力を合わせ組織強化拡大
第42回定期大会
団結がんばろう==10月21〜22日、東京・全労連会館 |
自交総連は10月21〜22日、東京・全労連会館で、「共同を広げ白タク合法化阻止、力を合わせ組織強化拡大」をスローガンに第42回定期大会をひらき、2019年度運動方針を決めました。大会には15地方から111人が参加しました(来賓、傍聴等を含める)。
城委員長あいさつ
城委員長 |
規制緩和で参入撤退を自由化したことで、都市部にはタクシーが溢れ、地方は事業者撤退で交通空白地と化しています。その空白地を安倍首相の友人たちに明け渡そうとしているのが、国家戦略特区であり、自家用有償旅客運送の拡大です。官邸主導でライドシェア解禁を進めようと、道路運送法の改定案を通常国会に提出しようとしています。
これまで維持されてきた国民の安心安全を放棄し、危険なライドシェアに委ねるのは国の責務を放棄したのに等しい行為です。
我々には、全労連や他の産別との共同や共闘を進めた広範な闘いが求められています。
また、政府がすすめる労働法制の保護を受けない兼業・副業問題や、官邸主導と思しき運賃改定先送り問題などにも注意と対応が必要です。
自交総連も危機感をもって仲間を増やさなければ組織の将来がない状況です。
ライドシェア阻止を闘う中で、仲間を増やすことは必然なことです。秋から来春にかけての闘いは、職場と組織をなくすのか守るのか、雌雄を決する闘いです。共にがんばりましょう。
来賓4氏があいさつ
運動を政治転換に結びつけて
小田川議長 |
全労連・小田川義和議長 災害時の交通インフラとしてのタクシーの役割など、経済合理性だけで公共サービスは考えられない。しかし現政権は命や安全を危機においやる税金の使い方をしている。ナショナルセンターの垣根を越えた皆さんのライドシェア阻止の運動を、政治転換に結びつけることが重要だ。
スクラム組んで規制緩和阻止を
瀬戸副議長 |
交運共闘・瀬戸副議長 私の所属である港湾産業では、19春闘で大規模なストを実施した。現場では労働者を排除し、機械の無人操作を導入する動きがでている。AI化・自動化による規制緩和は、港湾でも交通でも共通の問題である。スクラムを組んで、一緒に対応していきたい。
『貧すれば鈍する』を変えよう
林弁護士 |
顧問弁護団・林治弁護士 この30年間、経済成長が止まり、『貧すれば鈍する』という風潮が蔓延してきている。ライドシェアのような働き方が増えれば、いっそう貧困がすすみ、殺伐とした世の中になってしまう。この大会が、そうした生きづらい世の中を変える一助となるよう願っている。
来年の通常国会が正念場となる
高橋衆院議員 |
日本共産党・高橋千鶴子衆院議員 災害が起こることを前提とした国家のあり方、総合的な防災対策を構築しなければならない。デマンドタクシーは地方に本当に望まれているが、国交省は地方のニーズを口実に自家用有償運送を拡大しようとしている。来年の通常国会が正念場だ。皆さんと力を合わせてがんばっていきたい。
成果から学び改善かちとろう
12地方の代表17人が発言
大会討論
署名に協力を
那賀さん |
@神奈川・那賀智恵美さん 私は会社からパワハラ不当労働行為により、働くエリアを理由なく変えられてしまい、約1年半前に労働委員会に訴えました。要請や団交を重ねていますが、解決にはまだ時間がかかりそうです。署名などにご協力をお願いします。
親身になって対応
佐藤さん |
A東京・佐藤英夫さん 組織拡大として近隣の組合への呼びかけや定期的な宣伝行動にとりくみました。今年度は16人が個人加盟するなどの成果がありました。また、組織維持のためには、日頃の世話焼き活動など親身になって組合員に対応することも重要です。
運賃改定を注視
松下さん |
B静岡・松下靖史さん タクシーの新運賃は、土壇場で国にひっくり返され、本改定は先送りとなりました。メーター書きかえも二度手間で負担が大きくなります。今後の動向やスライド賃下げについて注視したいです。
解決金を獲得
仲野さん |
C埼玉・仲野晃さん(伊賀谷通夫さんの原稿代読) 私は5月に負った運行中の怪我により会社を追い出されましたが、石野委員長や顧問弁護士のご尽力により、会社から解決金を取ることができました。別の会社でも、また埼玉地連の組合を立ち上げる決意です。
定昇など成果
田中さん |
