自交労働者No.934、2019年12月15日

道運法改悪させない

自家用有償旅客運送の拡大反対

国交省、厚労省、経産省へ個人請願

11・7中央行動

  自交総連は11月7日、交運共闘とともに11・7中央行動を実施し、全体で約740人が参加しました。

怒りのシュプレヒコールをあげる自交総連の仲間=11月7日、千代田区・経済産業省前

怒りのシュプレヒコールをあげる自交総連の仲間=11月7日、千代田区・経済産業省前


参加者数

  国土交通省前で10時20分から個人請願を行い、交運共闘・城議長(自交総連中央執行委員長)が主催者あいさつ。全労連の野村事務局長、日本共産党の武田良介参院議員が連帯あいさつし、JAL争議団の代表が不当解雇撤回の支援を訴えました。
  舞弓副委員長が請願書を読み上げ、参加者がひとりずつ請願書を国交省の係官に提出。「ライドシェア合法化反対」「道路運送法改悪反対」とシュプレヒコールを行いました。その後、厚生労働省、経済産業省でも個人請願を行いました。

日比谷野音で総決起集会

壇上で決意表明をする内田常執=11月7日、千代田区・日比谷野外音楽堂

壇上で決意表明をする内田常執=11月7日、千代田区・日比谷野外音楽堂

  請願後は、12時45分から日比谷野外音楽堂で、国民春闘共闘・全労連・国民大運動実行委員会主催の総決起集会がひらかれました。
  5労組・団体の代表が決意表明しました。内田常執は交運代表として、東京の仲間と一緒に壇上にあがり、ライドシェアの危険性などを紹介、道路運送法を改悪し自家用有償旅客運送の拡大をめざす動きを批判し、「政権交代が最大の打開策」と訴えると、日比谷野音は大きな拍手に包まれました。
  集会後、参加者は横断幕を手に国会請願デモを実施しました。
  14時半からは、自交総連の代表が国交省・厚労省と交渉しました。(交渉内容はこちらを参照)。

慎重意見もあるが今後に予断を許さず

自家用運送拡大・道運法改悪問題

交政審地域公共部会で審議

地域公共交通部会への提案

  自家用有償旅客運送の拡大、道路運送法の改悪にかかわる課題が国土交通省の交通政策審議会交通体系分科会地域公共交通部会で審議されています。
  部会は11月22日までに4回ひらかれ、国交省からは右記の提案がされています。
  第4回の審議では、傍聴に入った林中執によれば、自家用運送について、積極的に拡大するべきだという意見はあまりなく、むしろ、タクシーは頑張っている、応援する施策が必要、自家用でも二種免許を義務付けることを考えるべきだ、事業者の確認を徹底する必要がある、など拡大に消極的な意見が多く出されました。

ライドシェアへの突破口

  審議の経過から、自家用運送の拡大については、一程度抑制的な内容となっているようですが、今後の審議や法案作成の過程で、交通空白地の明確化や広域化として都市部でも自家用運送ができるようにすることなど無限定な拡大が入れられてくるおそれがあります。この提案をした未来投資会議や規制改革推進会議の狙いはライドシェアへの「突破口」ですから、今後の動向に予断は許されません。

委員要請、各地で宣伝

当面の重点運動

  自交総連では、審議の前に全委員に対し、自家用運送の拡大に反対する意見書とライドシェア関係の資料を送付し、慎重な審議を求めました。当日(11月22日)は、東京地連の仲間56人が、会場の三田共用会議所前で宣伝と座りこみを実施。関西ブロックでも、11月20日、ライドシェア解禁の国家戦略特区の提案がされている滋賀県大津市を中心に宣伝にとりくみました。
  地域公共交通の充実を求める署名は、各地でとりくみが開始されています。中央では、全労連を通じて全単産・地方組織に署名の要請を送り、国民春闘共闘の春闘討論集会でも、参加者に署名用紙を配布して訴えを行いました。地方でも、全労連の友誼組合やタクシーの他産別組合などに署名を訴え、協力してもらっています。

