コロナ危機突破へ
全国から集めた請願署名を提出
11・5中央行動
団結がんばろうをする交運共闘の仲間=11月5日、千代田区・経済産業省前 |
自交総連は11月5日、交運共闘とともにコナ危機突破、交通運輸労働者の労働条件改善を求める11・5中央行動を実施しました。例年は全国の交通運輸の仲間が集まりますが、今年は感染防止のため本部を中心に自交総連からは9人、全体で35人が参加しました。
国土交通省前で10時から個人請願署名の提出を行い、交運共闘・城議長(自交総連中央執行委員長)が議長あいさつ。建交労の鈴木正明書記次長、国土交通労組の水谷浩久書記次長が決意表明しました。検数労連の石渡周二書記次長が請願書を読み上げ、係官に請願書をそれぞれ提出。その後、厚生労働省、経済産業省でも請願行動を行いました。
13時からは、自交総連の代表が国交省・厚労省・内閣府に要請・交渉を行いました。
労働者に慰労金も
地方自治体によるタクシー・バス支援策
地方創生臨時交付金を活用
新型コロナウイルスによって甚大な被害が出ているタクシー・バス業界に対して、地方自治体からの支援が行われています。政府の地方創生臨時交付金制度で計画を提出した自治体に支給される交付金を活用したとりくみです。政府も、とりくみ例として、地域公共交通の維持・確保支援やタクシー・コミュニティバスに対する経営支援をあげていて(右下)、タクシー・バス支援にも使いやすくなっています。
これまでに第1次1兆円、第2次2兆円の地方創生臨時交付金が支出され、今後第3次の受付も予定されています。自治体に対して、タクシー・バス支援のメニューをつくらせて、活用していくことが重要です。また、経営支援などを受給した経営者には、労働者への還元も働きかけていく必要があります。
これまでに実施された支援策の例では、タクシー会社に10〜40万円程度の支援金を給付、持続化給付金と同じ条件で200万円給付、感染予防対策の経費を補助、タクシー券を妊産婦・高齢者・障がい者に配付などの支援が多くなっていますが、北海道旭川市のように、バス・タク運転者に1人2万円の慰労金支給など、労働者に直接支援するところもあります。
(※自治体によるコロナ対策支援の概要)。
大津市がライドシェア特区提案取り下げ
関西ブロック
自交総連の宣伝が効果発揮
大津市の担当(左3人)と意見交換する関西ブロックの仲間=19年5月13日、滋賀・大津市役所 |
滋賀県大津市は、越直美前市長時代に提案していた自家用ライドシェアを含む国家戦略特区構想を取り下げたことが分かりました。県タクシー協会の田畑会長らが10月19日に佐藤健司市長と面談して、市長から説明されました。
大津市は越市長時代の18年2月、内閣府に対し国家戦略特区提案を行い、その中で「自家用自動車の活用」を求めていました。危険なライドシェアにつながる提案に対し、自交総連関西ブロック(現関西地連)では18年以来、組合員が何度も現地に出向いて、街頭での宣伝、地域への全戸配布、市長・市議会への申し入れ、市職労との懇談など反対行動を行ってきました。市民への宣伝では、ライドシェアの危険性とタクシーを活用した地域公共交通充実をくりかえし訴え、反響を呼びました。
こうした運動もあり、越市長は今年1月の市長選挙への立候補を断念、当選した佐藤市長はコロナ対策の臨時タクシー利用券の交付や助成金支給などタクシーを組み込んだ地域公共交通政策にかじを切り替えています。
国が地方自治体に国家戦略特区に立候補するように勧めているなか、自治体が無謀なライドシェア特区などに手を上げないようする対応の重要性が改めて明らかになりました。
「大阪都構想」住民投票の結果を受けて
関西地連書記長 庭和田裕之
11月1日、大阪市廃止・特別区設置の是非をめぐって行われたいわゆる「大阪都構想」の住民投票は、反対(69万2996票)が賛成(67万5829票)を上回り、おおさか維新の会が公明党を巻き込んで強行した「大阪市つぶし」が、市民の良識の前に再び否決されました。
全国のみなさん、そして関西ブロックのなかまのみなさんのご支援と、連日の諸行動を完遂いただいた大阪地連の仲間、そして大阪労連の仲間の大奮闘に心躍る労働組合運動が完遂できました。
