2008.2.22 自交総連情報タイトル

自交総連siteトップ春闘情報2008 > 情報08.2.22



改めて「運転者人件費割合の維持」を求める
国交省の指導を全乗連が通知

 業界紙等ですでに報道がされていますが、最初に運賃改定がされた大分・長野の改定後の労働条件改善状況が各協会から公表されたところ、長野では、約半分の会社で運送収入に対する運転者人件費割合が低下していたため、国土交通省は、全乗連に口頭で指導を行い、全乗連は以下の通りその内容を各協会に通知しました。
 (注)通知の1に「ノースライドや賃金制度の維持を求めるものではなく」との表現がありますが、誤解のないように説明すると、これは、ノースライドにしなくてもいい、という意味ではありません。仮に歩合給部分でスライドしても、別の部分でその低下分を上回る賃金引上げがされ、全体として「運送収入に占める運転者人件費割合を維持すること」となり、賃金改善がされるのならば、それでも構わないという意味です。ほとんどが歩合給である実際の賃金体系を考えれば、ノースライドが「運転者人件費割合を維持する」一番確実で現実的な方法です。
 また、4に書かれているようにA型賃金等の場合はさらにプラスの調整が必要です。


全乗連発第173号
平成20年2月13日

協会長 各位

(社)全国乗用自動車連合会
会長 富田 昌孝

運送収入に対する運転者人件費割合の維持について

 平素は全乗連業務の推進にご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 さて、今般の運賃改定に当たっては、平成19年3月28日付国自旅第325号通達において、「タクシーサービスの質を維持するためには運転者の労働条件につき一定の水準を確保することが必要であることを勘案し、実績における運送収入に対する運転者人件費割合を維持したうえで健全な経営が成立する水準の運賃を設定する。」との考え方が示され、各地方運輸局長の公示文においても、「運賃改定実施後において、実績における運送収入に対する運転者人件費割合(歩合率)を維持させること等により、適切に運転者の労働条件の改善措置を講ずること。」とされたところですが、今般、標記のことについて、国土交通省より改めて下記の通り指導(口頭)がありましたので、了知の上、傘下会員事業者に周知頂きますとともにその遵守についてご指導頂きますようお願い致します。

 1 今回の運賃改定における国土交通省の上記通達等の趣旨は、ノースライドや賃金制度の維持を求めるものではなく、あくまでも、運賃改定の結果として運転者の労働条件の改善を図ることを主眼としたものであり、「運送収入に占める運転者人件費割合を維持すること」が、その際の重要なポイントであることを示したものである。

 2 1の趣旨に鑑み、今回の改定率は、従前の査定の考え方とは異なる考え方で査定している。従前の査定方式によれば、人件費について、労働条件の改善を図るに足る十分な増収額を確保することは困難であり、改定率は低くならざるを得ないところであったが、労働条件の改善が必要という今回の改定申請の趣旨に鑑み、運送収入に占める運転者人件費の割合の維持という、従来にない考え方のもと、人件費にかかる所要増収額を確保した上で、改定率の査定を行ったものである。

 3 したがって、運送収入に占める運転者人件費割合を維持することは、今回の運賃改定の趣旨を全うする意味で、重要なポイントである。これは、いわば、国土交通省及びタクシー業界の国民、利用者に対する約束事とも言うべきものと考えている。

 4 特別な事情がある場合を除き、「運賃改定時までに賃金制度が変更できず結果として営業収入に占める運転者人件費割合が低下した」ということは理由にはならず、今回の運賃改定の趣旨に逸脱していると考えざるを得ない。このような場合も、事業者には、例えば、一時金の支払等の対策を講ずることが期待されるとともに、少なくとも、公表時には、そのような努力を行うことを明確に説明することが望まれる。


自交総連siteトップ春闘情報2008 > 情報08.2.22

自 交 総 連