自交労働者No.918、2018年6月15日

8団体の共同でライドシェア阻止

安全な公共交通守る

ハイタク労働8団体が再集結

5・23集会

  ハイタク労働組合8団体が共同して5月23日、「白タク合法化阻止! 安全な地域公共交通を守る5・23集会」を東京・星陵会館でひらき、400人が参加、デモ行進を行いました。経産省・国交省・厚労省との共同の交渉も行いました。

8団体のハイタク労働者で団結ガンバロウ=5月23日、千代田区・星陵会館
8団体のハイタク労働者で団結ガンバロウ=5月23日、千代田区・星陵会館

参加人数
基調提案を行う菊池書記長
基調提案を行う菊池書記長

  白タク合法化阻止のためにナショナルセンターの枠を超えて、KPU、交通労連、自交総連、私鉄総連、新運転、全自交、全中労、中労協の8団体が共同し、16年3月8日以来、2度目の集会となりました。
  9時45分から始まった決起集会では、全タク連、労働弁護団から来賓あいさつを受け、立憲民主、国民民主、公明、社民、共産の各党議員があいさつ、自民、自由党からメッセージが寄せられました。日本共産党の本村伸子衆院議員は、安全を脅かす白タク合法化を許さないためにたたかいたいと連帯を表明しました。
  全自交・伊藤委員長が実行委員会代表あいさつ、自交総連・菊池書記長が基調提案、全中労・小島副議長がまとめを行い、自交総連・庭和田副委員長はじめ各組合の代表が決意表明しました。集会後、赤坂見附から赤坂方面へデモ行進し、ちょうど昼休み時のサラリーマンらが外に出てきている時で注目を集めました。
  自交総連からは、東京・埼玉・神奈川に加え、宮城や鹿児島からも参加、雨が降るなかデモ行進でシュプレヒコールをあげて、ライドシェア阻止を訴えました。   午後2時半から、衆議院第1議員会館内で、経産省・国交省・厚労省の担当者を呼んで順次、要請交渉を実施、総合司会進行を自交総連・城委員長が行い、立憲民主・近藤昭一衆院議員、共産・山添拓参院議員らも同席しました。

※基調提案、集会決議、特別決議、要請交渉の内容はこちら

ライドシェアは再考を

特区申請を行った大津市へ要請

関西ブロック宣伝行動

関西ブロック宣伝行動=5月14日、京都府京都市・四条烏丸交差
関西ブロック宣伝行動=5月14日、京都府京都市・四条烏丸交差
大津市への要請行動=5月16日、滋賀県大津市・大津市役所内
大津市への要請行動=5月16日、滋賀県大津市・大津市役所内

  【大阪】自交総連関西ブロックは5月14〜16日、大阪府・京都府・滋賀県内で「ライドシェア・白タク合法化反対」市民宣伝と未組織労働者への宣伝行動を実施しました。
  宣伝では、大阪地連や京都地連の仲間がライドシェアの危険性を訴え、規制緩和により悪化した労働条件を改善するために労働組合の力が必要として乗務員へ自交総連への加入を呼びかけました。
  また15日には滋賀県タクシー協会へ白タク合法化阻止に向けた共同を要請し、16日には大津市への要請を行いました。市がタクシー協会との事前協議もなく「観光客の誘客促進」「地域住民の移動手段確保」を目的としてライドシェア導入の国家戦略特区申請を行ったことを受けたものです。
  大津市への要請行動では、市側は特区提案について「自家用車の有償輸送は道路運送法に抵触するので、まず無償のライドシェアを施策として進めてきた」と語り、連携協定を結んでいるシェアリングエコノミー協会から、長距離ライドシェア仲介事業者である『notteco(のってこ)』を紹介され、協議中であることを明かしました。協議せず提案したことを謝罪しつつ、「いずれにせよ進めるということになれば、しっかりと話をする」と推進の姿勢は崩しませんでした。
  組合側は、「ライドシェアが入ればその地域の公共交通はすべてつぶれていく。そうなれば利用者がさまざまな犯罪に巻き込まれる恐れがある」と警鐘を鳴らし、「ライドシェアは再考し、タクシー・バス事業者とよく話し合って地域の足を守る施策を進めてもらいたい」と訴えました。

査定方法を見直せ

人件費をマイナスとするな

東北運輸局交渉

東北運輸局交渉=5月31日、仙台市・東北運輸局内会議室"
東北運輸局交渉=5月31日、仙台市・東北運輸局内会議室

 【宮城】仙台市の運賃改正(2月25日実施)が改定率2・62%と超低率となり、増収にも労働条件改善にもなっていない問題で宮城地連は5月31日、本部・菊池書記長も参加して東北運輸局と交渉しました。
  宮城地連では2回の運輸局交渉で査定の計算過程の公表を求めましたが局側が拒否したため、情報公開法に基づく行政文書開示請求を行い4月3日に資料の一部が開示されました。本部は開示資料にもとづき計算過程を検証し、改善策を提示しました。
  その内容は、車が減ったから運転者も減り人件費も少なくてすむと査定するのは、運転者の労働条件を改善するために減車するというタクシー特措法の主旨に反するとして、計算上運転者人件費がマイナスとなった場合は、実績から変更なしと査定すべきというものです。このやり方で試算すると改定率は4・95%になります。
  運輸局側は、特措法の観点(労働条件改善)は組合の言うとおりだが、東北運輸局だけ他と違うやり方で査定するわけにはいかない、要請された意見も含め本省に報告し相談したいと答えました。
  地連では、査定方式を見直し、できるだけ早く運賃再改定を行うよう求めて、宣伝行動を強めていきます。

