2012.3.12 |
自交総連siteトップ > 闘争情報 > 2012 > 情報12.3.12
国交省前での要求行動 |
日比谷公園から銀座に向けてデモ行進 |
自交総連は3月8日、579人が参加して東京・霞が関、銀座で中央行動を実施しました。
国土交通省前で10時半から決起集会を行い、飯沼委員長は主催者あいさつで、いっそうの減車と景気回復で労働条件改善をかちとる春闘をたたかおうと訴え、野田内閣が行おうとしている消費税増税をはじめ20兆円の国民負担押し付けは許せないと訴えました。全労連・小田川事務局長、交運共闘・安藤副議長の連帯あいさつを受け、参加者が請願書を国交省に提出しました。
出席者 | 組合側 | 飯沼委員長、石垣・鈴木・園田副委員長、今村書記長他18人(本部、山形、宮城、福島、埼玉、東京5、神奈川、静岡、石川、京都、大阪、福岡2、鹿児島) |
国交省 | 自動車局旅客課山ア雅生課長補佐他5人 |
要 請 事 項 | 回 答 要 旨 |
1.減車実施後における労働条件改善状況等に関わる効果検証結果にもとづき、所期の目的を達成していない地域は特定地域への再指定を行うこと。また、「適正と考えられる車両数の算定」については見直すこと。 | いま検証をしている最中で、問題点を出して、データも集計分析中だ。3月中にデータはある程度集計し、それをふまえて9月までには、今後どうするかを決めていく。特定地域の再指定の基準は現時点では未定だ。今後検討してきたい。 |
――活性化法の目的である労働条件改善、また、適正車両数が達成されていなければ再指定するのか。 | 再指定の基準を含めて、データを見た上で判断する。今の基準を延長するのではなく、そもそも基準自体を判断しなければならないと考えている。適正な車両数、労働条件の改善が法の目的なので、それを達成するために検討しなければならない。 |
2.「タクシー賃金システム懇談会」における議論結果をふまえ、早急に提言等の報告を取りまとめ、業界労使、労働行政等関係者に発出のうえ、賃金体系のあり方や賃金規制(累進歩合制度の廃止、最低賃金の確保)、運転者負担金制度の改善に寄与できるようにすること。 | 有識者の意見のとりまとめ(案)を出したが、それに対して、省内でももっと具体的な提言にならないものかとの意見があり、現在、とりまとめの再検討を行うか内部で検討している。 |
――賃金システム懇談会の報告は、もうちょっと中身のあるものにする必要があるのではないか。 | 率直に言って、(有識者の提言で指摘されたことを)どこまでできるのかを事業者に投げかけているところだ。事業者にもいろんな意見がある。もう1回懇談会を開いて検討という選択肢もある。 |
3.改定された特定指定地域における講習にかかる「効果測定」修了基準を含め運転者登録制度に関わる内容については、全国的な統一をはかること。 運転者の資質向上とタクシー輸送の安心・安全確保にむけ、自交総連が提案しているタクシー運転免許の制定にむけた検討を行うこと。 |
2月に修了基準の厳格化をはかる通達を出した。4月以降実施する。これは、特に利用者利便を確保する必要がある特定指定地域(東京・横浜・大阪)で厳格化したもので、全国統一ではない。今後、苦情件数などを見極めて必要ならば厳格化したい。 タクシー運転免許については、日本のタクシーは事業者による法人制度を中心に運用してきたこともあり、現時点ではなじみにくい点がある。タクシーの法制度、従来のスキーム(枠組み)を変えないと難しいところがある。 |
――登録制の修了基準で東京・横浜・大阪と他のところの差は何か。全国で統一化してほしい。 | 特定指定地域は特に利用者利便の確保が必要とされるところで、苦情件数とかの指標がある。今回は、より厳格化したので、その他のところを緩めたわけではない。 |
――高年齢の運転者の規制問題はどうなっているか。 | 現在、内部で調整している。固まればそう遠くない段階でお話しが出ると思う。 |
(宮城から)震災復興はまだ途上だ。中型車に小型運賃を認める震災特例を延長できないか。 | お話しをふまえて、検討したい。 |