当初、マスコミは「賛成多数」で都構想実現との報道が目立っていましたが、4年前に引き続き私たちが勝利できたのは、圧倒的な「熱量」の差が日増しに強まったためだと思います。自民党、立憲民主党、公明党を支持する創価学会員、そして連合加盟組織など、我々と主張が異なる人々との「エールの交換」や「共闘」が終盤戦、随所で見られました。
こうした教訓を白タク・ライドシェア合法化阻止闘争にも生かしたいものです。
国土交通省・厚生労働省・内閣府交渉
臨時休車特例の延長、11月中に判断
【2020.11.5 国土交通省交渉】
出席者
国交省 自動車局旅客課土肥祐二タクシー事業活性化調整官、
宮屋敷繁行専門官、安全政策課田村圭課長補佐他2人
組合側 城委員長、庭和田・舞弓副委員長、菊池書記長他10人(埼玉、
東京7、神奈川、本部)
議 員 日本共産党武田良介参院議員と秘書、高橋千鶴子衆院議員秘書
要 請 事 項 | 回 答 要 旨 |
1.新型コロナウイルス対策 (1) 運転者の感染防止・予防対策に実効性、強制力をもたせ、マスク・消毒薬、車内の仕切りなどに助成措置をとること。とくに、乗客へのマスク要請などで乗務員が威圧されることのないよう対策を講じ、乗車を断れるケース等を明確にすること。 ――バスの乗客についてはどうなるのか? (2) タクシー臨時休車措置はコロナが終息するまで延長し、雇用調整助成金・休業支援金などの措置も延長するよう厚労省に働きかけること。 ――コロナが終息せず厳しい状況が続くのは確実なので、早く延長を決めるべきではないか。 9月末が12月末に伸びて、今度も延長しても3月末までとか、なぜこま切れにちょっとずつ延長するのか。先が見えないので使いにくいという事業者がいる。 (3)重要な公共交通機関であるタクシー・バス産業の崩壊を防ぐため、事業者と労働者に対する直接的な金銭面での支援策、補助金・慰労金などの支給を行うこと。 ――労働者に対する直接支援をしてほしい。 |
感染防止の観点から業界や労働者のみなさんに協力してもらっていることに感謝する。 マスクの着用については、4日付で事業者から出されていた運送約款の変更を認可してプレス発表した。@マスクを着用していない理由を聞いたうえで、A病気など正当な理由ない場合に着用をお願いし、Bそれでも正当なく着用しない者については乗車を断れるという内容だ。 感染防止については考え方は同じだが、バスは車両も大きく不特定多数の人が乗ってくるので対応は違ってくる。 臨時休車は、3月末に特例措置を講じ、8月末に期限を12月末まで延長した。今後は、状況をふまえて適切に判断していく。 雇調金の延長は厚労省に働きかけを行っていきたい。 10月末の状況をみて11月中に判断する。いま延長しますとは言えないが、厳しい状況はわかっている。 これは特例措置なので、特措法がある中で、いつでも自由に休車して自由に戻せるとなると特措法の意味がなくなってしまうので、状況をみてその都度判断するということにせざるを得ない。 バス・タクシーの営業収入が大幅に減少している状況のなかで、持続化給付金や雇調金の特例など政府のなかで要請して実施されてきた。GO TO トラベルなどで利用の喚起など必要な措置を講じていきたい。 政府のなかで、労働者に対する直接支援ができないか、説明をしている。地方交付税臨時交付金の活用でも自治体に働きかけていて、労働者に直接慰労金を出す自治体もある。 |
最賃違反の実績を基準にした休業手当は不当
【2020.11.5 厚生労働省交渉】
出席者
厚労省 職業安定局雇用開発企画課大橋泰之課長補佐、健康局結核感染症課
佐藤和哉企画法令係員、労基局監督課多賀谷千尋係長、
労働関係法課入澤優政策係長他2人
組合側 城委員長、庭和田・舞弓副委員長、菊池書記長他10人(埼玉、
東京7、神奈川、本部)
議 員 日本共産党武田良介参院議員と秘書、高橋千鶴子衆院議員秘書、
宮本徹衆院議員秘書
要 請 事 項 | 回 答 要 旨 |