※詳しい検証内容はこちら

白タク合法化を先導するな

経産省前で早朝宣伝を実施

東京地連

経済産業省へむけ訴える城委員長=5月11日、千代田区・経済産業省前"
経済産業省へむけ訴える城委員長=5月11日、千代田区・経済産業省前

 【東京】東京地連は5月11日、経済産業省を中心に霞が関周辺で「規制のサンドボックス制度」を盛り込んだ生産性向上特別措置法案を利用した実証実験を認めることはライドシェア合法化に道を開くとしてこれに反対する宣伝行動を実施し、40人が参加しました。
  城委員長は、「経済産業省は規制を撤廃するのではなく、関係省庁と連携し、タクシーを中心とした交通運輸と利用者の安心・安全を守るよう努力すべき」と訴えました。
  続いて本部の菊池書記長や各ブロックの代表が次々にマイクを握り、経済産業省に対して怒りの声をあげました。
  参加者は、ビラ1500枚を配布するとともに、「経済産業省は白タク合法化を先導するな」の横断幕を掲げて、道行く人々にアピールしました。

長崎・佐賀で6日間宣伝

「情報」配布し喜ばれる

長崎地連

組織拡大めざしビラ配りを行う長崎の仲間=5月27日、長崎県佐世保市内
組織拡大めざしビラ配りを行う長崎の仲間=5月27日、長崎県佐世保市内
長崎地連のラッピングカー=6月8日、佐賀県 鳥栖市・新鳥栖駅付近
長崎地連のラッピングカー=6月8日、佐賀県 鳥栖市・新鳥栖駅付近

 【長崎】自交総連長崎地連は5月27日から組織拡大運動を開始し、27日・29日・31日には佐世保方面を重点的に3日間の宣伝を行いました。
  機関紙・自交労働者情報・宣伝ビラにティッシュを添えて配布しました。今回は、佐世保地区に組合が立ち上がったため、スムーズな行程で宣伝が進みました。
  対話では、有給休暇を取得したら足切りに到達できないので賃金が下がる、と嘆く乗務員に高知地連の判決が記載された情報を配布すると、とても喜ばれました。
  6月2日・4日は長崎市内のオートガススタンドで配布し、特定地域の延長などの質問がありました。
  8日は佐賀の新鳥栖駅で、街宣・ビラ配布を行い、宣伝カーを福岡地連に返しました。
  機関紙・自交労働者情報・宣伝ビラは6日間で158セット配布しました。


新加盟のなかま 

(844)神奈川・箱根登山ハイヤー支部
差別扱いなくせ

  小田原市にある箱根登山ハイヤー支部(那賀智恵美委員長)は大会をひらき自交総連加盟を決議、5月11日に地本に承認されました。
  組合は、会社の不当労働行為に対し労働委員会での申立をみすえ弁護士に相談したところ自交総連を紹介されました。社内で過半数組合と差別されていたこともあり、上部団体への加盟に至りました。


(845)長崎・佐世保タクシー労働組合
74人が新たに結集

  佐世保市にある佐世保タクシー労働組合(谷川昌己委員長、74人)は、5月13日の臨時大会で自交総連加盟を決めました。
  組合は企業内組合として活動してきましたが、知識不足によって何も反論できずに終わる会社との一方的な交渉に不満を抱き、地連へ労働相談。産別に結集して学習を深めようと加盟に至りました。

新加盟3組合を迎える

春闘中間総括について議論

第4回常執

  自交総連は6月7日、都内で第4回常任中央執行委員会をひらいて、春闘の中間総括などを議論しました。
  春闘は、一部を残して決着しつつあり、解決金・一時金や運転者負担改善、職場要求実現など重点要求を獲得しています。政策闘争では、白タク合法化阻止を前面に全国で宣伝を行い、共同の広がりも実現しました。組織拡大では、ブロックごとの未組織宣伝を行い、新規加盟3組合を迎えました。
  こうしたたたかいを、@要求前進A団結強化B組織拡大の観点で総括し、まとめていくこととしました。
  今後の運動では、白タク合法化阻止が正念場を迎える中、地域公共交通の確保がますます重要になるなどの点を論議しました。

新経連が「ライドシェア新法」の提案

白タク合法化の動き 各方面から

  新経済連盟(代表理事=三木谷浩史楽天会長)が5月8日、『「ライドシェア新法」の提案』を発表、各省庁などに申し入れを行いました。過去3度の提案が認められなかったにもかかわらず、ライドシェアの解禁=白タク合法化に執念を燃やしていることがわかります。
  今回の提案では、「日本のタクシーのレベルは世界一と誇っている間にライドシェアという新たなサービスを実装した他国に次々を追い抜かれてしまっている」と手前勝手な危機感をあおり、安全なライドシェアにするために新法をつくって事業者を登録制にするなどしていますが、その内容は過去の提案の焼き直しです。
  しかし、その主張を側面から促進する規制のサンドボックス制度がつくられるなど、ライドシェア解禁の動きは今後も予断を許しません。

新たな動き