出席者 | 組合側 | 飯沼委員長、鈴木・園田副委員長、今村書記長他14人(本部、山形、宮城、福島、埼玉、東京2、埼玉、神奈川、静岡、京都、大阪、福岡2) |
厚労省 | 労基局監督課監察係岡崎係官他5人 |
要 請 事 項 | 回 答 要 旨 |
1.最低賃金支払いの確保に関して、厚生労働省パンフレット「タクシー事業者のみなさまへ タクシー運転者の最低賃金について」(最新の地域別最低賃金額に合わせたもの)にもとづいて、タクシー事業者の集団指導を実施すること。 | タクシーで多い歩合給を最賃と比較する方法の理解不足により計算誤りも多いので、パンフもつくって周知徹底している。毎年作り直すわけではないが、次回作成時に、パンフを活用して集団指導をするように改めて労働局に指示したい。 |
――集団指導は実際にどの程度やっているのか。最賃違反が蔓延している状況で、積極的に業界団体などに出かけていって指導すべきではないか。 | 何件やったかは報告を求めていないが、タクシー協会に協力してもらって、会合などで説明している。タクシーが問題業種だということは認識しており、個別の監督指導も重点的にやっている。事業者の集まりに出かけていって説明するようにという指示もしている。 |
2.高年齢者の雇用確保について (1) 継続雇用制度に係る対象者基準について、労使協定がない、あるいは選別基準の内容が抽象的で使用者による恣意的な運用が可能となる不適切なものに対する個別指導を強化すること。 (2) 高年齢者雇用安定法を、65歳までは希望者全員が選別されることなく雇用が確保されるものに改正すること。 |
(1) 協定がない場合は違法であるし、内容が不適切な基準である場合は、ハローワークが個別に指導する。 (2) 労働政策審議会で1月6日に建議を出し、法案も答申された。今国会に法案提出を準備している。成立すれば、ご要望の件は改善されるものと考える。 |
――実態として、協定がないところがほとんどだし、指導がなされたという話もほとんど聞かない。どうなっているのか。 | 違反があればすべて指導する。平成23年は31人以上の事業場で6000社に個別指導した。ただ、使用者からの報告だけでは、協定があると言ってもウソの場合もあるのは承知している。個別に労働者から申告があれば、ハローワークに担当者がいるので、受け付けて対応する。 |
3.定年後に嘱託等で継続雇用されている労働者、あるいは有期雇用労働者の場合、年次有給休暇発生の基礎となる継続勤務年数は通算されるものであることを徹底すること。また、これらの労働者へ確実に有休を付与し、不当な取得制限をしないように使用者に指導を徹底すること。 |
実態として労働関係が継続されていれば勤務年数は通算される。不適切なものがあれば指導する。 (退職日から1日の間を空けて再雇用というようなものはどうか、との問いに)「実態として」というのが基準なので個別に判断するが、常識的にはそう(継続)なる。 (解釈例規=昭63.3.14基発150号参照) |
――大阪では、いっせいに調査をしたが、多くの人が有休がない、知らないと答えている。これが結果だ(調査結果見せる)。 | 詳細な調査に感服する。労働者から相談があり、違反があれば是正指導している。有休をとりやすい雰囲気を含めて指導する。 |
4.乗客が使用したクレジットカードの手数料やカード認識機器、GPS無線機器等の設備費用、事故処理費用等を労使協定によらず賃金から一方的に控除する等の不当な労働者負担(労基法24条違反)をなくす指導を行うこと。 |
労基法では、税や社会保険料、労使協定で事理明白、具体的に記載したものは控除できるが、対象にないもの、不明確なものが控除されていれば指導する。 (事理明白とは、との問いに)控除するものは協定で定めた範囲でなければだめで、具体的に記載されていなければならない。 |
――例えば事故の修理費を負担するという協定があっても、賃金から引く場合には、別に控除協定がなければならないとだめだと思うが、どうか。 | 賃金から控除する場合は、必ず控除協定がないとだめだ。 |
