2011.3.8 |
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明治公園での集会 |
自交総連は3月3日、東京で3・3中央行動を実施、大型観光バスで上京した大阪代表団をはじめ全国から約700人、連帯参加の全労連、公務部会、JAL原告団など100人を加え、全体で800人が参加しました。
明治公園で10時から決起集会を行い、あいさつした飯沼委員長は、労働条件の改善のためには減車はまだ不十分だと指摘、大幅減車と賃金の底上げをめざし春闘に決起しようと訴えました。
交運共闘・熊谷副議長、日本共産党穀田国対委員長が連帯あいさつ、5人が参加したJAL不当解雇撤回裁判原告団の福永さん(乗員)、藤田さん(客乗)が、連帯と不当解雇撤回闘争への支援を訴えました。
青山通りのデモ行進 |
出席者 | 組合側 | 飯沼委員長、石垣・鈴木・園田・緒方副委員長、今村書記長他22人(山形、福島、埼玉、東京、神奈川、山梨、静岡、石川、高知、大分、鹿児島) |
国交省 | 自交局旅客課谷口地域交通政策企画官他4人 |
要 請 事 項 | 回 答 要 旨 |
1.特定事業計画にもとづく減車目標実現にむけ現在ヒアリング等が行われているが、依然として、非協力的な事業者が存在している。また、減・休車の一定の進展にもかかわらず、確実な賃金増に結びついていない。こうした状況下、今後、タクシー活性化法の目的である事業の活性化と運転者の労働条件改善にむけ、どのような実効ある施策をとられるのか明らかにされること。 | 減・休車にとりくんでいない事業者に対しては、経営状況も詳細に調査し、その上で省の考えも述べていきたい。 合併や譲渡譲受で経営規模を大きくすることによって、より減・休車が進めやすくなると考えており、より少ない台数単位でやれるように検討している。 遊休車両の減車から、これから実質のある減車に移る時期なので、輸送実績等を集計してフォローアップし、経営基盤や労働条件が改善しているかを検証し、次の段階を考えたい。 |
――減車をすすめるアメとムチのムチの部分で、大阪で許可取消しが仮処分で営業再開になった事例はどういうことか? | 我々としては適格性に欠く事業者と判断して処分したが、不服があり、最終的に判決が確定するまでは、仮に営業を認めるということだ。処分自体がおかしいという裁判所の決定ではない。 |
――アメ(インセンティブ)は?減車と絡めてEVタクシーに補助とかできないか? |
インセンティブが少ないのは確かだ。 EVには補助を出しているが予算に対して要望が多いので(十分でない)。予算は昨年の何割減としか要求できない。 |
2.一部の事業者によるハイヤーからタクシーへの用途変更は、現在行われている事業再構築に逆行する事実上の増車行為であり、これを認めない規制措置を講じること。 | 用途変更はタクシー増車のような効果があるので、現在は対象になっていないが、基準車両を超える場合は、事前監査を行うようにし、運転者の確保等報告してもらう。調査して増車見合わせ勧告もできるように、事務的作業(パブリックコメント)を行っている。 |
3.下限割れ運賃を続ける事業者に対しては、最低賃金法違反、社会保険未加入状況、改善基準告示違反等を厚生労働省とも連携して調査し、違反があれば厳重に処分すること。 | 最賃も行政処分の対象にした。下限割れ事業者には毎月実績報告を出してもらっているので、法令違反が疑われる場合は監査する。厚労省との相互通報制も活用して厳格に対応する。 |
4.現行のタクシー運転者登録制度のあり方そのものを検証し、より実効性を高める登録要件の厳格化を行うとともに指定地域を拡大すること。また、タクシー運転者になるための新たな国家資格制度の新設を検討すること。 |
登録制度には一定の効果が認められるが、登録要件の厳格化は状況を見ながら判断していく。残っている政令都市については業界の意見も聞きながら検討していく。 運転者の資格については、これまで基本的には会社単位で運行管理してきた。運転者登録制度で足りないところを補いながら、法人制度の改善をどうしていくかを含めて考えていく必要があると思う。 |
出席者 | 組合側 | 飯沼委員長、鈴木・園田・緒方副委員長、今村書記長他7人(本部2、埼玉、東京、神奈川、京都、大阪) |
厚労省 | 労基局労働条件政策課労働条件確保改善対策室米村係長他7人 |
要 請 事 項 | 回 答 要 旨 |
1.最低賃金の適正な支払いの確保、違反の撲滅について (1) 「中小企業における最低賃金の引上げの円滑な実施のための調査」を踏まえたタクシー・観光バス事業についての具体的支援策を明らかにすること。 |
平成23年度予算で50億円を要求し、事業主への相談窓口、業界団体の環境整備、個別の事業者へ設備投資助成(上限100万円)などの措置をとる予定だ。 |
(2) 最賃法の適正な実施、周知徹底のために、地域ごとに自主点検や集団的指導を実施するなど地域全体を網羅した指導を強化し、その旨の通達を発出すること。 | 地域の実情に応じ効果的な行政手法を織り込んでやっていく。タクシーの最賃のリーフも作成し、周知徹底をしている。 |
――ほとんどが最賃法違反をしていて、個別の対策では効果がないからこそ、集団指導を要請している。 | 地域でもっとも適切な指導をやるということで、集団指導も地域でいいというならやっていく。 |
(3) 労働者に、最低賃金との差額分の請求権を放棄する等の念書を書かせたり、支払う賃金額にあわせて労働時間をカット調整している事例などの最低賃金法違反逃れを許さず、適切に監督・摘発すること。監督については、当該事業所の労働者からの直接の申告がない場合でも適切に対応すること。 | 実際の労働時間と異なる時間となっているならば、最賃未払いで、勧告指導する。臨検監督でも、事情を聴取して違反があれば是正させる。当事者の申告でなくても、相談、投書などでも対応する。 |
