車両請願を行うタクシーの行列=3月7日、千代田区・経済産業省前 |
経産省へ車両請願、ソフトバンクへデモ
3・7中央行動
自交総連は3月7日、「安心・安全なタクシーを守れ、白タク合法化・規制破壊阻止! 3・7中央行動」を実施。経済産業省への車両請願と個人請願、ソフトバンクに抗議するデモ行進を行い、タクシー285台と476人が参加しました。
10時から経産省前にはタクシーが列をつくり、雨が降りしきるなか請願書を提出、経産省をとりまきました。
10時30分から決起行動を開始。城中央執行委員長は主催者あいさつで「ライドシェアなどの規制破壊は断固として阻止し、安心・安全なタクシーを守ろう」と呼びかけました。その後、全労連の岩橋副議長、交運共闘の田中事務局長、笠井衆院議員(共)が連帯あいさつし、菊池書記長が請願書を読み上げ、参加者がひとりずつ請願書を経産省の係官に手渡ししました。請願中に東北、関東、関西、九州各ブロックの代表が決意表明しました。
請願終了後、全国から集まった国土交通省への署名は、代表が提出しました。
雨が降りしきるなか請願行動を行う自交総連の仲間 |
抗議のデモ行進
国土交通省へ署名を提出 |
午後からは、ライドシェア解禁反対、ソフトバンク抗議デモを実施。日比谷公園を出発し、「公共交通の安心・安全を守ろう」「ソフトバンクは白タク推進をやめろ」と声をあげ、ソフトバンク本社前まで行進しました。
デモ出発と同時に、別部隊がソフトバンク本社前で宣伝行動を実施。歩道デッキ上でソフトバンクに抗議する横断幕を掲げ、ビラ・ティッシュ配りを行いました。
14時半からは、代表と共産党の笠井亮衆院議員、吉良よし子・山添拓参院議員らも参加して経産省・警察庁と交渉を行いました(詳細はこちらを参照)。
テレビでも報道
行動の様子はテレビ局が取材、TV朝日系列のニュースで放送されました。
しかしその内容が、一方的で正確でなく、自交総連の主張について視聴者の誤解を招きかねないものだったので、後日、テレビ朝日に意見書を送り抗議しました(原文)。
職場権利重視し要求実現
19春闘のたたかい方を確認
第1回中闘
自交総連4月4日、第1回中央闘争委員会をひらき、19春闘の今後のたたかい方を確認しました。
春闘では回答が出始め、一時金や政策合意獲得、新加盟組合で賃率アップをかちとったところもあります。
しかし、大半の組合はこれから回答を引き出すことになっており、今後、@要求提出の徹底、A有休改善、累進歩合廃止、運転者負担廃止など職場権利の確立を重視して要求の実現をはかる、B消費税増税阻止など悪政阻止の国民的課税の前進、C春闘と結んだ組織拡大を重点にたたかうことにしました。
また、未来投資会議の自家用有償旅客運送の拡大などの議論に警戒感を持ち、白タク合法化阻止闘争をつよめることにしました。
手数料問題を追及
バス部会
国交省交渉、総会を開催
バス部会による国交省交渉=4月5日、千代田区・国交省第1会議室 |
自交総連バス部会は4月5日、国交省交渉と第5回総会を行いました。
国交省交渉には、石垣部会長ら11人が参加、運賃ダンピング、安全コストの切り下げにつながる旅行社への手数料バックペイ問題を追及、手数料による下限割れを国交省が調査することになりましたが、調査は事後になり、明らかに過大な手数料でもすぐには処分できないなど問題点が明らかになりました。
また、ワンマン化がすすむ中、大型車や児童乗車時などには、運転者一人では火災などへの対応ができないとして、車掌・ガイドを保安要員として乗車を義務付けるよう要求しました。
総会で運動を交流
総会には、宮城・東京・大阪・高知・福岡から12人が参加。各地の運動報告などで交流しました。低賃金のため新しく人が入ってこず、在職者が12連勤など過重労働になっているなどの報告があり、バスのビラをつかった宣伝強化を確認、役員を決めました。
バス部会長=石垣敦(本部副委員長)、事務局長=古賀文紀(福岡)(新)、会計=吉田加奈(東北)
(『自交労働者』927の紙面で、古賀さんのお名前が間違っていました。正しくは『古賀文紀』さんです。お詫びして訂正いたします)
ライドシェア解禁の「突破口」
自家用有償旅客運送を拡大
未来投資会議で首相指示
政府の未来投資会議は3月7日、自家用有償旅客運送の拡大などを論議し、出席した安倍首相は、自家用有償運送を見直し、観光客も対象とすることなどを指示しました。これは、ライドシェア解禁=白タク合法化をにらんだもので、軽視できません。
竹中議員が本音
