駅前宣伝・国会内集会・要請を実施
1・30 ライドシェア解禁阻止1日行動
自交総連は1月30日、「1・30ライドシェア解禁阻止1日行動」を実施しました。午前からの池袋駅前での宣伝行動を皮切りに、午後は衆議院第2議員会館・多目的会議室で国会内決起集会を開催し、最後に衆参の国土交通委員、タク議連、各政党議員へ要請行動を行いました。
1・30ライドシェア解禁阻止1日行動 |
朝10時、池袋駅東口前(西武百貨店側)に集結すると、自交総連の約40人の仲間は、街頭演説、ティッシュビラ配布、「安心・安全な地域公共交通を守る請願書」の署名集めなどの宣伝行動を開始しました。
マイクを握った庭和田裕之中央執行委員長はまず、「池袋駅前をご通行の皆さま。朝からお騒がせしていますが、ライドシェアという白タク行為が合法化されようとしている現状をお伝えしたく我々は声をあげています」と歩行者に語りかけました。そして、ライドシェアは安心・安全な地域公共交通を破壊するとんでもないものだとし、解禁を阻止するために協力をお願いしたいと続けると、その場で足を止めて聞き入る人や動画を撮影する人もいました。
続いて、北海道や東北、東京、静岡、福岡の代表者が各地の状況を訴える中、待機しているタクシー乗務員へ積極的に声がけを行ったり、ビラや署名に興味を示す通行人にライドシェアの危険性について説明しました。
議員へ協力を要請
要請書を受けとる高橋千鶴子衆議院議員(右写真一番左)と赤嶺政賢衆議院議員(左写真中央)=1月30日、東京・衆議院第2議員会館 |
13時30分からは、衆議院第2議員会館で国会内決起集会を開催しました。
集会終了後は、要請行動を行いました。
自交総連代表44人が約70人の国会議員事務所へ陳情し、ライドシェア解禁反対への呼びかけや「安心・安全な地域公共交通を守る請願書」への賛同・協力を求めました。
日本共産党・志位和夫衆議院議員(秘書) 丁寧に話を聞いてくれた。ライドシェアの危機感を共有し署名の紹介議員の件も快諾。「国会質問も衆参国土交通委員会やデジタル委員会でやりたい。自交総連の皆さんに協力してもらいたい」との話だった。帰り際に、志位議員と廊下でバッタリ会い、自交総連だと名乗り、本人にも要請内容と紹介議員の話をすると、「しっかりと重く受け止めます」と頷いてくれた。
自由民主党・盛山正仁衆議院議員(秘書) 盛山議員はライドシェアに反対だが、党の方針には従わなければならないとの話だった。自交総連の意見を議員に伝えると言ってくれた。
立憲民主党・大河原まさこ衆議院議員 「野党議連としても廃案を求めていきたい。ライドシェア反対の考えを同じくする団体の後押しに感謝している」とし、署名の紹介議員の了解を得た。
日本共産党・高橋千鶴子衆議院議員 議員本人が話を聞き、要請内容に賛同してくれた。署名の紹介議員になると快諾した。
立憲民主党・森屋隆参議院議員(秘書) 「先生はライドシェアには反対の立場だ」との伝言があった。
日本共産党・吉良よし子参議院議員(秘書) 積極的に話を聞いてくれた。ライドシェアの危険性や労働者性の問題点を説明すると要請内容に賛同してくれた。
ライドシェア許してたまるか
国会内決起集会を開催
1・30 ライドシェア解禁阻止1日行動
ライドシェア断固阻止へ団結のこぶしを振り上げる参加者=1月30日、東京・衆議院第2議員会館 多目的会議室 |
庭和田裕之委員長 主催者あいさつ
庭和田委員長 |
本日、私たちは「ライドシェアを許してたまるか!」と決起集会を開催することにいたしました。
この拙速な期間に、道路運送法78条2号・3号をどんどん規制緩和し、その次のライドシェア新法に進んだ場合、タクシーは取り返しのつかないことになります。北は北海道から南は沖縄、24時間365日どこであっても安心して乗れる、夜中でも子供1人、女性1人でも安心して乗れるタクシーが潰されようとしています。「タクシーが足りないからライドシェアをやる」だなんて、そんなことをしたらどうなるかは世界中の実例をみれば一目瞭然です。
交通弱者といわれる方がひどい目に遭わされるだけで、特に女性は性暴力などの被害を受けたなんて話は山ほどあります。ライドシェア推進派は、「日本は外国と比べて犯罪率が低いから大丈夫」などといっています。
そうした無責任な発言への怒りもありますが、私が一番頭にきていることは、本当の意味で腹から怒りながら、こんなものは駄目だという声をあげている組織がこの業界でどれほどあるのかということです。
自分だけ声をあげても意味がないと思う人もいるかもしれませんが、駄目なものを駄目だと言い続けてこなかったことが、今の日本の体たらくに繋がっています。
だからライドシェアの問題は、私たちタクシー労働者だけではなく、労働者性の問題であるということも、しっかり真ん中に見据えて物事を考えていかなければなりません。
今日お集まりいただいた組合員の方、また友誼団体の方も含めた私たちが、駄目なものは駄目、おかしいことはおかしいということを、本当に腹の底から伝えられるかが勝負だと思っています。
絶対にライドシェアを入れさせないということで一丸となって、全国各地でその声を拡げに拡げて闘っていきましょう
来賓4氏があいさつ
国が公共交通の責任果たせ
伊藤参議院議員 |
日本共産党・伊藤岳参議院議員 地域公共交通、移動交通の権利を守るために、国が財政的な責任も含めて責任を果たさなければなりません。とりわけ、運転者の賃金改善に繋がるような補助のしくみの充実が政治の力として求められます。