D鹿児島・田中哲夫さん 地連では2月、5月にライドシェア阻止宣伝に自教の組合員も一緒にとりくみました。会社への団交、運輸局交渉なども実施、岩井観光では定昇など成果が上がっています。組織強化は今後もがんばっていきます。
都市型ハイヤー対策を
松下さん |
E大阪・松下末宏さん 都市型ハイヤーは運行記録計がなく、発着地や運行経路を誤魔化せ、中国本土で契約・決算し、都市型ハイヤーの名目を借りた白タク行為が行われています。この対策をしなければなりません。
30人の組合員増強
中村さん |
F福岡・中村朗さん 福岡地連では、ドライバー共済をアピールし宣伝行動をかさね、30人の組合員増強となりました。今後も継続していきます。本部登録も5人増やせました。今後も創意工夫を凝らしがんばります。
法守らぬ経営横行
堀川さん |
G北海道・堀川忠さん 道運法改悪阻止の署名について、なぜ他団体や会社と一緒にできないのでしょうか。また北海道では、法を守らない経営が横行しています。どうにかしなければなりません。
危険性を宣伝
坪倉さん |
H東京・坪倉秀樹さん 次年度の白タク合法化阻止のたたかいはこれまで以上に重要。利便性の裏に隠された危険性や犠牲をおおいに宣伝し、国民世論を味方につけましょう。
広域地連結成を
吉村さん |
I京都・吉村勇路さん 京都地連は今まで以上の運動が必要と考え、大阪を中心とした広域地連結成を決定しました。本部に対して要請します。他団体と共同し、全国いっせいにゼネストでもしなければ、ライドシェア問題は解決できないのではないでしょうか。
16年ぶりのベア成功
岩橋さん |
J福岡・岩橋義幸さん 私たち吉野ヶ里分会は組合員の団結と内田書記長の尽力で、16年ぶりにベースアップに成功しました。また、昨日執行部の確認をとり、本部の登録をひとり増やすことになりました。この場を借りてご報告します。
厳しい訴訟強いられる
吉根さん |
K北海道・吉根清三さん 本部の方針に従い、ライドシェア反対の活動について全自交にも共同を働きかけ、6自治体に要請をしてきました。また、北海道では現在3件と組織外1件のオール歩合賃金での割増賃金請求訴訟を行っており、いずれも厳しいたたかいを強いられています。
今後議論になるかも
白岩さん |
L長崎・白岩英博さん 働き方改革をうけ出された就業規則案のなかに、自動配車制度という文言がありました。これまで会社はライドシェアに反対の姿勢でしたが、突然の方針転換です。今後、団体交渉で議論となるかもしれません。
高知市議会に要請
横田さん |
M高知・横田春吉さん 北部ユニオンは昨年10月、休日を通告なしに1日減らし、団交を重ねても、労働基準監督署からの是正勧告が出ても改めようとしません。今後、高知市議会などに要請する予定です。
総括討論
地域住民の願いにそった運動を
東海林さん |
N東北・東海林銀次さん 過疎化が進む地域では買い物や病院に行くにも大変で、私の勤める会社は秋保町の町内会長と相談し、状況と照らし合わせたデマンドタクシーの運行を2年前から模索しています。私たちのような地域は全国にあります。交通維持のため、乗合タクシーなどへの大幅な補助金増額は重要です。住民の願いにそった運動をしていく必要があります。
(注:『自交労働者』933の紙面の東海林さんの発言で、本部編集による要約文に間違いがありました。正しくは上記の内容です。お詫びして訂正いたします)
毎月白タク反対宣伝行動を実施
運天さん |
O大阪・運天武史さん 大阪地連は今年もライドシェア阻止のため、月に1回のペースで主要駅や大津市で宣伝にとりくみました。住民の移動の自由を保障すべき国がろくな支援を行わず、自家用車での運送を推進している状況は大問題です。改憲阻止、白タク合法化阻止へ安倍政権を打倒するため全力を尽くしましょう。
これまで以上に白タク阻止奮闘
田村さん |
P東京・田村清隆さん 安倍政権は自家用有償旅客運送を交通空白地から、都心のイベント旅客運送に拡大しようと狙っています。国民・労働者が安心してくらせる世の中を守るため、今秋の中央行動から来春闘までこれまで以上にライドシェア阻止の運動にとりくむ必要があります。
確信もって運動にとりくむ
自治体要請、宣伝行動の強化を
執行部答弁
菊池書記長 |
執行部を代表して答弁に立った菊池書記長は、質問・要望について、@ライドシェア反対での他産別や経営側との共同は今後もすすめていくが、対応待ちではなく自交総連でできることはすすめていく、A都市型ハイヤー規制のとりくみは重視していきたいと答えました。
