2008.3.10 |
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国交省前に集まり個人請願にむかう参加者 |
自交総連は3月5日、「なくそう貧困と格差社会、タクシー労働者の誇りと働きがいある労働条件で安心・安全輸送の確立を」を掲げて国会・霞が関で中央行動を実施、交運共闘の仲間とあわせ1600人が参加しました。
午前中は、衆参の国土交通委員を中心に議員40人に要請、日本共産党に要請を行いました。12時から国土交通省前で交運共闘とともに集会をひらき、個人請願を実施、タクシー、JR、トラック関係の請願書を提出しました。また、国交省・厚労省と交渉を行いました。
出席者 | 組合側 | 飯沼委員長他21人(宮城、福島、東京11、京都、大阪2、岡山、福岡、本部3) |
国交省 | 自交局旅客課阿部竜矢地域交通政策企画官他6人 |
要 請 事 項 | 回 答 要 旨 |
1.運賃改定時のタクシー労働者の労働条件改善を強力に指導すること。 (1) 実績における運送収入に対する運転者人件費の割合(歩合率)を維持させることについては、いわゆる足切り額の引き上げなど、実質的に歩合率の変更につながるあらゆる改悪措置を許さないよう指導を徹底すること。 (2) すでに各地で顕在化しているスライド賃下げなど明白な労働条件の改悪については、事業者による改善状況の公表時期を待つことなく直ちに是正を指導すること。 (3) 設備投資費用や手数料など社会的に理解されえない不当な労働者負担の改善を含め実質的な労働者負担の軽減や手当て類の創設等の措置を指導すること。 |
すでに46地区で改定した。運転者の労働条件改善を主な理由として申請され、そのための査定もした。増収に見合った確実な労働条件改善を行うことが国民の理解を得る上でも不可欠と考えている。 (改善状況が公表された)大分・長野では、必ずしもその趣旨にそっていないので、運輸局で適切に指導をする。その際、実績の運送収入に対する運転者人件費の割合が下がっていないかが問題となる。個々の賃金制度については労使の問題で行政がどうこう言うものではない。 (明らかに歩合率が下がる賃下げについては直ぐに指導するのかとの質問に)6か月後の実績をみて対応する。実績をみてみないとわからない。 (上記回答に厳しく抗議して再考を求めていたところ、翌6日に以下の通り回答)6か月後にこだわらず、オール歩合制などにおいて明らかに歩合率が下げられるものとわかるものについては、局あるいは支局の方へ話をもっていっていただければ適切に対応する。 |
2.能率的な経営が行われるよう、事業者が自主的に減車を実施できる環境を整える方策を検討すること。とくに、公共の秩序を守るための地域的な減車について、地方自治体や公正取引委員会と協議を行い、ガイドライン等を示すこと。 |
減車は重要な課題だと認識している。 しかし、じつは規制緩和以前でも減車をさせる明確な手段はなかった。個々の経営者の判断で行ってもらうしかない。地方自治体などのとりくみについては注視している。 |
3.道路運送法や労働基準法等の法令違反を徹底的に摘発すること。 (1) 増車や運賃値下げを行う事業者については、劣悪な労働条件を前提に不当な競争を引き起こすものでないかを厳しく監査・監督し、重点的に摘発すること。 (2) 特別重点・特定特別・準特定特別監視地域においては増車見合わせ及び減車勧告を実効性のあるものとし、監査内容や勧告の結果を公表すること。 (3) 大阪等で急増している名義貸し営業は厳しく取り締まり根絶すること。 |
(1) 監査は従来から厳しくやっている。関係省庁とも連携を強めていきたい。低運賃がどういう事業運営のもとで実現しているのか、結果として労働条件悪化となっていないかをきちんと見ていく。 (2) 新しい特別監視地域の制度は、コンプライアンス(法令遵守)に欠ける事業者や労働条件悪化をもたらす増車を抑制するのが趣旨。実効あるものとしたい。8月までの試行的措置として効果があるか見ていきたい。 (3) どういうことが名義貸しに該当するのか、総合的に判断する。あるひとつの行為だけを取り上げて判断するのは難しい。いま勉強しているところだ。必要な対策を取りたい。 |
4.改正タクシー業務適正化特別措置法の施行に当たっては、運転者の質の向上につながる実効ある政省令・通達等を策定、運用をはかること。 | (別紙で出した要請詳細に関しての主な前進的回答)運転者登録制度について、◇自社講習でも効果測定は登録実施機関が行う◇新規講習でバリアフリー対応は実技を行う◇効果測定の問題は100問程度に限定しない◇登録時に雇用契約の写しを出させて違法な形態の雇用は登録しない。 |
5.交通政策審議会タクシーWGの審議に当たって、必要な調査、資料を整えるとともに、労働者からのヒアリングも検討するなど、有意義な審議ができるよう努力されること。 | 地域の特性もふまえて検討していきたい。労働組合の代表も参加しているので、積極的な関与をお願いしたい。 |
