自交労働者No.957、2022年1月15日

新年への抱負


公平な待遇を獲得するために

東京・飛鳥交通第六労働組合 半田博彦さん

 私たちは、7月に設立大会を18人で開催しました。
 緊急事態宣言の発出により、乗務員には未曾有の試練が続きました。会社による乗務員対応も極端に差が出たことから、公平に扱われるべきと労働組合の必要性を決意しました。また、人身事故で罰金を70万円支払った事例から交通共済を希望する乗務員が多く、東京地連に相談して10月25日の臨時大会で加盟を決議しました。
 現在、労働者代表選挙をたたかっています。就業規則の適切な変更を求めていきます。
 決意として「微力ではあるが、乗務員の為に」をモットーに頑張っていきます。宜しくご指導をお願いします。


一つひとつ労働条件改善を前進

福岡・福自交労組国際タクシーグループ分会 小池敏廣さん

 あけましておめでとうございます。 私たちの分会は、21年9月に組合員4人で結成しました。
 会社は、コロナ禍の2年間で一方的に2回の賃下げを行いました。最低賃金は払っておらず、交通事故の修理代も一方的に払わせています。
 分会では、福岡地連指導の下、2回の団交を行いました。最低賃金に関しては労働時間関係の書類を提出してきており、請求されれば支払う意向は示しています。交通事故の修理代は、乗務員が納得の上払ったものとして返金に応じません。
 私たちは、会社の不当な扱いを正し、今後も一つひとつ労働条件改善を前進させて明るい22年にしていきます。


組合として行動起こせば道は開ける

東北・ハイタク一般労組鹿島支部 佐々木敏之さん

 このコロナ禍に於いて我々乗務員は歩合給であるため、ほとんどが収入大幅減となり、生活もままならない状況であった。
 会社に対して国の助成制度を活用するように申し入れをしたにもかかわらず、ハッキリとした姿勢も示さず、最後はコロナにかこつけて廃業、全員解雇と乱暴な行動に出た。
 そんな中、一人で労働局、労働委員会など何度も足を運び、個人で動く限界を身をもって感じた時、一人でも入れる労働組合があることを知った。ワラをもつかむ思いで加入したところ、私が考えている以上の行動を組合はしてくれた。それからは一気に事が進み、最後は労働審判で解決することになり、結果的には完全勝訴となった。
 目的・目標をしっかりと持ち、即行動を取る組合の姿勢に心から敬意を表したい。「一人ではダメでも団体、組合として行動を起こせば必ず道は開ける」そう思わせてくれる一年であった。
 新年を迎えるにあたり、一人でも多くの働く仲間が目的・目標をひとつにし、よりよい生活環境が得られるよう組合員の勧誘にこの一年はがんばりたい。


事業存続のための経済的支援拡充を

中央執行委員長   城政利

写真

 謹んで新春の喜びを申し上げます。コロナ禍が早期に収束することを衷心より祈念いたします。
 総選挙で改憲勢力が伸張し、岸田政権は過去最大の軍事費を計上し、敵基地攻撃能力の保有に踏み込むなど改憲の動きを強めていることから、労働者国民の団結が求められます。
 コロナ禍であらゆる業種の業態変容を求める声もあがっています。その際デジタル化を推進する。それが岸田政権の新たな資本主義の柱となっています。
 マッチングアプリを利用した配車サービスでは、プラットフォーマーとタクシー事業者との関係が支配従属関係となり、そのしわ寄せが労働者へ転化される危険性もあります。
 また公共交通が撤退し交通空白地域が発生するなど、公共交通機関の自立採算原則が限界に来ています。
 持続可能な社会を構築するうえで、責務を民間への押し付けではなく、基本的人権として、国民の移動権を確立し、事業存続のための経済的支援拡充が求められます。