争議関係で、神奈川、埼玉、北海道から差別や解雇、未払い賃金などの発言があったが、不当な攻撃を跳ね返すため支援していきたいと述べ、労働条件の改善の点でも、成果をあげた組合に学んで改善をかちとろうとよびかけました。
白タク合法化反対の点では、3・7行動に参加して感激したという発言もあったように、たたかいに確信をもって、自家用運送拡大反対の運動にとりくみ、とくに自治体要請や宣伝行動を強化しようと述べました。
組織拡大について、拡大はすぐに成果が出ないこともあるが、実際に新加盟してたたかっている福岡や長崎、埼玉の組合から発言があった。未組織労働者の中には、そういう組合をつくり自交総連に入るというエネルギーがあるという証拠だ、地道な宣伝・対話を繰り返して、増勢に転じようと訴えました。
災害募金3万3640円集まる
10月12日から日本列島を通過した台風19号によって、自交総連でも東北地連を中心に被害が発生しています。
本部定期大会では会場受付に募金箱を設置し、参加者に救援カンパを募りました。
大会2日間で集まったカンパは、3万3640円となり、城中央執行委員長から、東北地連の本間委員長へ手渡されました。
大会宣言
2019年10月22日 自交総連第42回定期大会
自交総連は、「共同を広げ白タク合法化阻止、力を合わせ組織強化拡大」をメインスローガンに、第42回大会を開催した。
白タク合法化の動きが依然としてやまない中、さらに自家用有償旅客運送の拡大、道路運送法改悪の方針が閣議決定されるなど、政府と規制緩和推進勢力が手を組んで利用者が安心・安全に移動する権利を危険にさらし、自交労働者のくらしと雇用を破壊する攻撃がつづいている。日本社会の安心・安全に関わる際限なき規制破壊を転換して規制強化への道を切り拓かなければならない。観光バスでは、依然として規制緩和による過当競争が続いている。長時間労働の抜本的な見直しを迫るたたかいを進めていく。自動車教習所では、入所者の減少による企業の生き残り競争がつづき、「合理化」、長時間労働が強いられている。今後も権利擁護のたたかいを前進させなければならない。
安倍政権は労働法制の改悪、年金改善の拒否、消費税10%を強行して、国民負担を強いるばかりか、辺野古新米軍基地建設、武器や食料の大量購入など、大企業本位、アメリカべったりの政治に終始している。悪政を打破し、憲法9条を守り、国民のくらしと平和、民主主義を守る課題もますます重要となっている。
組織強化拡大の課題では、自交総連の組織減少が止められていない危機的状況である。闘争力の低下は、要求を実現させる力の減退となる重大な問題である。しかし、われわれは仲間を集めるエネルギーを失ってはいない。職場活動の活性化、地連・地本、ブロック機能を強化して、未来の仲間たちに信頼される労働組合として日常活動を継続して、必ず組織の減少を食い止め、増勢への道を切り拓く決意である。
自交総連は、組織を強化拡大し、情勢変化に適応した運動を強化させて、タクシー事業を破滅させる白タク合法化を断固阻止することを宣言する。
救援カンパ呼びかけ
東北地連で家屋浸水、車両水没
2019年台風19号被害状況
水が引いたあとも大量の土砂で床が見えず備品等も汚損=10月18日、宮城・KM仙台タクシー労組事務所内 |
10月12日から日本列島を襲った台風19号は、広範な地域に記録的な大雨や川の氾濫、浸水被害など甚大な被害をもたらしました。
自交総連でも、東北地連などで家屋浸水や営業車両水没が発生しています。宮城県にあるKM仙台タクシー労組では、事務所が浸水し、上記のような深刻な被害が出ています。
自交総連では、台風19号救援カンパを呼びかけています。カンパは地方ごとに集約し、本部に振り込んでください(詳細はこちら)。
集約したカンパは、被害状況に応じて被災地連(本)に配分し、一部を全労連の台風19号救援カンパに配分する予定です。
公共交通充実で交通権守る
自動運転の問題点学ぶ
交運研セミナー
交運研30年の歩みと今後の課題を学ぶセミナー=10月26日、東京・茅場町パールホテル |
労働組合と学者・研究者が参加する交通運輸研究会(交運研)は10月26日、「交運研30年の歩みと今後の課題を学ぶ」セミナーを都内で開催しました。