2.燃料代の一部負担や運賃チケット、クレジット、クーポン手数料、車内機器など当然事業者が負担すべき経費を運転者に負担させるなどタクシー事業に多くみられる「運転者負担制度」の事例について、適切に監督指導あるいは調査、啓発指導等を行うこと。 | 労使協定がなく控除していれば労基法24条違反だ。是正させる。 |
――労使協定があれば、引いてもいいのか? | 労使協定がある場合でも、(法律上の)規定以上のものを差し引く場合は問題だ。 |
3.自動車運転者の長時間労働の是正について (1) 2009年度の「過労死」等事案の労災補償状況によると、脳・心臓疾患の支給決定件数は、業種別では道路旅客運送業が19件で道路貨物運送業に次いで多く、職種別では自動車運転者が84件で一番多くなっているが、対象となる労働者数に対する比率及び他産業、全産業平均との比較を明らかにすること。 |
平成21年度の場合、過労死等の労災補償は、1万人あたりで業種別では全体が0.056件、運輸・郵便業が0.256件、職種別では、全体が0.054件、運輸関係が0.452件となっている。 |
(2) 自動車運転者の健康維持、安全確保の観点から長時間労働是正のために特段の施策を講じること。 | 改善のための環境整備の予算を要求している。労働時間管理指導員を配置して個別訪問して、告示違反の改善を助言、指導する予定だ。 |
(3) タクシー・観光バス運転者の生理的条件、安全確保の必要性から改善基準告示の拘束時間、休息期間等の見直しを開始すること。 | 告示の改正には、その成立の経過から、労使の共通認識が必要だ。 |
――(1)の回答で明らかなように、運輸関係は過労死が異常に多い。長時間労働が原因なのだから、経営者の意向によらず進めるべきだ。 | 経営側がうんといわなければならないということではない。問題提起としては受け止める。長時間労働は、告示改正だけでなく、いろいろな手法で改善しなければならない。とりわけ、事業者が自主的なとりくみを行い、労働条件の向上が図られることが重要だ。 |
4.高年齢者雇用安定法に関わる雇用の確保について (1) 高年齢者雇用安定法の趣旨に反して継続雇用の際に勤務評定が悪い等の恣意的な選別・排除が行われないようにするため、不適切な継続雇用の基準、事業者による恣意的な解釈・運用については是正を指導すること。 |
高年齢者雇用安定法は、希望者全員の雇用が継続されることが原則だ。恣意的な基準や排除は労働局やハローワークで指導する。対象者の多数が当てはまらないような基準は認められない。 |
(2) 就業規則で継続雇用の基準を定めることが認められている猶予期間が切れる本年3月末以降、労使協定が結ばれない場合は、法定の年齢まで定年が引上げられたとみなすこと。 | 猶予期間が切れて労使協定がなければ明らかに違反となるのは間違いないので指導はするが、その場合の定年年齢がどうなるかは、最終的には司法判断となる。 |
5.労働関係法令・改善基準告示等の遵守の徹底を図るとともに、「解雇や雇止め、労働条件の切下げ等は、労働者の生活に重大な影響を生じさせる問題であることから、労働基準法等に違反しない場合であっても、労働契約法や裁判例等を踏まえ適切に取り扱われることが重要である」(2008年12月9日付基発第1209001号通達)との観点で、事前に労働者に何の相談もない突然の廃業や解雇予告手当も支払わずに破産・全員解雇する事例、賃金・労働条件の一方的変更(切り下げ)事例等について適切に事業者に啓発指導すること。 |
厳しい経済状況(リーマンショック)の時に出された通達だが、現在も経済状況は厳しく、通達にもとづいて、啓発指導を実施する。 明らかな労基法違反でなくても、口頭では話ができる。 |
出席者 | 組合側 | 園田副委員長、宮竹書記次長他7人(大阪) |
全タク連 | 渡辺常務理事他 |
午後1時から大阪地連が、実効性のあがる減車が行われるように事業者団体として積極的役割を果たすこと、最低賃金法違反の一掃などについても関係法令を遵守するように事業者団体として同様の役割を果たすように申し入れを行いました。 本部としては、3月9日に時間をとって、全タク連要請、意見交換を実施します。 |
要請書を受け取る 田村智子参院議員(共産) |
出席者 | 組合側 | 菊池書記次長他21人(本部2、東京19人) |
議 員 | 衆参の国土交通委員会理事、国交省副大臣、政務官、日本共産党の議員計40人 |
衆議院第2議員会館に集合、打ち合わせの後、2〜3人ずつの8班をつくり、各5人の国会議員に要請しました。 《要請項目》 1.タクシー運転者の労働条件が実際にすすむようにご尽力いただきたいこと。 (1) 減車に非協力的な事業者への指導等。 (2) バラバラ運賃の是正。公正取引委員会に介入させないこと。 2.障害者、お年寄り、交通過疎地域の住民等への適切な運賃補助。 3.タクシー運転免許制度(国家資格化)の確立。 《議員の反応》 多くは議員が不在で、秘書に趣旨を伝え資料を渡した。 塩川てつや衆院議員(共)は、規制緩和を止める尖兵としての役割を自交総連が果たしたことに敬意を表し、減車の闘いについて激励をされました。 田村智子参院議員(共)は、訪問時間に合わせて在室していてくれ、要請項目について、熱心に質問し、「規制緩和を変えさせたのはみなさんの運動成果です。今度はその運動で政策をかえてほしい。そのために私も共にがんばる」と奮闘することを約束しました。 |
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