2012.5.21 |
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国交省へ要請書を渡す藤好議長(左側の左)と飯沼委員長(右) |
関越道ツアーバス事故の問題について、自交総連は交運共闘と連名で5月18日、安全確保のため夜間の2人乗務制や旅行業者への指導強化などを緊急に国土交通省に申入れ、交渉を行いました。
【2012.5.18 国交省交渉(交運共闘と連名)】
出席者 | 組合側 | 交運共闘藤好議長、飯沼委員長他12人(交運9、本部2、大阪) |
国交省 | 自動車局旅客課谷口バス対策室長、自動車局安全政策課谷川事故防止対策推進官、観光庁産業課北村課長補佐 |
要 請 事 項 | 回 答 要 旨 |
(1) 届出運賃(公示運賃)違反の是正措置を講じること。 また、法違反の日雇い・アルバイト運転者を一掃するため、監督・指導の強化をはかること。 | 事故後の立ち入り検査で数多くの法令違反がわかった。規制緩和後、安全対策の強化にとりくんできたが、法令を守らない事業者が事故を起こしたことは、十分に安全を担保できてなかったということで、抜本的な見直しをしなければいけないと思っている。実効性が担保できるように、一から見直したい。 |
(2) 低運賃や無理な運行(旅行行程自体が改善基準の拘束時間をオーバーしているもの等)を押し付ける旅行業者への監督・指導を強化し、罰則規定を創設すること。 |
現状の届出運賃が機能していない実態で、検討会でもまとまらない状況だった。法令遵守や安全が確保できる運賃とはどういうものかを今後早急に検討していく。 旅行会社の実態がつかめない点がある。バス事業者は旅行業者に押し込まれていると言うが、具体的な話になると(後で干されてしまうので)証言、証拠がでない。今後は、契約は書面でするようにして証拠が残るようにしていく。陸援隊のようなスポット委託は違反になる。 |
(3) 国の監査体制の早期拡充により高速ツアーバスの監査を強化し、高速乗合バス規制の緩和は行わないこと。 | 乗合の緩和で、アウトソーシングや運賃の届出期間短縮があるが、直接的な規制はいじらない。問題のあるツアーバスを乗合に移行して安全にするというのが(検討会報告の)考え方だ。これは、前倒しでやっていく。 |
(4) 交替運転者の配置基準は1日500km以下とすること。 (5) 深夜運行は、運転者2人制(ツーマン化)とすること。 (6) 「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」を法制化し、内容を改善すること。 |
(670kmなどの)基準では十分な労働条件を満たしていないという意見を頂戴している。配置指針や(労働時間の)基準そのものを含めて見直していく。5月中に検討会を設けて検討する。 夜間については、5月16日に国交大臣から、業界の自主的なとりくみとして夜間の長距離運行は2人運転とするように要望した。 (組合側から、検討会には自交総連の代表を入れるように要望した) |
衆議院国土交通委員会は5月18日、ツアーバス事故に関して3人の参考人を招いて質疑を行いました。
【意見陳述】
◎バス協会小田征一副会長(高速バス委員会委員長) ツアーバスは国交省が2005年に「合法」と確認する通達を出して以降急増した。乗合バスと比べて、停留所も到着地での車庫や運行管理施設もいらないなど安全管理が不十分な会社が多い。
◎高速ツアーバス連絡協議会村瀬茂高会長 協議会に加入していない会社もあり目が行き届かない点もある。協議会の自主規制として、発着地間450キロ以上は2人乗務、ホームページに運転者数を記載するなどを定め、実行していきたい。
◎関西大学安部誠治教授 @規制緩和で過当競争になって安全がおろそかになっている。事後監査では到底全部見きれない。タクシー同様、参入規制の強化などの見直しをするべきだ。A交替運転者配置基準の670kmは緩すぎる。総務省からも言われているのに直さなかった。見直すべきだ。Bツアーバスは乗合バスと比べて必要な費用負担をしていない。一本化するのはいいが、実効性を持たすべき。C旅行会社が優位な立場で低運賃を押し付けるなどの問題がある。旅行会社も規制できる仕組みが必要だ。
【質 疑】
日本共産党の穀田恵二議員は、自交総連の見解や5月12日に大阪地連バス部会の組合員から意見を聞いたことをふまえて、@あずみ野観光バス事故の教訓が生かされたか、A総務省の勧告がなぜ実行されなかったのか、B規制緩和の検証をしなければならない―として参考人に質問、バス協会の小田副会長は、到底引き受けられないような安値で乗せる「得体の知れない」業者もたくさん出てきた、などと実態の一端を述べ、安部教授は、事後チェックは実質不可能で、入口で規制をしなければならないと述べました。
質疑をふまえ穀田議員は、@参入資格の強化、A運転者の労働時間、賃金の最低基準の確保こそが安全を守る、B旅行業者の責任強化が必要と強調しました。
自民・公明・社民・民主の各党も規制緩和の問題点を指摘するなかで、みんなの党の柿沢未途議員は、規制緩和後バスの交通事故は増えていないなどとし、今回の事故が規制緩和のためにおきたという証拠はない、安易に規制強化をすべきではないなどと、異常な主張を展開しました。
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