出席者 | 組合側 | 飯沼委員長、今村書記長他5人(本部、埼玉、東京2、大阪) |
全タク連 | 富田会長、藤本・三浦・大野副会長他4人 |
要 請 事 項 | 回 答 要 旨 |
1.各地の減車状況等を検証し、タクシー活性化法の目的である運転者の労働条件の改善の実現に向けて、事業者団体としてイニシアチブをとっていただくこと。 2.最低賃金法違反をはじめ労働関係法令・改善基準告示違反がなくなるように適切に対応していただくこと。最低賃金の計算に関して、手待ち時間を労働時間から除外したり、社会的にみて非常識な休憩時間を設定するなどの不適切な手法が実施されることのないようにしていただくこと。 3.設備投資費用など本来事業者が負担すべき費目が運転者負担となっている事例が依然多くみられるので、改善がはかられるよう適切に対応していただくこと。 4.消費税増税については、反対の一点で、労使で共同するとりくみを検討していただくこと。 |
(要請書を送った後で、民主党議連のタクシー事業法案要綱が出されたが・・・、との問いに対し) (三浦副会長)民主党タクシー議連の論議に参加してきたが、結局、今の特措法(活性化法)では限界があるので、事業法をつくならければならないという思いでつくった。閣法(政府提出)では無理なので議員立法で出して成立させてもらう方向で業界としてはすすめている。仮に法ができても、施行までには時間がかかるので、現在の特措法の(特定地域指定)延長はしてもらわなければならない。減車でも運賃でも法律でやらないと無理で、特措法では任意だから限界がある。 事業法には経営者に厳しいところもあるが、理解してもらわなければ困る。経営者も理解していると思う。 (大野副会長)事業法はすべての政党に働きかけて成立させたい。(労働条件改善には)景気の問題もあり、経済がよくなる方向にしていかなければならない。 (富田会長)様々な問題も事業法が通ればよくなる。減車やダンピングがなくなるので、乗務員(の労働条件改善)にはねかえる。議員立法は大変で、特措法の時よりずっと大変だ。(法案要綱)4ページまでは絶対に通さないと困ると思っている(免許制、適正台数、適正運賃の項目の意味)。 事業法は、労働組合のみなさんの協力を得てやらなければならないようになっている。みなさんもよろしくお願いしたい。 (消費税問題について) (三浦副会長)個人タクシーとの関係で転嫁の問題が出てくる。利用者に抵抗を受けないように制度設計しなければならない。 |
出席者 | 組合側 | 飯沼委員長、今村書記長他4人(本部、東京2、大阪) |
共産党 | 穀田恵二衆議院議員・国対委員長他2人 |
穀田議員との懇談
穀田議員との懇談では、民主党タクシー議連のタクシー事業法案要綱、タクシー活性化法成立以降の減車の状況、労働条件改善はいまだ不十分な状況、消費増税がタクシーに与える影響などについて説明し、意見交換しました。 タクシー事業法案については、免許制にすることなど積極的な内容になっている点があるが、実際に国会の場で各党が協議するとなると、与野党それぞれから様々な意見が出てきて、容易でないとの認識で一致しました。 活性化法の検証では、3年間を総括してどうだったのかを国会の場で問う必要があり、減車の進行状況、地域協議会でどのような議論が行われたか、運転者の賃金がどうなったのかなどを検証するとともに、今春闘でも焦点となっている運転者負担など非常識・不適切な労働条件の問題などの追及、消費税がタクシー事業、運転者の労働条件に与える深刻な影響などを含めて、国会質問の準備をしていくことになりました。 タクシー運転免許については、当面して資質の向上、登録制の強化などをはかっていくことで協力を約束し、野田内閣の悪政に反対して、労働者のくらしを守っていくための協力・共同をすすめていくこととしました。 |
自交総連siteトップ > 闘争情報 > 2012 > 情報12.3.12
自 交 総 連