日本共産党の国会議員団を挙げて、ライドシェア解禁を阻止するためにたたかう決意を表明します。共にがんばりましょう。
今やるべきはタクシー発展
小畑議長 |
全労連・小畑雅子議長 今やるべきは、安心・安全な地域公共交通としてのタクシーを守り、発展させていくことです。全労連は、ライドシェア導入ではなく、「タクシー労働者の大幅賃上げ、処遇改善で地域交通を守れ」、このことを24春闘にて大きく掲げて皆さんと共にたたかってまいりたいと思います。ご一緒にがんばりましょう。
タクシーへの補助金増額を
石橋副議長 |
交運共闘・石橋覚副議長 交運共闘は、タクシー業界と労働者の雇用と生活の安定、そして何よりも安心・安全な公共交通機関を守っていくことが、利用者の利便性の向上に繋がることを確信しています。タクシー業界への補助金を大幅に増額することが重要です。ライドシェア導入に断固反対の声をあげ、皆さんとたたかう決意を申し上げます。
安心して乗れるタクシーを
藤野総務局長 |
全視協・藤野宣子総務局長 視覚障がい者はタクシーをとても利用します。プロということで信じきっています。私は運んでいただいて怖い思いしたことはありませんでした。 それを考えると、ライドシェアって本当に恐ろしいなと思います。労働組合の皆さんと一緒に、私たちも、視覚障がい者の女性が1人で安心して乗れるタクシーを守っていきたいと思います。
北海道・東北・神奈川・山口・福岡の代表が決意表明
プロとしての誇りを
吉根書記長 |
北海道・吉根清三地連書記長北海道では年収が200万ギリギリで、本当に苦しい中でも、利用客の安全を守るため、タクシーの安全輸送の確保にプライドを持ってがんばってるんです。なのにライドシェアを推進する、新自由主義に乗っかってる奴らは本当に許せません。
ライドシェア阻止ということで、第二種免許を持ってるプロとしての誇りを持ちモラルの向上もしながら、署名運動と共に全力をあげてたたかっていきます。
現在も将来も必要ない
池田副委員長 |
東北・池田智行地連副委員長 私が住んでいる東北地方では、需要と供給のバランスがほぼ保たれています。一部仙台市の近郊では、若いドライバーや女性のドライバーも増加しています。国、政府のその場しのぎのライドシェア解禁政策は絶対に反対であると共に、東北地方では現在も将来においても必要ありません。
私は自交総連のいち組合員として、タクシードライバーの安定した収入と生活を守るべく、これからも奮闘します。
安易な有償旅客運送NO
冨松委員長 |
神奈川・冨松達也地本委員長 県内の松田町で、タクシー車両が少ないのでオンデマンドバスを運行します、ということでタクシーが他の地域の営業所へ移動したという話を聞きました。安易に有償旅客運送を入れていくと、私たちの仕事はどんどん取られてしまいます。黒岩県知事のいう「神奈川版ライドシェア」も絶対反対しなければならないことです。これからも安心して働ける、安心して乗れるタクシーをめざしてがんばります。
安心・安全の保障ない
川端書記長 |
山口・川端輝彦地連書記長 先般お客さまとの会話で、ライドシェアの話をしたところ、「そんな誰とも知らないような人の車に乗りたくない」と答えました。それはそうですよね。ライドシェアをやる人が、事故を起こしたとき、雪が積もったときなどに、お客さまに対して安心と安全を保障できるのかということです。こういった利用者の安心・安全をきちんと守らなければならないと思います。
ライドシェア絶対阻止
内田書記長 |
福岡・内田大亮地連書記長 本日、来賓の全視協の藤野さんから、「プロだから安心している」と言われて、タクシードライバーやっていて本当よかったなって、改めて思いました。地域交通はライドシェアでは補えません。お年寄りや体の不自由な方、いろんな人たちの足となって、これからもタクシーはがんばっていかなきゃいけません。そのためにもライドシェアを絶対に阻止しましょう。
※詳細
ライドシェア解禁の問題点解説
第46回弁護士交流会
第46回弁護士交流会=1月29日、東京・自交共済事務所 |
自交総連は1月29日、第46回弁護士交流会をZOOMをつかったWEB会議形式で行いました。全国から17人の弁護士が参加し、自交総連から14人が傍聴しました。
会議では、代々木総合法律事務所の林治弁護士が「ライドシェアの危険性と問題点」についての基調報告を行い、国内の解禁の動きのまとめと、政府答弁や法律上の規制を説明し、海外での状況を実例にライドシェアの問題点を報告しました。
特別報告として、北海道タクシー労働者支援弁護団の齋藤耕弁護士が、@「割増賃金が歩合給から引かれる問題、割賃請求二次訴訟」、A旬報法律事務所の山内一浩弁護士が、「飛鳥交通の運賃改定時の一方的賃下げ問題」について報告し、意見交換を行いました。
春闘方針を満票で決定
第46回中央委員会
第46回中央委員会=1月31日、東京・自交共済事務所 |
自交総連は1月31日、東京・自交共済事務所で、第46回中央委員会を書面開催し、「ライドシェア解禁阻止、変えよう政治、労働条件改善で公共交通維持 24春闘」をスローガンとする春闘方針を決定しました。
役員は8人が出席し、議長に選任された木俣透中央委員によって1月30日までに到着した議決票が確認されました。
これによって、2024年春闘方針案、会計中間報告並びに会計監査報告を満票で可決しました。