1.新型コロナウイルス対策 (1) 解雇や雇止め、雇用形態変更などを阻止するため全力を挙げること。雇用調整助成金の特例措置は、コロナが終息するまで延長し、1人1日の上限額の減額など改悪をしないこと。 一部解雇を実施した事業者について、解雇の撤回とは別途に、残された労働者の救済のために、雇調金特例の適用ができる方策を講じること。 雇用調整助成金の仕組みをよく広報・啓発し、平均賃金の100%の休業手当を支払うよう使用者に教示すること。 ――雇用情勢はさらに悪化していて年が越せないという事業者もある。特例の改悪はやめるべきだ。 ――雇調金を活用するときに、過去に最賃違反をしていて、その金額で平均賃金を計算して休業手当を支払っている会社が京都にある。休業手当が少なくなって、国からもらう雇調金と差額が出て、それを会社が懐に入れている。少なくとも最賃で平均賃金を計算して払わないとおかしい。大阪では労働局がそう指導しているが、京都ではそうなっていない。指導を徹底してくれ。 (2) コロナ対応休業支援金・給付金は、コロナ終息まで延長して実施すること。労働者が申請するときに、休業の確認など事業者が協力するよう指導すること。 ――休業支援金でも、平均賃金が最賃以下の場合は最賃で計算するようにすべきだ。 (3) タクシー・バス乗務員のPCR検査・抗体検査が速やかに実施出来るよう検査費用の公費負担などの体制を構築し、事業者に徹底すること。 (4) タクシーの営業収入が大幅に低下したことにより最低賃金法違反が多発しているので、監督を強化し、違反を是正すること。 (5)重要な公共交通機関であるタクシー・バス産業の崩壊を防ぐため、事業者と労働者に対する直接的な金銭面での支援策、補助金補助金・慰労金などの支給を行うこと。とくに、会社が休業せずに、賃金が低下したまま、何の手当もされない労働者を救済する方策を検討すること。 |
バスやタクシーのヒアリングも行い、厳しい状況は理解している。特例措置は12月末まで延長することを8月の末に決めたが、その際に、雇用情勢が悪化するなど特段の事情がない限りは段階的に通常の措置に戻すなど見直しをしていくことを決めた。今後、適切に判断していく。 一部解雇を実施した事業者の扱いは、解雇があっても支給率は違うが雇調金は受けられる。解雇しないでがんばっている事業者との公平性の観点から差をつけざるを得ない。 実態は把握している。そのうえでこれから検討していく。延長や上限額、支給率など11月末をめどに発表する。 最賃を下回る場合は当然改善をしなければいけないと事業者に言うが、迅速給付のため、そこの確認を後回しにして、とりあえず給付するということになっているのだと思う。京都の局にも確認したい。最賃違反はもちろん認められない。 (平均賃金は最賃で計算すべきですね、との確認に)間違いないです。 12月末以降は、雇用情勢が悪化しない限りは段階的に戻していく。 労働者の申請に協力するよう10月末に事業者へのお願いを出した。周知徹底を図っていきたい。 ご意見は受けとめさせていただく。 PCR検査は、感染者が多く発生している地域など、自治体の判断で幅広く検査することができる。抗体検査は精度が期待できないので注意が必要だ。 最賃法違反が認められたら厳正に対処する。昨年は13万4000事業所に監督して、運輸関係では2011事業所で最賃違反があった。集団指導などあらゆる方法で周知、啓発していきたい。 タクシー・バス労働者への直接支援等については国交省の方で対応する。 |
2.改善基準改正について 自動車運転者の労働時間等の改善基準告示は、拘束時間の短縮など長時間労働の是正に実効あるものに改正したうえで、罰則のある法制化を行うこと。とくに休息期間については現行8時間以上を11時間以上とすること。 関連通達(平元3.1付基発第93号)で示された賃金制度等の基準、保障給の定め、累進歩合制度の廃止、年次有給休暇の不利益取扱いの是正についても法制化すること。 ――有給休暇取得は5日義務付けとなったが、コロナで休業したところは、この義務付けがなくなるのか。 有休を使い切らずに翌年に持ち越したとき、その年に新しく発生した有休から使えという会社があって、これだと権利が早くなくなる。どうするのが正しいのか。 有休をとるなとは言わないが、なるべく遠慮してくれなどの言い方で取らせようとしない場合はどうなるか。 |
専門委員会で議論している。実態把握のため全国で実態調査をしている。結果を踏まえて見直しの議論を継続していく。休息期間の延長は労働側の委員からも意見が出ている。実態調査の項目にも入っている。 93通達の取扱いも重要な課題と認識している。告示のあり方についても議論をしていきたい。 休業していても例外にならない。有休を5日取らないと法違反になる。 古い方から消化するか新しい方から消化するかは労使の定めによる。新しい方からとしても違反ではないが、使用者の不当な意図があれば指導する。 実際に有給取得を阻害していれば法違反になる。 |
