2010.6.10 自交総連情報タイトル

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 自交総連は6月9〜10日、東京・自交共済事務所で第5回常任中央執行委員会をひらき、参議院選挙闘争方針を決めました。

参議院選挙闘争方針
大企業・アメリカいいなりの政治の根本的転換めざし、
規制緩和からの決別、自交労働者のくらしを守る政治の実現を

2010年6月10日 自交総連

1.自交労働者と選挙の争点

 昨年の総選挙で、規制緩和・構造改革を進めて国民生活を破壊した自民党政治への国民の怒りが爆発し政権交代が実現しましたが、民主党政権は公約違反を重ねて国民の期待を裏切り、鳩山首相はわずか8か月で辞任に追い込まれました。私たちの命とくらしを守るためには、より根本的な政治の転換が必要になっています。そのための重要な機会が参議院選挙です。  すべての自交労働者が政治に関心をもち、貴重な投票権を必ず行使できるよう、自交総連は、この選挙にあたって、以下の点を重視してたたかいます。

 (1) 規制緩和・構造改革路線の復活を許さず、完全に決別する政治の実現を

 タクシー・観光バス労働者の労働条件を最悪にした規制緩和の失敗が明らかになり、規制強化のタクシー活性化法が実現しました。しかし、かつて規制緩和を推進した勢力が、自らの誤りを根本的に反省しているわけではありません。さらに続出した新党のなかには、構造改革路線の復活を重要な政策としている政党もあります。
 2000年の国会で、タクシー規制緩和の道路運送法改悪に賛成したのは自民・公明・民主の各党でした。反対したのは日本共産党と社民党のみで、とりわけ自交総連の署名の提出や現地調査、国会質問で直接私たちの意見を取り上げ奮闘してくれたのは、日本共産党でした。
 この経過をよく見極め、構造改革路線の復活を許さず、規制緩和から完全に決別する政治を実現する審判が必要です。

 (2) 労働条件改善、政策実現を応援する政治への転換を

 タクシー、観光バスは国土交通行政、自動車教習所は警察行政、すべての労働者に共通する厚生労働行政によって、労働者の労働条件や権利は大きく左右されます。悪質経営者が劣悪な労働条件を押しつけることができるのも、本来は労働者・国民の立場で企業や経営者の違法行為を規制すべき行政が十分に機能していないからです。その行政方針を決めるのも政治のあり方です。
 また、タクシー運転免許の実現のように国会で立法措置が必要な政策をはじめ、安全で利用しやすいタクシー・観光バスの実現、自動車教習所を交通安全の生涯教育に活用することなど、自交総連が掲げてきた政策が実現するかどうかも、国会にどれだけ労働者の味方がいるかで決まります。
 経営者・財界本位の政治から労働者・国民本位の政治に変えることができれば、自交労働者の要求も大きく前進することができるのです。

 (3) 大企業・アメリカいいなりの政治の根本的な転換を

 民主党政権は、後期高齢者医療制度廃止の放棄、労働者派遣法抜本改正の腰砕け、さらには企業減税と消費税増税の検討など国民の期待を裏切り続け、沖縄の普天間基地問題では、県内辺野古への移設という最悪の選択を強行しようとしています。
 このような公約違反が続出するのは、民主党政治も、根本のところでは大企業とアメリカの意向には逆らえないという自民党政治と変らない体質を持っていることを示しています。
 大企業の内部留保を還元させ、労働者・国民の懐を暖めること、アメリカとの軍事同盟優先ではなく、普天間基地は無条件で撤去させることこそ、内需拡大の経済成長、平和な社会の実現という、国民生活の向上にもつながる道です。そのためには、大企業・アメリカいいなりの政治を根本的に転換することが必要です。

2.自交総連の参議院選挙へのとりくみ

 参議院選挙にあたり、自交総連は次のようにとりくみます。

 (1) 規制緩和・構造改革路線の復活を許さず、自交労働者の生活と権利、平和と民主主義を守ってたたかう政党との協力・共同の関係をもちます。

 (2) 労働組合として特定政党、候補者の推薦は行わず、組合員の政党支持、政治活動の自由を保障します。

 (3) 参議院選挙の意義の徹底をはかり、規制緩和に対する態度、自交総連の政策要求、国民的課題の実現との関連で、各政党の政策・実績・行動を明らかにし、組合員・自交労働者の政党選択の判断資料を提供していきます。労働者のくらしが政治と深くつながっていることを宣伝し、職場で政治論議が起こり、だれもが選挙に関心を持ち、投票権を行使できるようにとりくみます。

 (4) 資本や一部労働組合による企業ぐるみ・組合ぐるみ選挙、特定政党支持の押しつけに反対して、国民の政治活動の自由を保障する見地でたたかいます。ビラまきを住居侵入や公務員法違反で逮捕するなど憲法違反の政治弾圧には断固反対し、違法な謀略宣伝は労働組合の立場からきびしく批判するなど、民主主義・思想信条・言論の自由を擁護してたたかいます。

 (5) 各自の投票権が確実に行使できるよう、投票日が勤務日に当たり投票できない場合には、勤務時間中の投票時間を保障し、その分の賃金カット等を行わないこと、もしくは期日前投票する時間を保障することを経営者に要求していきます。