世論受け厚労省の姿勢前向きに

団体署名1071、ネット署名2万7000筆以上を提出

休息期間11時間確保を

自動車運転者の労働時間等の改善基準の改正審議で、休息期間11時間という厚労省の当初案の確保が危うくなっている問題で、自交総連は、建交労・全労連・雇用共同アクションとともに12月24日、厚生省に署名を提出し、記者会見を行いました。
 厚労省要請では、この日までに集まった団体署名1071団体、インターネット署名2万7000筆以上を提出。ネット署名には一般の人から多くのコメントが書き込まれています。対応した労基局監督課過重労働特別対策室の黒部恭志室長は、一般市民のコメントは全部読ませてもらいますとしたうえで、「休息期間は、総拘束が長くても、ここで縛れば効果が出るという点で重要な課題。過労死防止やEUの基準をもとに11時間という案を出させていただいたので、そこをめざしたいというのが事務局の思いだ」「(オブ参加の)国交省にも話してもらうようにする」と、世論を受けてかなり前向きの回答がありました。
 記者会見では、バス・タクシー・トラックの労働者から実情が述べられ、日の丸自動車労組の高橋昭裕さんは、「夜の日勤で働いている。タクシーは歩合給で、稼ぎたいために長時間働く人もいて、それで体を壊す人も多い」など実情を話しました。記者会見はNHKのインターネットニュースで配信されました。
 また、自交総連では、この改正を審議している専門委員会の公労使全委員18人と厚労省に12月17日に意見書を送りました。

年間収入「減った」が85%

コロナの影響引き続き深刻

22春闘アンケート集計結果

図1

 22春闘アンケートの集計結果を、コロナ関連の質問と答えを中心に紹介します。
 集計は、1月6日現在、17地方3504枚の回収でした。
 平均年齢は58・4歳で前年より0・1歳増えました。年齢構成は、前年とほとんど変わらず60歳以上が50%で、40歳未満は5%しかいません。(図1・2)。



図2

休息期間確保が急務

 仕事で運転中の経験を聞いたところ、タクシーでは、前日からの休息期間が、8時間未満10%、8〜11時間未満20%でした。合わせて30%の人が11時間未満となっています。
 長時間労働が影響して、「前日の疲れが取れない」が72%、「交通事故を起こしそうになる」が60%、「安全確認がおろそかになる」が58%もいます。「居眠り運転をしたことがある」も22%になっています。
 バスは、休息期間8時間未満7%、8〜11時間未満25%で、合わせて32%の人が11時間未満でした。疲れが取れない54%、交通事故…34%、安全確認…42%で、居眠り運転…は8%でした。
 タクシー・バスともにドライバーの休息期間の確保が安全のために急務であることが分かります。(図3)


図3


賃上げ要求3万円弱

 賃上げ要求は平均2万9437円(前年3万745円)でした。
 職場での不満では、@賃金が安い、A退職金がない、B労働時間長い、C職場なくなる不安、D休暇が取れないが上位です。
 政府に対する要求では、@最賃引き上げ、A白タク合法化反対、B年金充実、C消費税廃止、D景気対策が上位でした。(図4〜6)



図4

図5・6


77%が生活苦しい

 生活実感では、「かなり苦しい」と「やや苦しい」を合わせて77%の人が苦しいと答えています。これは前年の74%からさらに増えています。年間収入の増減では、減ったが85%となりました。(図7・8)
 休業期間については、15日以上休業した人は53%になり、休業なしと答えた人は22%でした。その際の賃金補償は、8割以上が50%で、なしは8%でした。(図9・10)
 売上が少ないとき、最低賃金が補填されたかどうかについては、12%が支払われていないと回答。「わからない」との回答が3割を占め、最賃違反がさらに発生している可能性もあります(図11)。
 営業収入では、一番ひどいときの月の売上げが6割未満になった人が74%、4割未満が41%いました。
 その時の月収は、10万円未満になった人が56%、6万円未満が19%、2万円未満という人も4%いました。
 コロナ対策の要望では、@休業補償10割69%、A雇調金拡充61%、BPCR検査拡充52%、C感染防止33%、D衛生資材備蓄29%が上位でした。(図12・13)
 自由設問欄の回答については次号に掲載します。

図7

図8

図9・10

図11

図12

図13

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