白タク合法化を阻止しよう
偏向報道続けるマスコミに警鐘
8月26日の菅前首相の「ライドシェア解禁へ議論を」という発言を呼び水に、ライドシェアがあたかも地域公共交通の不便への解決策として喧伝され、国内の規制緩和推進論者が活発な動きをみせています。自交総連は、ライドシェア解禁阻止の闘いにおいて、抗議・宣伝行動を前面にとりくみを強化していきます。
ライドシェア阻止宣伝を実施した=9月14日、大阪 |
【大阪】大阪地連はは9月14日午前、JR新大阪駅を皮切りに大阪城公園、近鉄布施・八尾駅で、ライドシェア解禁の動きを伝え、その危険性を市民に伝えるとともに、乗務員に対して自交総連への加盟を求めました。
福井委員長は、「ライドシェア解禁を公約に掲げる維新の会が関西・大阪万博を口実に国家戦略特区で白タク解禁を強行しかねない状況下で、菅前首相の容認発言があったことでテレビやマスコミ各社はタクシーが足りない、ライドシェアを認めるべきだとの偏向報道を続けている」と指摘。さらに、「タクシー労働者不足を問題としているが、そもそも国や地方自治体、会社も合めて、コロナ禍で労働者を誰も守ってくれなかった。年齢的な要因もあるが、小口貸付で我慢しろといった程度で、耐えきれず労働者の大量流失が起きた。国や行政は責任を果たせず、現場で働く労働者を苦しめるばかりだ」と述べ、ライドシェアの解禁をともに阻止していこうと呼びかけました。
宣伝隊が近鉄布施駅で待機する労働者に現状を訊くと、「会社から何の情報もなく解らない。営業収入は昼動で1万5000円ぐらい」と答え、八尾駅の乗務員も同様だったことから、厳しい現状にあることが伺えます。
ライドシェアここが問題
宣伝タオルを作成 |
今後ライドシェア阻止運動を展開していく上で確認しておくべき点を整理します。もしライドシェアが解禁された場合、タクシー業界にどのような問題が起こるのでしょうか。
1 かつての規制緩和の再来
20年前のタクシーの規制緩和(増車・運賃の自由化)後たちまちタクシー台数が増える一方で、活性化するはずだった事業は、営業収入も輸送人員もマイナスとなりました。
その結果、1台当たりの売上が減少し、それに比例してタクシー労働者の賃金も急減することになりました。少しでも稼ぐためにと長時間労働を行ったことによる過労で事故は増え、運転中の急性死に至っては4倍近くに激増しました。街にあふれたタクシーが道をふさいで交通渋滞をまねき、不必要なCO2を増加させました。
ライドシェア解禁によって自家用有償輸送車が街にあふれかえれば、この時と同じことが起こります。
2 安全を軽視した価格競争
公共交通であるタクシーは、総括原価方式(営業に必要な原価+適正な利潤)を用いた運賃を国交省が認可しています。
しかし、スマホで仲介するライドシェア企業は、思うがままに運賃を決定し、車両代や燃料費など経費をすべて運転者負担として、人を雇うコストや社会保険料も負担せずに、利益だけを得ることができるのです。
つまり、適正な原価無視の低運賃のライドシェアと、安全コストを含めた適正な運賃となっているタクシーの間で安全を軽視した価格競争が行われることになります。
3 公共交通が破壊される
日本のタクシーは、どこで利用しても安心・安全で世界一のサービスを誇っています。
その質の高いサービスは、労働者の過労運転防止のために労働時間が管理されていること、出庫時には毎回、対面点呼により健康状態が把握されていること、疲労・飲酒等のチェック、厳しい基準が義務付けられた車両整備、安全点検によって保証されています。
ライドシェアは、こうしたチェックがまったくありません。それどころか導入されている国では、悪天時には運賃が高騰したり、障がい者を乗車拒否するなど、安定・公正な交通機関とはいえない実態があります。地震などの災害時は運行されるかどうかもわかりません。儲からなければすぐに撤退してしまうライドシェアは既存の公共交通を破壊してしまいます。
魅力ある改定めざす
少数組合でも入りやすい制度に
自交共済第42回総会
自交共済第42回総会(リモート併用で開催)=9月13日、東京・自交共済事務所 |
