2020年度運動方針案などを決定
第43回定期大会
ソーシャルディスタンスを保ちながら議事進行=10月15日、東京・自交総連事務所 |
自交総連は10月15日、東京・自交共済会議室で、「白タク合法化阻止、コロナ危機を乗り越え、組織の強化拡大を」をスローガンに第43回定期大会を開催し、2020年度運動方針を決めました。大会には22地方から90人が書面で参加しました(中執はリモート参加)。
今年度の定期大会は新型コロナウイルス感染症の終息の目途がたたない現状を鑑み、組合員や関係者を感染から守るために書面開催となりました。
大会では、坪倉秀樹代議員が議長を務め、議決票による議決結果を確認。20年度運動方針案、19年度会計報告並びに監査報告を満場一致で、20年度予算案を賛成多数で決定しました。
また、役員改選は行わず、次期大会まで任期を延長します。
城委員長あいさつ(抜粋)
第1に、新型コロナウイルスの感染によってタクシー業界は、需要が激減するなか、稼働を減らす需給調整と、運転者の収入確保ならびに賃金補償が求められていました。
自交総連は、過去の経験から雇用調整助成金を活用すべきだと意思統一し、東タク協にいち早く緊急要請をおこないました。需給調整を図るために、部分的な休業と車両の期間限定休車制度を行うことを要請しました。
第2に、休業補償では、雇用調整助成金も当初の日額では生活できないことを国会議員にも訴えました。それが雇調金の引き上げ、事業者への事前給付や個別給付などの国会質問に繋がり、現在の休業制度や雇整金の拡充、期間延長に繋がっています。
第3に、安倍政権の功罪について。新型コロナウイルス感染症に対し、有効な対策を打てず、深刻な行き詰まりに直面しています。 辞意表明後、9月に新たに菅内閣が誕生しましたが、安倍政治を継承することは行き詰まり政治を継承することであり、まず国が国民を守るという姿勢を示すべきです。
また、タクシー産業自体の存続危機にある時に、政府が自家用有償旅客運送の拡大を進めようとする動きが顕著に現れています。その先にあるのはライドシェア解禁ということをつかんでおかなければなりません。
最後に、東京のロイヤルリムジングループの退職強要事件など廃業などが起こりうる情勢です。グループの1つ目黒自交に自交総連の組合がなければ解決できず、全員放り出されたはずです。
仙台や和歌山で起きた事案も我々自交総連の運動が解雇や廃業を止めています。福岡では労働相談を基に雇調金を活用しない事業者には団体交渉で解決を図り、組織拡大を果たすなど各地方での奮闘が目立っています。
最賃違反なくすよう徹底
菅政権でのライドシェア導入の動きに危機感
全タク連交渉
要請書を手渡す城委員長(左)=10月12日、東京・自動車会館 |
自交総連は10月12日、全タク連交渉を行いました。交渉には、城委員長ら5人が参加、全タク連側は武居利春労務委員長ら7人が対応しました。
組合側の感染対策や賃金補償など新型コロナウイルス対策についての要請に、武居利春労務委員長らは乗客へのマスク要請などで運送約款を変えて乗車を断れるようにしようという会社がある、本省はそのままでは認めない方向だが、なんとかやりたいとし、コロナ禍での最低賃金の支払いについては全国的に徹底したいと答えました。さらに、ライドシェア問題でも菅政権のもとで危機感をもって労働組合とも一緒にやりたいとしました。
次に組合側は、コロナによる計画休業で需給バランスが一時的、部分的に回復しているが、需要が回復しないまま、これを元に戻せば著しい供給過剰を招く。恒久的な減車など需給調整をはかるための施策を講じるよう要請。
全タク連側は、需給調整については、全タク連として個別の会社には言えない、会社維持に不安があり来年からバタバタつぶれかねない中で、減車について協議するのは難しいと慎重な姿勢を示しました。
公正任命を求めて
厚労省へ共同推薦書を提出
中労委・労働者委員推薦書 共同提出行動
中労委・労働者委員の公正な任命を求め要請=9月23日、東京・厚生労働省 |
中央労働委員会(中労委)労働者委員の公正任命を求めて、推薦書共同提出行動が9月23日に行われました。
中労委は、公・労・使の各委員がいて、労働者委員は組合側の主張を補助して調整する重要な役割です。ところが、歴代の一般企業枠の労働者委員11人すべてが連合の推薦者で占められてきました。
16年から全労連推薦の委員が一人任命されるようになりましたが、より公正な委員構成とするため、全労連・MIC・純中立労組懇が共同して、現職の北口明代さん(生協労連)と田中広喜さん(新聞労連)の二人を推薦して、任命を求めています。
各組合が推薦書を厚労省の担当者に渡して、公正な任命を求めました。
感染対策を講じながら開催
マスク着用義務付け、手指消毒
各地の大会
東京第141回定期大会=9月28日、東京・北とぴあ |
神奈川第66回定期大会=9月29日、神奈川・横浜開港記念館 |
新型コロナウイルスの感染が広がり、ひとの集まる催しが難しくなっていますが、さまざまな感染対策を講じながら自交総連の仲間は全国各地で大会を開催しています。
東京地連と神奈川地本はそれぞれ9月28日と29日、北とぴあと横浜開港記念館で大会をひらきました。本部から来賓として菊池書記長が参加しました。
参加者にマスク着用を義務付ける、手指の消毒を徹底するなど十分な感染対策をおこなったうえで議事進行し、運動方針、新役員を採択しました。
また、大分地連は10月1日に地連事務所会議室で、東北地連は10月11日に仙台市若林体育館で、静岡地連は10月15日に浜松・西塚区画整理記念館で大会を開催。県外からは来賓を呼ばず、規模を縮小して大会が行われました。
【東京の新役員】
委員長=城政利(再)▽副委員長=坪倉秀樹(新)、徳永昌司(再)、中村雅一(再)、堀井一也(再)▽書記長=舞弓義隆(再)
新加盟のなかま |
(855)東京・はとバス従業員労働組合
団交で解雇解決はかる
東京の株式会社はとバスで働く仲間が10月4日、はとバス従業員労働組合(島津広子委員長、8人)を結成しました。
会社は10月1日より大幅な不利益変更となる雇用契約書を強要し、これを拒否したバスガイド3人に対し、10月末までの解雇予告を通知しました。
島津委員長らは団体交渉で解決をはかるため労働組合を結成。8日に会社へ結成通知、団交申し入れ書を提出しました。