2008.8.13 |
自交総連siteトップ > 春闘情報 > 情報08.8.13
自交総連は、駆け込み増車に抗議する委員長談話を発表しました。
交通政策審議会タクシーワーキンググループの中間とりまとめが行われた7月3日、国土交通省は増車・新規参入手続の厳格化や協調的減車措置などを検討することを明らかにするとともに、11日には特別監視地域等の指定要件の変更など増車・新規参入を抑制する措置を通達した。
これは、タクシーワーキンググループでの議論も踏まえて、都市部を中心としたタクシーの供給過剰が運転者の労働条件の悪化、ひいては輸送の安全、利用者利便の低下をもたらしていることに対応したものである。
ところが、東京や大阪をはじめ、特定特別監視地域に指定された地域において、一部の事業者が、7月11日の直前、あるいは「通達以前に契約していた」等の理由で8月11日の増車事前監査の除外期限前に増車を届出る事例が相次ぎ、東京では322台(8月11日まで)、大阪では139台(7月10日以前)に及ぶ届出がされている。
都市部でのタクシーの供給過剰は、国交省通達のはるか以前から明白になっていたことであり、この時期に増車を届出るものは事前監査の回避を狙った「駆け込み増車」と言わざるを得ない。規制緩和の弊害を除去しようとする労使、行政の努力がなされている時期に、それを無にしかねない身勝手な行為に対して厳重に抗議するものである。しかも、増車届出事業者の中には、新規参入事業者だけでなく業界のリーダーシップを担うべき東京の大手4社グループ企業も含まれており、その責任は重大である。国土交通省は、明らかな駆け込み増車については、通達後の基準を厳格に適用し、事前監査の除外をすべきではない。
いま各地で顕著になっている営業収入の減少による労働条件悪化の最大の要因は多すぎるタクシーにほかならない。増車は、まさに労働者に犠牲を転嫁して自企業の利益のみを追求する行為である。同時に、規制緩和の見直しが「既存事業者の保護」につながるとして今回の国交省の増車抑制策を非難する論調も現れているなかでの既存事業者の駆け込み増車は、規制緩和の見直しを押しとどめようとする勢力に勢いを与えることにもなりかねない。
むしろ事業者は、行政やワーキンググループの結論をただ待つのではなく、自主的に減車をして、自ら経営効率化の範を示して、世論の理解を広げるべきである。
自交総連は、規制緩和の見直しが実りあるものとなるように努力するとともに、事業者の自主的な減車を含めたあらゆる可能性を追求して、減車を実現するために引き続き全力をあげるものである。
自交総連siteトップ > 春闘情報 > 情報08.8.13
自 交 総 連