自動運転 バス・タクと自家用車が違うというのは理解
【2020.11.5 内閣府交渉】
出席者
内閣府 規制改革推進室 中村孝之参事官補佐、地方創生推進事務局
佐藤満美子参事官補佐、日野宗太郎業務実務研修員
組合側 城委員長、庭和田・舞弓副委員長、菊池書記長他10人(埼玉、
東京7、神奈川、本部)
議 員 日本共産党武田良介参院議員と秘書、高橋千鶴子衆院議員秘書
要 請 事 項 | 回 答 要 旨 |
1.MaaS関連サービスを実施しようとする者のための旅行業法の新類型の整備について、旅行業の許可で自動車による人の輸送を行うライドシェアのような形態を認めないこと。 | ここで言っているのは、例えばナビタイムのような経路を提示する事業者が発券も行うような事業を想定しているので、自動車による人の輸送を認める予定はない。 |
2.デジタル技術を活用した新しいビジネスモデルとして、自家用車への相乗り(のってこ、CREW)、レンタカー利用者への運転者の紹介(ジャスタビ)などの白タク行為が、規制改革推進会議で取り上げられ、グレーゾーン解消制度で合法とされたため、安全を監督する省庁が存在しないまま自動車で人を運ぶ無責任で危険な実態が生じている。これ以上、危険な行為を拡大する提言を行わないこと。 | ここで言っているのは、例えばナビタイムのような経路を提示する事業者が発券も行うような事業を想定しているので、自動車による人の輸送を認める予定はない。 新しい業態が出てきた時に、どういう風に社会に適合させるかは、業を所管する関係省庁の意見を聞いてやっている。 |
3.国家戦略特区、スーパーシティ構想の中で、ライドシェアや白タク行為を組み込む実証実験等を推進しないこと。 |
スーパーシティでの実験は、規制所管大臣が許諾を判断する。国交省が安全性を十分に検討することになる。今のところライドシェア等を含む提案は出ていない。 |
4.自家用有償旅客運送制度については、法改正後もタクシー・バスのない地域に限定したものであることは変わらず、これを厳格に遵守して、無限定に拡大をすすめないこと。 | 無限定に進めようという話はしていない。公共交通の供給が困難な地域でやることにしており、適切に運用されるとを考えている。 |
5.自動運転の推進に関して、旅客の安全を確保する必要のあるバス・タクシーでは、運転資格のある運転者の乗務を義務付け、実験についても同様の措置を講じたうえで、慎重にすすめること。 | 実証実験でも、バス・タクシーは運転資格のある運転者の乗務を義務付けている。乗客を乗せるバス・タクシーと自家用車が違うというのはわかる。どのような規制体系の中でやっていくのか熟慮が必要で、安全をないがしろにしてすすめるということはない。 |
感染対策を講じながら開催
北海道、鹿児島、高知で大会開催
高知第39回定期大会=10月21日、高知・高知城ホール |
鹿児島47回定期大会=10月18日、鹿児島・鹿児島市谷山北公民館 |
北海道地連と鹿児島地連は10月18日に道労連会議室と鹿児島市谷山北公民館で、高知地連は21日に高知城ホールで、それぞれ定期大会をひらきました。
高知大会では、コロナ禍により来賓あいさつは控えましたが、高知県労連や自交総連中央本部、自交総連関係9地連から連帯のメッセージが寄せられました。
どの大会も参加者にマスク着用を義務付ける、手指の消毒を徹底するなど十分な感染対策をおこなったうえで議事進行し、運動方針、新役員を採択しました。
新加盟のなかま |
(856)東北・自交総連ハイタク一般労組鹿島タクシー支部
解雇通知受け組合結成
宮城の有限会社鹿島タクシーで働く仲間が10月15日、自交総連ハイタク一般労組鹿島タクシー支部(佐々木敏之委員長、2人)を結成しました。
10月15日、会社が11月15付の廃業による全員解雇を通知。すでにハイタク一般に個人加盟していた佐々木委員長は、組合員ひとりを加え、組合を結成しました。
現在会社と団交を継続中です。
「特区の全国展開を」
国家戦略特区諮問会議
竹中平蔵氏らが要求
国家戦略特区諮問会議は10月22日、菅首相も参加して会議をひらき、国家戦略特別区域基本方針の一部変更などを決めました。