出席者 | 組合側 | 石垣・緒方副委員長他9人(京都、神奈川、福島、本部2、東京2、静岡、大分) |
厚労省 | 労基局監督課川辺博之事務官、土岐太郎事務官他2人 |
要 請 事 項 | 回 答 要 旨 |
1.タクシー運賃改定に関して以下の措置を講じること。 (1) 改定の趣旨、政府方針に反して、労働者・労働組合の同意を得ることなく一方的に賃金の支給条件を改悪するスライド賃下げを強行している事業者に対して、必要な指導を行い、悪質なものは労基法違反で摘発すること。 (2) 基発第1203001号通達の趣旨を東京以外の各地方にも徹底すること。 |
(1) 明らかに違反が認められる場合は是正指導を行っていきたい。 (2) 通達の方針は、東京以外の運賃改定が実施されている地区でも同様の対応をするように、すでに指示している。 (一方的な労働条件の改悪は法違反ではないかとの質問に、改悪の合理性の有無は裁判で判断されるとの趣旨の回答があったため、実態を示して厳しく追及した結果)基発第1203001号通達の趣旨(労働条件改善)を指導することはできる。 |
2.相互通報制度の活用など国土交通省との連携を強化し、労働関係法令違反、とくに改善基準告示違反を是正させること。その際、長時間労働の背景となっている累進歩合制度等について、指導の基準を徹底し、確実な摘発を行うこと。 | タクシーは重点業種としており、問題のありそうなところを選定して監督している。累進歩合をとっているところは指導している。合同監査・相互通報制度も活用して今後も適切な指導をしたい。 |
3.最低賃金法改正の趣旨を生かして最低賃金を大幅に引き上げること。将来的には全国一律、時給1000円以上をめざすこと。 また、法違反を許さない万全の態勢をとり、とくに、手待ち時間を労働時間から除外する最低賃金法違反逃れは許さず、法違反を申告した者が不利益取扱いをされないようにすること。 |
生活保護との逆転の解消をはかり、政府の成長力底上げ戦略の一環としても引き上げをはかっていきたい。 (最賃違反の)監督の手法として、運行記録を精査するなど労働実態を見極めてやっている。手待ち時間除外を見逃すようなことはないようにしたい。申告者の不利益取扱いは明らかに法に違反する。 (実際に手待ち時間を除外しているとの指摘に)そういうことがあれば情報提供してもらいたい。きちんとやる。 |
4.観光バス(貸切バス)労働者の長時間労働是正のため改善基準告示違反を確実に摘発し、是正させること。 また、旅行業者による無理な旅程・低運賃の押し付けが労働時間違反を引き起こしている実態を直視し、厚労省として旅行業者への改善基準告示等の周知・指導を行う方策を検討すること。 |
ツアーバスで、無理な運行計画でひきおこされる労災も懸念される。法定労働条件の確保のため国交省とも連携して問題のあるバス事業者の把握に努めたい。 旅行業者への指導は、一義的には国交省の所管だと思うが、厚労省としても法令の周知をしていきたい。 |
出席者 | 30人(北海道、山形、宮城、埼玉、東京8、山梨、神奈川、大阪3、岡山、石川2、奈良、広島、山口、長崎、鹿児島、福岡2、本部4) |
要請先 |
衆議院議員26人(自民13、公明1、民主4、共産7、国民1) 参議院議員14人(自民3、公明1、民主5、共産4、社民1) (各国土交通委員会委員長・全理事=衆9、参6人を含) 日本共産党(自民、公明、民主、社民は要請書郵送) |
《議員要請》
国会議員要請は、2〜3人で1班、全10班をつくり、主に地元の議員を中心に衆参40人の議員に要請した。要請の主旨は、@運賃改定時の確実な労働条件改善、A減車の環境整備、B道運法・労基法等の違反摘発、C移動制約者のタクシーを利用への補助・助成措置拡大、Dタクシー運転免許実現、E観光バスの長時間労働是正――など。
以下のような反応があった。
◎ はやり病のように規制緩和がもてはやされて、八百屋も米屋もなくなった。規制緩和にあらずんば人にあらずというやり方で日本はダメになった。体力のあるうちに手術をしなければ、タクシーはダメになってしまうと思う。(自民・北村茂夫衆院議員=石川)
◎ 規制緩和で、タクシーの場合は(失敗を)謝ることも必要だ(自民・吉田博美参院議員=長野)
◎ タクシーは台数規制も必要。民主党としてタクシーの現状について対応している。(民主・後藤斎参院議員=比例・山梨)
◎ タクシー労働者の生活が成り立つようになることが必要だ。協力していきたい。(共産・仁比聡平参院議員=比例・九州)
《政党要請》
政党要請は、自民が拒否(全労連の組合とは会わない)、公明は担当者不在、民主・社民は当日の交運労協の行動に同行するため対応できないとの回答だったため、共産党のみ実施。
飯沼委員長、権田・鈴木両副委員長らが共産党本部を尋ねて要請、国民運動委員会の浦田労働局長、水戸次長らが対応した。浦田氏らは、要請の内容はいずれも改善が必要な社会問題で、要請内容を国民世論とし、改善のために奮闘すると述べた。
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