地域公共交通の充実を

東京地連

交政審開催に合わせ宣伝行動を実施

雨の中、審議会参加委員へ訴える=11月22日、東京・三田共用会議所前

雨の中、審議会参加委員へ訴える=11月22日、東京・三田共用会議所前

  【東京】 東京地連の白タク対策会議は、第4回交通政策審議会の第18回地域公共交通部会が開催された11月22日、会場の港区の三田共用会議所前で宣伝行動を実施。書記局を含め9組合56人が参加しました。
  朝から冷たい雨が降り続くなかで、舞弓書記長は、「地方の公共交通の維持は、安全性に重大な問題がある自家用車での輸送の拡大ではなく、国の補助金増額などで対応すべきだ。委員の皆さんには審議を尽くし、地域公共交通充実の方向を打ち出されることをお願いする」と訴えました。
  参加者は、「雨で寒かったが、自分たちの思いを伝えるためにがんばった」とかじかむ手で「交政審は目先の利便性より安心・安全を優先しろ」の横断幕をかかげ、ティッシュに折り込んだビラを200枚配布しました。

安全な公共交通守る

大阪地連

大津市で白タク合法化阻止宣伝

自交総連のロゴ入りバッグを活用して宣伝=11月20日、滋賀・JR瀬田駅前

自交総連のロゴ入りバッグを活用して宣伝=11月20日、滋賀・JR瀬田駅前

  【大阪】 自交総連関西ブロックは11月20日、危険な白タク・ライドシェア解禁の国家戦略特区が出されている滋賀県大津市を中心に宣伝にとりくみました。大阪・京都の両地連から12人が参加し、京都駅を皮切りに大津市内のJR大津京駅、瀬田駅、大津駅で白タク合法化阻止を訴えました。
  京都駅で関西ブロック・福井勇議長(大阪地連委員長)は11月2〜8日に大津市で行われたバス無人運転実証実験に触れ、「各地の実証実験では事故が報告されている。無人運転にせよ、ライドシェアにせよ、市民の安全を担保できないものを交通分野に採用してはいけない」と大津市・越直美市長を批判。「私たちは安心・安全・快適な地域公共交通を守るため、危険な白タク・ライドシェア合法化を認めるわけにはいかない」と強調しました。
  大津市では、未来都労組・黒井真司さん(大阪地連執行委員)が、「ライドシェアの運賃は普段は安くとも災害時には高騰する。皆さんが安心して利用できる公共交通、いまのタクシーの制度を守っていかなければならない」と訴えました。

総がかりのとりくみで35人加盟

福岡地連

ほぼ1日おきに宣伝カーを運行

組織拡大のためドライバーに話しかけ、宣伝行動にとりくむ福岡の仲間 =1月25日、福岡・博多駅前

組織拡大のためドライバーに話しかけ、宣伝行動にとりくむ福岡の仲間 =1月25日、福岡・博多駅前

  【福岡】 福岡地連は、全労連組織拡大新4か年計画の「組織拡大総がかり」をとりくみ、11月末までに35人の組合員が加入する成果が出ています。
  このとりくみは、地域の産別が計画を立ててエントリーし、全労連から上限100万円の組織拡大のための予算が支給されます。福岡地連では独自交通共済と全労連共済をセットにしたドライバーセット共済を立ち上げ、自交総連に入ると手厚い保障が得られることをアピールするパンフレットとポケットティッシュビラを作成しました。毎月2回、博多駅、空港、太宰府天満宮バスプールで宣伝行動を実施。宣伝カーの組織拡大用看板を作成し、9月〜11月の間ほぼ1日おきに運行し現在も継続しています。
  宣伝カーによる巡回宣伝のアナウンスを聞いた方からの相談が、バス労働者1件、タクシー労働者2件、一般労働者3件入り、どれも切実な実情の相談でした。2人の一般労働者は福岡県労連の地域労組きずなに加入しました。今回のとりくみによって相談は11件入ってきており、10事業所に4分会ができ個人加盟の福自交労組に32人が加入しました。


この成果を全国に

神奈川・箱根登山ハイヤー支部

箱根エリアへの無条件復帰かちとる

県労委で和解、良好な労使関係構築に努力

  【神奈川】箱根登山ハイヤー支部は那賀智恵美支部長・山田みや子さん2人が不当な配置転換を命じられ、不当労働行為の救済申し立てを行っていた事件で11月12日、神奈川県労働委員会で和解が成立しました。
  15年、多数派組合のなかで差別されていた組合員が箱根登山ハイヤー箱根労組を結成、以後、多数派組合と会社が結託して箱根労組に不平等な扱いをしてきました。そして18年4月、会社は、箱根労組の委員長に、箱根エリア(観光客が多く営収が多い)から小田原エリア(都市型で営収が少ない)への配置転換を命じました。さらにその後、団体交渉に応じなかったため、委員長は弁護士から自交総連を紹介され加盟。神奈川地本箱根登山ハイヤー支部となり、8月に神奈川県労働委員会に救済申し立てを行いました。
  しかし県労委から団交の要望書が出された後も、会社は不誠実団体交渉・差別的取り扱い・支配介入・不当労働行為を続けました。箱根登山ハイヤー支部は、親会社である小田急電鉄前での宣伝行動や団交を粘り強く繰り返し、ようやく和解をかちとりました。
  会社は、19年11月末までに那賀支部長ら2人を箱根エリアへ無条件復帰させることを約束。また、組合差別についても、今後は良好な労使関係の構築に努力するとし、労働条件変更の際は誠意をもって対応するとしました。