新たに目標に追加されたのは、「新型コロナウイルス感染症に対応した『新たな生活様式』を実現するための規制改革の推進」「新たな国家戦略特区制度の積極的な活用として、スーパーシティ構想の実現」「地域限定型規制のサンドボックス制度の活用」などです。
会議では、竹中平蔵、八田達夫氏ら民間議員5氏が連名で意見書を提出。スーパーシティ推進のスピードを上げるべきとし、特区で実施した規制改革の全国展開を規制改革推進会議とも連携して、強力に推進すべきである、としました。
菅首相は「(自治体に)大胆な規制改革を盛り込んだ野心的な計画をまとめていただき、スーパーシティに積極的に応募していただくことに期待している」と述べました。
スーパーシティ構想に自治体を立候補させ、規制緩和の実験場にしていこうという狙いで、ライドシェアを含んだ構想で立候補する自治体が現れかねません。基本方針にはスーパーシティの「基本構想の作成に当たっての住民等の意向の反映」が必要とも書かれており、大津市の例にならって、住民の世論に働きかける宣伝がますます重要となってきます。
タクシー輸送人員 3割減
新型コロナウイルスの影響調査(国交省、全タク連)
深刻な状況が浮き彫りに
国交省の新型コロナウイルスの関係業界への影響調査の最新の状況を紹介します。業界団体を通して事業者へ9月末時点での状況を調査したもので、10月以降のデータは見込みとなっています。
9月の輸送人員32%減
タクシーへの影響をみていきます。235の事業者への調査では、9月は前月から若干改善しており、運送収入は、前年度比50%以上減の事業者が17%から9%に、輸送人員は42%減から32%減となっています。
一方で、10月以降は運送収入が前年度比50%以上減の事業者が9月と変わらず9%となる見通しで、引き続き厳しい状況が継続する見込みです。
支援制度については、資金繰り支援を98%の事業者が活用しており、97%が給付済み。雇用調整助成金を81%が活用、70%が給付済みです。
タクシー業界全体の1ヶ月あたり運送収入減少額(想定)は、前年の収入約1218億円のうち、約3割の約365億円が減少とみられています。
全タク連もタクシー営収の緊急サンプル調査を公表しています(参照)。
9月の実働率32%減
貸切バスへの影響は、9月においては、運送収入が前年度から70%以上減った事業者が前月の84%から48%に、車両の実働率は前月の42%減から32%減と非常に厳しい状況が継続しています。10月も、厳しい状況が続くと思われます。
支援制度は、資金繰り支援を95%の事業者が活用し、91%が給付済み。雇用調整助成金を96%が活用し、88%が給付済みです。
貸切バス業界全体の1ヶ月あたり運送収入減少額(想定)は、前年の収入約480億円のうち、約7割の約340億円が減少する見込みです。
8増えて128地域へ
10・1公示 準特定地域の指定・解除
コロナ対応で指定解除は見送り
国交省各運輸局は10月1日付で準特定地域の指定・解除を公示しました。
今年は、新型コロナウイルスの影響で需要が落ち込んでいるため、国交省が「指定を解除することによって供給過剰となるおそれがあると認められる場合は、21年9月30日まで指定の解除を見送る」との通達を出したことで、解除されたところはありませんでした。準特定地域は、8地域が新たに指定(再指定)され、合計128地域となりました。
特定地域は、輸送実績によって毎年見直されますが、今年は3月末で12地域が解除されました。
※タクシー特定地域特措法 特定地域 (2020年10月1日現在)
労働法令違反 タク91%、バス77%
労基関係法令・改善基準告示の違反状況
事業者へつよい指導が必要
自動車運転者を使用する事業場に係る労働基準関係法令・改善基準告示の違反状況の2019年分が公表されました。
労働法令違反は、タク91%、バス77%、告示違反はタク38%、バス50%でした。監督実施数は4283件で、昨年よりも2248件でした。ほとんどの事業所で違反が常態化しているという結果は毎年変わりません。
コロナウイルス感染拡大の影響で延期していた改善基準告示の改正がひかえていますが、現行の制度を守らせるよう厚労省が事業者へつよく指導しなければなりません。
※自動車運転者を使用する事業場に係る労働基準関係法令違反・改善基準告示違反の年別推移