環境経済研究所の上岡直見代表が「新技術で人の交通権を守れるか」と題して自動運転車の問題点、地域公共交通の課題について講演。現状ではレベル3の自動運転も実用化されておらず、自動運転と人の運転の受け渡しなど重大な課題も解決していない。人や自転車、障害物が混在する一般道での完全自動運転は机上の空論で、旅客自動車での乗客の保護についても対応できない。そういう不確かなものに頼るよりも、既存の公共交通の充実で住民の交通権を守ることが必要だとしました。
交運研30周年の歴史を振り返るシンポジウムでは、菊池書記長が規制緩和反対闘争の理論面で交運研が果たした役割は大きかったと語りました。
組合からの発言では、林中執がライドシェア反対、自家用運送拡大阻止のとりくみを報告しました。
道運法改悪阻止で協力
情報交換密にしていく
日本共産党国土交通部会議員らと意見交換
自交総連と意見交換する日本共産党高橋千鶴子衆院議員(奥左から2人目)=10月15日、東京・衆議院第二議員会館 |
自交総連は10月15日、日本共産党国土交通部会の高橋千鶴子衆院議員、武田参院議員秘書らと意見交換を行い、城委員長ら4人が参加しました。
自交総連から、@白タク合法化阻止、自家用有償旅客運送拡大問題、A無人自動運転ガイドライン、B運賃改定、C改善基準改正などの問題について、現状を説明しました。
高橋議員からは、過疎地で住民の交通を確保することは重要で、予算を大幅に増やさなければならない。障がい者や高齢者のタクシー運賃補助も、国の責任でやるべきだとの意見が示され、今後情報交換を密にしていくことになりました。
懇談後、国交省を呼んで無人自動運転ガイドラインについてレクチャーを受けました。
地域公共交通の充実を
6地方で定期大会を開催
みんなの力で組織拡大を
埼玉第48回定期大会
埼玉第48回定期大会=10月3日、埼玉・ウエスタ川越 |
【埼玉】埼玉地連は10月3日、ウエスタ川越で第48回定期大会を開催しました。
来賓として本部の菊池書記長が参加し、白タク合法化阻止闘争について講演しました。
大会では、「職場、地域から仲間を増やし、みんなの力で組織拡大、要求実現へ大きな前進を」をスローガンとする運動方針案を採択しました。
阻止闘争に全力あげる決意
北海道第60回定期大会
北海道第60回定期大会=10月6日、北海道・道労連会議室 |
【北海道】北海道地連は10月6日、道労連会議室で第60回定期大会を開催、運動方針と役員を決定しました。
本部の菊池書記長が白タク合法化阻止のたたかいについて講演し、阻止闘争に全力をあげる決意を固めました。
委員長=渡辺聡▽副委員長=野正之▽書記長=吉根清三(いずれも再)
運動方針を全会一致で採択
東北第2回定期大会
【東北】東北地連は10月6日、宮城県印刷会館で第2回定期大会を開催しました。
本部の舞弓副委員長がタクシーをとりまく情勢について講演を行い、運動方針・予算案が全会一致で採択されました。
今大会では、役員補充選挙が実施され、副委員長に東海林銀次氏、会計監査に三浦仁氏が選出されました。
久々に新加盟組合員を紹介
石川冨士ハイタク労組第61回定期大会
石川冨士ハイタク労組第61回定期大会=10月12日、石川・金沢えがお会館ホール |
【石川】地連唯一の組合である冨士ハイタク労組の第61回定期大会が10月12日にひらかれ、本部から菊池書記長が参加しました。
高齢化が進んでいるなかで、久しぶりの新加盟組合員が紹介されたのを受け、新しく会社に入った人には早く声をかけよう、行動しないとダメだと積極的な意見が出され、全体で決意を固めました。
自教労働者と白タク阻止
鹿児島第47回定期大会
鹿児島第47回定期大会=10月14日、鹿児島・谷山北公民館 |
【鹿児島】鹿児島地連は10月14日、谷山北公民館で第47回定期大会をひらき、組合員22人が参加しました。
大会では、IT企業等によるライドシェアの導入や自動運転化の推進など、人口減や過疎化などでの市民、町民の足を確保しようと、自動車教習所労働者と共に白タク合法化反対、地域交通の充実をめざす運動方針を採択し、その後学習会も実施しました。
委員長=上村禮文▽副委員長=北井良夫▽書記長=杉原良二(いずれも再)
ノースラ+αをかちとる
静岡第42回定期大会
静岡第42回定期大会=10月15日、静岡・浜松西塚区画整理記念館 |
【静岡】静岡地連は10月15日、浜松西塚区画整理記念館で第42回定期大会を開催し、全部で27人が参加しました。白タク合法化となる道路運送法改正案の反対と、延期されている運賃改定が実施された場合はノースライド+αをかちとる運動方針を採択しました。
委員長=松下靖史▽書記長=市村直之(いずれも再)