各地の大会

組織再編、市長選挙に奮闘

京都第71回定期大会

京都第71回定期大会=10月16日、京都教育文化センター

京都第71回定期大会=10月16日、京都教育文化センター

  【京都】 京都地連は10月16日、第71回定期大会を開催、来賓として柳生総評事務局長、金杉京都法律弁護士、本部の庭和田副委員長が出席しました。
  大会では本部方針に加え、関西地域組織強化拡大を目指す組織再編、2月市長選挙で市民の暮らしを守る市長実現のため奮闘することを確認し、全議案が承認されました。


要求実現のたたかいを支援

高知第38回定期大会

高知第38回定期大会=10月31日、高知・高知城ホール

高知第38回定期大会=10月31日、高知・高知城ホール

  【高知】高知地連は10月31日、第38回定期大会を開催しました。
  19年度方針では、@北部ユニオンの休日増要求実現のたたかい支援、A1人でも多くの仲間を増やそう、Bライドシェア導入阻止などを決定。11月の県知事選では、松本顕治野党統一候補の推薦を決定しました。本部の菊池和彦書記長が連帯あいさつをしました。


地域要求案を具体的にして

長崎第28回定期大会

長崎第28回定期大会=11月4日、長崎・佐世保市労働福祉センター

長崎第28回定期大会=11月4日、長崎・佐世保市労働福祉センタ

  【長崎】長崎地連は11月4日、第28回定期大会を開催しました。
  本部の菊池書記長の講演で、最賃・消費税アップと売上の関連性について学びました。
  質疑応答では、全体の要求案は理解できるが、地域要求案を具体的に示して欲しいとの要請があり、今後はエリアごとの要求案と結果を記載すると回答しました。


来春にも広域地連へ移行を

大阪第74回定期大会

大阪第74回定期大会=11月12〜13日、大阪・池田不死王閣

大阪第74回定期大会=11月12〜13日、大阪・池田不死王閣

  【大阪】 大阪地連は11月12〜13日、第74回定期大会をひらきました。白タク合法化阻止闘争の一環として自家用有償旅客輸送の拡大方針に反対し、道路運送法改悪を阻止するとした20年度運動方針や、「来春にも関西地連の正式立ち上げを行いたい」として広域地連への移行などが提案され、全会一致で採択されました。


ライドシェアを全力で阻止

福岡第57回定期大会

福岡第57回定期大会=11月17日、福岡・県労連会議室

福岡第57回定期大会=11月17日、福岡・県労連会議室

  【福岡】 福岡地連は11月17日、第57回定期大会を開催しました。
  来賓として本部の庭和田副委員長が参加し、福祉有償運送から自家用有償運送へ向かおうとしている政府の危険な思惑等についても講演しました。
  地方公共交通を破壊する白タクライドシェアを全力で阻止しようと、更なる決意を全員で固めました。

署名への協力呼びかけ

国民春闘討論集会

城委員長が発言

国民春闘討論集会=11月21〜22日、栃木・ホテルきぬ川

国民春闘討論集会=11月21〜22日、栃木・ホテルきぬ川

  全労連・国民春闘共闘は11月21〜22日、2020年国民春闘討論集会をひらき、単産・地方から200人が参加しました。
  討議した春闘方針案は「実現しよう 大幅賃上げ、全国一律最賃制度、均等待遇、消費税減税」「許すな 安倍9条会見、社会保障破壊」「職場と地域で共同を広げ、未来を切り拓こう」をスローガンに、労働組合に団結してたたかうことを呼びかけています。
  分科会と全体集会で討論しました。全体集会では自交総連城委員長が発言し、危険なライドシェアを導入させないため自家用有償旅客運送拡大、道路運送法改悪阻止のたたかいに全力を挙げていることを報告し、署名運動への協力を呼びかけました。