼が少ない可能性があり、自分は配車をとらない」と話しました。
  また、利用者に最低の評価をつけると以後マッチングされなくなるとも語り、名ばかりの無償輸送の実態がここにあります。謝礼ゼロで乗車すると、その利用者は評価が下がり、次から配車を受けられなくなります。
  こうした仕組みが、謝礼は「感謝のお気持ち」であるので任意としながら実質的に有償へ誘導しています。

国交省の動き

  国土交通省は2月16日、登録・許可を要しない輸送で同乗者が支払う謝礼や仲介手数料について、「自発的な謝礼の支払いとはいえない場合は問題がある」とする事務連絡改正案の概要を策定し、3月中に施行する予定としています。


静岡春闘学習会