2010.3.24 |
自交総連siteトップ > 闘争情報 > 2010 > 情報10.3.24
自交総連は3月3日、東京・入谷区民館根岸分館で第3回中央執行委員会をひらき、2010年春闘の当面する対策について検討し、以下の方針を決定しました。
好機を逃さず、大幅減車を実現する最大の保障は、2010年春闘における産業別統一闘争の成功いかんにかかっている。すべての組合員が、一心組織力、みんなで要求・総決起を合言葉に、持てる力をフルに発揮し、大幅減車を必ずものにする決意で臨む必要がある。2・1宣伝行動、3・4中央行動、続く4月段階の大幅減車実現全国統一ストライキの成功をめざし、みんなの固い意思統一を成し遂げることがまず何よりも不可欠である。
規制緩和実施後丸8年が経過したが、2010年春闘における減車闘争の実現をもって、これまでの奮闘が実り、やっと賃金減から賃金増へと転換できる大きなチャンスをつかむことができる。タクシー労働者の“多すぎるタクシーを減らし、生活できる賃金を”の期待に応え、不退転の決意を持って闘いの先頭に立つことが求められる。(2010年春闘方針補強文書「特定地域における減車闘争の当面する重点」より)
○ 地域協議会で合意された「適正と考えられる車両数」にもとづく減車の実現は、タクシーに関係を有する地域の多様な関係者に対する最低限の社会的公約であり、その実現の可否は、タクシー経営者の資質のあり方と企業の社会的責任が鋭く問われる問題である。
したがって、すべての地連(本)は、経営者が地域公共交通機関の一翼を担う者としての責任の重さを自ら自覚し、即時、減車に踏み出すよう、労働組合として積極的な役割を担うことが重要である。
その際、減車によって、@税金、保険料、燃料など経費の節減につながり経営の効率化を促進できる、A台当たりの運収増加となり収支状況が改善できる、B賃金増と長時間労働抑制など労働条件の改善に寄与できる、C交通渋滞の減少に役立ち、地球温暖化防止の課題に貢献できる――などの効果をもたらすことに着目し、減車合意と即時実施を求めていく。
○ 減車の具体的実施を想定した場合、事前に「経営の効率化と競争条件の公平化」や「合理的な雇用対策」などに関する対応策をまとめておくことが必要・不可欠である。
1) 遊休車両の即時減車と適正実働率の確保
2) 車両における勤務形態の改善、労働時間の適正化
「1車1人制から2車3人制へ」あるいは「2車3人制から1車2人制へ」など車両における勤務形態の地域的な統一改善策を提起すること。このことは、経営の効率化のみならず、労働時間の適正化にも大きく寄与する。
3) 新規雇用の一時凍結
○ タクシー活性化法成立に至る闘いを通じてたたかいとった国会の附帯決議や運用基準通達、さらには最低賃金法など活用でき得る積極面は、減車闘争の武器として上手に使いこなすことが決定的に重要である。
このため、減車闘争の具体的な推進に際しては、「最低賃金法違反の地域的一掃」と「違法な臨時・アルバイト雇用の是正、運転者規制の厳格運用と良質な労働力の確保」の2方面からのとりくみ強化をはかる。
○ 最低賃金法違反は、経済不況と供給過剰状態の深刻化のもとで全国的な拡大傾向を示している重大問題である。こうした中で、最低賃金法の活用は底上げの有効な手段となり得るし、ただちに労働者の実利・実益に結び付く。このとりくみはまた、減車推進と低運賃競争の歯止めにも一定の役割を果たすことを重視し、地域的な運動として全力をあげる必要がある。
1) 違反の根本要因である累進歩合制度の廃止を重要課題と位置付け、“物取り主義”に陥らないよう留意する。
2) 違反の地域的一掃を現実的に可能とする施策は、減車の実現以外にはないことを重視したとりくみ対策を強化する。
3) 違反是正の意思がなく、減車にも反対し居直り的姿勢を取り続ける悪質経営者に対しては、労働・運輸行政へのいっせい告発など毅然たる対応手段で臨む。
この場合、国土交通省が、監査方針、行政処分基準等の改正を行い、最低賃金法違反(事業の健全な発達を阻害する競争行為)に対する処分基準を創設したことも活用する必要がある。
【監査方針、行政処分基準等の改正】
一部の支払い | 初違反10日車 | 再違反30日車 |
全てへの支払い | 初違反30日車 | 再違反90日車 |
一部未加入 | 初違反10日車 | 再違反30日車 |
全部未加入 | 初違反30日車 | 再違反90日車 |
この間の「構造改革」路線が、内需・家計をないがしろに、日本の経済を極端な外需頼みの構造にしてきたことによる影響は甚大なものであり、輸出の激減状況に加え、設備投資、個人消費も低迷し、外需・内需とも総崩れの様相が続いている。深刻な景気悪化は、企業の経営不振ばかりでなく、非正規労働者を中心に広がった雇用不安が家計の消費欲を奪っている。労働者・国民の苦境をよそに、くらしや内需回復の明確な方策を示さない鳩山内閣と大企業の社会的責任を追及する闘いの強化が極めて重要となっている。