【解説】自家用有償運送は、二種免許を持たない運転者が自家用車で人を運送するもので、本来、交通空白地に限定したものです。その規定を緩めて、全国で観光客も対象とする運送を簡単に導入できるようにしようとするのは、安全性に問題があり認めることはできません。
会議では、竹中平蔵議員が、わかりやすく本音を述べています。議事録によると竹中氏は、今年1月のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)で、自身と安倍首相がウーバーのCEOと昼食会を共にしたことを明らかにして、滴滴、グラブなどのライドシェア企業の名をあげて、「ライドシェア産業は近年もっとも成長した産業だ」「日本では既得権益者の猛烈な反対で、この成長機会を逃してきた」とし、自家用有償運送制度の改善は、「突破口として非常に重要なポイントになる」と述べています。
制度見直しの狙いを端的に示したもので、自家用有償運送の拡大などの既成事実を積み重ねて、それを「突破口」にして、白タク合法化にすすもうという意図は明らかです。
危険な規制破壊を許さないよう厳重な警戒が必要です。
春闘勝利へ共闘
40台の自動車パレード開催
神奈川地本
神奈川交運共闘自動車パレード=3月3日、横浜市・みなとみらい地区 |
【神奈川】3月3日、小雨まじりの中、横浜・山下埠頭にタクシー25台と建交労・港湾労組・個人参加(自家用車)15台(総台数40台、参加人数50人余)が集結。自動車パレードを開催し、みなとみらい地区を中心に現状を訴えました。
決起集会では、首都圏交運共闘・冨松副議長、神奈川労連・伊藤副議長から激励を受け、19年春闘勝利に向け共闘していくことを確認。今回より、コースを変更しましたが、事故もなく成功裏に終了しました。
運賃改定時のとりくみ勉強
長崎春闘学習会
長崎春闘学習会=3月31日、佐世保労働福祉センター |
【長崎】長崎地連は3月31日、春闘学習会を開催しました。今年4月開始の「働き方改革」と、10月の運賃改定時のとりくみを勉強しました。
10年ぶりの運賃改定が予定されているなか、忘れかけていた通知が今も効力があることを再確認しました。
有休時の賃金保障は仮想営収方式が乗務員にとっては最良と学びの多い春闘学習会になりました。
年収格差は197万円
タクシーと他産業労働者の労働条件比較 2018年
18年のタクシー労働者と他産業労働者の労働条件比較がまとまりました。
タクシー労働者の平均年収は304万800円、前年より9万8300円増えました。産業計男性労働者の年収も4万4900円増えて501万6200円になっていますので、格差は197万5400円と200万円を切り、少し縮まりました。
地方ごとにみると、タクシーで年収400万円台となったのは東京と愛知。300万円台が24府県、200万円台が21道県でした。
1時間当たりの賃金(一時金を含む)は、タクシーが1326円、産業計が2289円で、格差は963円(58%)でした。
注.資料は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(賃金センサス)。タクシー、産業計労働者とも男性、企業規模10人以上。全国平均は単純平均で出しています。
有休取得、年5日以上義務化
自由な取得と賃金が下がらない保障を
2019年4月から「働き方改革一括法」により、企業は従業員(年10日以上の権利がある者)に対して、年5日以上の年次有給休暇を、時季を指定して取得させることが義務付けられました。
違反した場合は、30万円以下の罰金が課されます。また時季の指定は、労働者の意見を聞いて、その希望にそった時季にしなければなりません。
有休取得時の保障
労働基準法では、有休の際に支払う賃金は、(1)平均賃金、(2)通常の賃金、(3)健康保険法による標準報酬日額(労使協定が必要)、の3方式を定めています。更に、有休を取得したことを理由に賃金の減額その他不利益な取扱いをしてはならないとしています(附則第136条)。
ところが歩合給が主体となるタクシー労働者は、有休をとったために足切に届かなかったり、累進歩合で低賃率が適用されたりして、大幅に賃金が下がる場合があります。
しかし、「仮想営収方式」や「足切減額方式」を採用すれば、賃金低下を避けることができます(下記)。
団交前に学習を
会社と団体交渉する前に、各地連・地本で学習し、自由な取得と賃金が大幅に下がらない有休保障を求めていくことが重要です。
いつでも気兼ねなく有休がとれる労働環境を獲得しましょう。