自交共済は9月13日に第42回総会をリモート併用で開催し、こくみん共済 coopの担当者を含めて合計18人が参加しました。第40期活動及び決算報告を承認し、第41期(23年度)の活動計画を満場一致で決定しました。
議案採択後は質疑応答が行われ、年齢制限の引き上げの検討やこくみん共済のアプリについての質問に続き、連続した休業への補償を求める意見が出されました。
自交共済は、こくみん共済 coopから掛け金の集金方法、給付金の支給方法についての変更が申し入れられており、給付内容の改善も含めて大幅な改定に向けて議論を今後進めていくこととなります。今年5月末時点のの加入状況は、2507人となっており、加入人員5000人を目標に未加入地方・組合への対策強化とともに、少数組合でも入りやすく、魅力を感じられるように、改定の検討していくことを総会で確認しました。
情報電子版 記事紹介
適切な減車求めていく需要回復には地域格差も
→23年24号
労基法・改善基準違反状況 2022年
「過労死」等労災補償状況
→23年22号
東京、神奈川で大会開催
原水爆禁止2023世界大会 参加者の感想
原水爆禁止2023世界大会が8月7〜8日に、長崎県で開催され、自交総連の組合員が参加した |
核兵器の恐ろしさを認識
東京地連・福永民人さん 今回、初めて原水協大会に参加させていただき、多くのことに感動、感銘を受けました。
特にロシアのウクライナ侵攻でロシア側が核兵器の使用に言及したことに多くの人が危機感を持って行動されておられることが大いに刺激になりました。
2日目の分科会では、環境破壊、温暖化で北極圏の永久凍土がかなり溶けていて、封じ込められていた太古のウイルスが復活し世界中に感染拡大する可能性があるとのことに、大変ショックを受けました。
加えて短時間ではありますが、平和公園、原爆平和資料館に行くことができました。あらためて核兵器の恐ろしさと国際政治の中でどういう流れにあるのかを認識しました。
地連の各労組の方々には代表として送りいただき御礼申し上げます。日々の組合活動の中にこの経験をどのように活かせるかを考え中です。
核兵器廃絶の流れに勢いを
東京地連・今泉清治さん まず最初に今回送り出してくれた仲間の皆様に感謝申し上げます。
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核兵器は悪魔の兵器であり、絶対悪であり、非人道的なものであり、二度と使用させてはなりません。たった1発の原爆のエネルギーは爆風、熱線、放射線となり大勢の命を一瞬にして奪ってしまいました。
核兵器禁止条約に日本が加われば国際社会の期待に応え高い信頼を得ることになります。核兵器廃絶ヘの流れに勢いを与え、核保有国に対する大きな政治的圧力となります。
そして日本の安全、国民1人1人の安全にとっても重要な意義をもちます。そして核抑止力で対峙する悪循環をたちきり核破局の危険をとりのぞくことができます。
北朝鮮・中国・ロシアに対して核抑止政策の放棄を迫るなど憲法9条を持つ被爆個にふさわしい外交を進めることで北東アジアの非核平和確立の大きな貢献となります。
核兵器禁止条約への参加を求める声は国民の7割を超えています。禁止条約に背を向ける日本政府の態度を変えさせましょう。
世界から核をなくすと誓い
大阪地連・一原清美さん 私にとって今回の長崎は約6年ぶりの参加でとても感慨深く、台風のこともありましたが、とても思い出に残る行動となりました。
まず1日目の、開会式での各国からのゲスト及びなかまたちの心に染み入る言葉や平和に対する思いなどが自分の胸に突き刺さるように入ってきました。
またその後、自交総連のなかまたち(東京や地元長崎)との交流会では、東京や長崎の現状が直接聞けて、非常に勉強になりとても有意義な楽しい時間を過ごせました。
2日目は、時折強い風が吹くなど台風の影響もありましたが「動く分科会」に参加し佐世保港内を船で見学し、米軍や自衛隊の艦船を目の当たりにしました。
ここでも日本における、米国の存在が非常に強大な権力をもって存在していることを再確認して、とても憤りを覚えました。
その後、原水禁の閉会式に参加し、そこでいまだお元気でいらっしゃる被爆者の言葉を聞き、本当に世界から核をなくさなければならないし、次の世代に伝承していかなければいけないと心に誓いました。