一方、タクシー需要は景気低迷を受けて一段と落ち込み、経営環境と賃金・労働条件への影響は、まったく予測のつかない最悪の事態に陥っている。2010年春闘では、企業内あるいは同業種の枠内での闘いに止まっていたのでは、要求闘争前進の展望を見出すことはできない。自交春闘の闘いの推進とともに、経済悪化に歯止めをかけ、貧困・生活危機突破、内需主導の経済に踏み出すことを求めてたたかう全労連春闘との結合が不可欠である。
2010年春闘では、“安心・安全、誇りと働きがい、地域貢献”という公共交通機関の根幹をなす課題達成において、タクシー運転者の質の確保と、それを担保する雇用の安定と労働条件の確実な改善が求められている。この問題は、観光バスにも共通するものであり、公共的性格を有する教育機関としての指定教習所でも、その社会的役割の発揮において極めて重要である。このため、2010年春闘では、雇用・賃金破壊をもたらした“規制緩和政策からの根本的な転換”をめざしつつ、政府・行政の責任と「企業の社会的責任」(CSR)を追及するとりくみを結合し、要求闘争の前進をはかる必要がある。
○ “今こそ、みんなに賃上げを”の構えを基本に、賃上げと一職場一重点要求獲得の徹底追求をはかる。このため、各地連(本)は要求提出の意義を徹底し、未提出組合への援助・指導を引き続き強化する。
○ 回答指定日の設定は3月17日までとする。回答指定日に至る事前の対策として、各職場組織は経営者に対し要求内容に関わる説明の場を設けるよう努め、協力・共同の政策提言についても積極的な提起を行っていく。
○ 各職場組織は、回答指定日の翌日(3月18日=自交総連第2次統一行動)には時間内外の報告集会などをひらき、回答内容の説明、その評価と以後のとりくみ方針を報告し討議・確認を行う。また、組合旗のいっせい掲揚など創意工夫し、全組合参加の行動としての前進をはかる。
○ “大幅減車の実現で、タクシー労働者の確実な労働条件改善を”を中心とする緊急要求と“安心できる雇用と賃金を”など労働者・国民の共通課題を結合し全力をあげてとりくむ。この3・4中央行動は、自交総連第1次統一行動とし、タクシー30台、徒歩部隊530人規模の闘いとして、交運共闘中央行動の一翼を担いつつ大きな成功をめざす。
○ 中央行動では、@明治公園における交運共闘決起集会(330人)とトラック・ダンプ、タクシーデモ(50台)、A国交省請願行動(1000人)、B独自課題にもとづく国交省、厚労省交渉を行う。
○ 「大幅減車実現全国統一ストライキ」(第3次統一行動)は4月14日、2時間の時限ストライキをもって実施していく。この統一ストライキでは、地域計画に盛り込まれた過剰車両数の確実な減車など社会的公約の完全履行を求めることはもとより、累進歩合制度の廃止、最低賃金法違反の地域的一掃、運転者負担や罰科金等の軽減・廃止の要求闘争と結合したとりくみを行う。
○ 闘争形態については、2時間ストライキを軸に地域決起集会・デモ、自動車パレード、請願行動の実施など創意工夫し、減車闘争の進展状況に見合った具体的計画を各地連(本)毎に具体化する。この際、各地連(本)は、地域計画作成の可否、減・休車を含む特定事業計画の申請状況などトータル的な減車闘争の地方的到達点と全国統一行動成功への貢献意義をふまえ、みんなで総決起でき得る戦術対応の検討を重視することとする。
○ 08年の秋以来、規制緩和後の競争激化に加え、タクシー需要の激減等の影響による経営破綻が全国的に広がっている。3月期決算の結果や今後の経済動向の行方によっては、ハイヤー、観光バス、自動車教習所においても、倒産、廃業等の経営破綻がより現実化することが懸念される。あらためて、すべての職場における経営実態等の再点検と対策強化が重要となっている。
○ 中央本部として、三役・専従役員メンバーを中心とするオルグ体制を確立し、倒産、廃業等への全国的な対策・指導強化をはかる。各地連(本)は、問題が発生した職場組織が、「職場だけの判断」で廃業、全員解雇、賃下げ「合理化」等への受け入れを行わないよう注意を喚起し、必ず産別に相談し、産別の判断で対応方針を確定の上、対処するよう意思統一していく。
○ 安定した雇用の確保、最低賃金1000円の実現と労働者派遣法の改正、社会保障の充実、減税、地域経済の再生など内需主導の経済に踏み出すことを鳩山政権に求め、国民的共同の諸行動に結集していく。また、「平和憲法を守ろう」の闘いを重視し、全労連、陸・海・空・港湾労組20団体の一員として各種の共同のとりくみに参加していく。
○ 組織拡大月間は3〜5月に設定し「実勢3万人の回復」をはかる方向で臨む。各地連(本)は、この方向にもとづき具体化を行い、組織内未加入者への対話と加入呼びかけ、地域単位による宣伝、職場訪問などに集中してとりくむ。
○ 空白県対策やブロック内共同による組織化のための諸行動を強化する。重点対象地域である近畿・中部ブロックについては、本部専従役員の派遣措置を行い、3月18〜24日の行動日程で未組織宣伝キャラバン行動を実施する。
○ 自教組織全国交流集会は4月18日、福岡市内で開催する。自教組織が存在している北海道、宮城、東京、神奈川、福岡、長崎、鹿児島の地連(本)は、必ず代表参加を行うこととし、未存在の地方であっても可能な限り交流集会参加に努めることとする。
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