以  上

【参考資料】2010年参議院選挙 規制緩和に関する各党の実績・政策

タクシー規制緩和に対する各党の実績
  民 主 自 民 公 明 共 産 社 民 国民新
00年道運法改悪
(規制緩和)
●賛成 ●賛成 ●賛成 ○反対 ○反対
09年タク活性化法
(規制強化)
○賛成 ○賛成 ○賛成 ○賛成 ○賛成 ○賛成

タクシー規制緩和時の各党の主張
党 名 2000年道運法改悪時の国会での言動
民 主 党  規制緩和は、我が国の経済社会を効率化させて、そしてその目的はやはり国民福祉の増進につながるということに私はあろうと思っております。
 タクシーも、非常に現実は厳しいけれども、しかしやはり競争の流れに乗って、より安全に、またサービスが向上する、そういう方向に、これは労使挙げての着実な努力をしなければならぬと私は思うわけです。
(高木義明衆院議員 2000.4.26 運輸委員会)
自由民主党  実は私の地元からも、タクシー業界あるいはバス協会から陳情を受けております。特に、本法案につきましては、いろいろな主張、要望も十分に取り入れておりますので、ぜひ早急に審議をし、成立をしていただきたい、そういう旨の陳情を受けております。そういうことを考えますと、まさに時宜を得た法案ではないかなというふうに思っております。
(実川幸夫衆院議員 2000.4.26 運輸委員会)
公 明 党  タクシーまたバスの需給調整規制を初めとする規制緩和についての法案に臨むに当たりまして、経済の規制緩和は基本的には進めていくべきだ、これは私たちの党の考えでございます。
 今回この法案が成立した暁に、今御答弁がありましたように、需給調整の規制を廃止する、その中で、タクシー業界で適正な競争が行われ、経営努力をする事業者が残っていくような制度を構築して、タクシー事業の活性化と将来の発展を期するのだ、こういう目的が確認されたわけでございます。
(赤羽一嘉衆院議員 2000.4.21 運輸委員会)
日本共産党  今度の法改正により供給過剰は極めて深刻な状況に陥ることは明らかです。そのことにより、中小事業者はもちろん、労働者の長時間過労運転、低収入など、直接影響を与えることにならざるを得ません。その結果、利用者国民に安全、サービス上、多大な問題が生じることになります。
 それだけではありません。供給過剰の歯どめだとする緊急調整措置も、実効性が疑わしいからであります。利用者の安全や利便に問題があると判断されるまでは発動されることはなく、仮に発動されたとしても減車の措置は行われません。つまり、著しい供給過剰になり、事業者がばたばたと倒産し、それに伴い労働者が路頭に迷うような事態になっても発動されないことも明らかになりました。こうしたことは絶対に認めるわけにはいきません。
(宮本岳志参院議員 2000年.5.16 交通・情報通信委員会)
社会民主党  運輸省にお伺いいたしますが、道運法の改正に伴って適正な需給、運賃水準の確保についてお伺いをいたします。
 先ほども同僚議員からの質問もあっておりましたけれども、運転者の労働条件の現状を抜本的に改善するには適正な需給や適正な運賃水準の確保が必要だと考えますが、運輸省は法改正に伴いどのような措置を講じられようとしておるのか、お尋ねをいたします。
(渕上貞雄参院議員 2000.5.16 交通・情報通信委員会)

規制緩和等に対する新党の政策
党 名 規制緩和、税制についての主な政策
みんなの党

渡辺喜美
代表
 「規制改革会議」の後継機関を設けて、総理や関係大臣出席の下に開催する。国レベルの最低基準の必要性を精査し、真に必要性が認められた場合を除き、すべての規制制度を廃止または地方移管する。(「成長戦略(原案)」2010.5)
 租税特別措置(5兆円)を抜本的に見直し、それを財源として法人税を減税。今後3年間は「集中改革期間」(ムダ遣い解消期間)で増税はしない。その後の恒久財源については、…所得税、消費税、相続税等を含め検討。(「選挙公約」2010.5)
たちあがれ日本

平沼赳夫
与謝野馨
代表
 税制抜本改革を通じて国民の「助け合い」の財源を拡大し、それを社会保障の安心強化と医療・介護・子育て分野での雇用拡大に振り向けるべきと考える。規制緩和と消費税収で創る雇用によって「安心」と「成長」を同時に達成する。(「結党趣旨」2010.4)
 消費税増税による安心財源の捻出と、法人税減税など成長税制への転換を同時実施。(「基本政策骨子」2010.4)
新党改革

舛添要一
代表
 経済成長戦略、産業政策、規制緩和を政治の強力なリーダーシップのもと押し進め、「集中と選択」によるインセンティブ、法人税減税を通じ、企業を強くし、日本の経済成長を復活させる。
 行政の無駄を省き、消費税を福祉目的税とするなど、税制改革を断行する。(「政策」2010.5)
日本創新党

山田 宏
代表
 法人税、所得税、相続税を国際水準を下回る水準まで引き下げ、諸規制の思い切った緩和など新しい価値の創造に集中しやすい環境を実現する。
 消費税率を地方財源目的とともに社会保障目的として、段階的に10%に引き上げる。(「基本政策」2010.5)


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