2014.3.4 自交総連情報タイトル

自交総連siteトップ闘争情報2014 > 情報14.3.4



実証実験で基準を緩和することはない
[貸切バス] 国交省交渉で当局が回答

バス問題、国交省交渉
国交省と交渉する自交総連の代表(左側、2014.2.27)

 自交総連は、大阪のバス部会、宮城のバス労組の参加で、貸切バス問題についての国交省交渉を2月27日に行いました。業界紙の報道で、同省の瓦林旅客課長が、実証実験をして交替運転者配置基準の「一部緩和を検討する意向」と報じられていることについて確認すると、報道は正確でなく、実証実験で基準を緩和することはないと回答しました。


【2014.2.27 国土交通省交渉(バス問題)】

出席者  組合側  菊池書記次長、大阪・松下、山本、服部、宮城・吉田
 国交省  自動車局旅客課新輸送サービス対策室高瀬誠一郎専門官、安全政策課星明彦課長補佐、バス事業活性化対策室高橋芳則課長補佐他3人
要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.貴省の瓦林康人自動車局旅客課長が、日本バス協会の1月15日の定例理事会で講演し、《貸切バス交替運転者配置基準に関し、「一部の地域への日帰りツアーが少なくなる派生的な影響が出ている。どこまでならワンマン運行で大丈夫か限界事例≠フ調査を始めたい」と述べ、基準の一部緩和を検討する意向を示した。》(東京交通新聞1月20日付)と報道されていますが、施行されたばかりの規制を緩和する旨の真意と、何をもって「限界」としているのか明らかにすること。  新基準で日帰りツアーがどのように変わったのか、実際に走ってみて調べる。業界紙記事には誤解があり、新基準の距離を延ばすようなことは(課長は)言っていない。新基準でどこまで行けるのかを調べるものだ。基準自体を変えるとかは、まったく考えていない。
 観光地の土産物店などから、新基準になってバスが立ち寄れなくなったなどの意見があったが、新基準のせいではないと証明するための実証実験だ。また、旅行業者がワンマンで行けるといっても行けない場合もあるので実証したい。
 2.交替運転者配置基準を1日500q(一般道は2倍に換算)以下、夜間は距離に関係なく2人乗務とすること。
 「自動車運転者の労働時間の改善のための基準」を、過労死認定基準以下の労働時間となるよう改定し法制化すること。
 まずは事業者に改善基準を遵守してもらいたい。
 (改善基準と交替運転者配置基準について)配置基準の考え方は、生理学的に望ましい休憩のとり方を規定して、休憩のルールをつくって、拘束時間から計算したものだ。
 3.「貸切バス運賃・料金制度ワーキンググループ」での検討で、運転者の人件費については全職種平均給与月額との差の1/2を加えた値として全国平均380.6万円を提示していますが、これはバス労働者の労働時間の長さを考慮していないので、少なくとも全職種平均給与の時間単価を基準とした人件費を算出とすること。  今年度中に新制度に移行するための詳細設計を議論している。運転者の人件費を一気に全職種平均まであげると、実際には収受できない(高額の)運賃になってしまうので、平均との差の1/2とした。
 新運賃制度には4月から移行し、経営状況、市場動向をみて定期的に見直していく。
 4.貸切バス会社に対して低運賃を押し付ける旅行業者に対しての罰則を強化すると報道されていますが、具体的にどのような措置を講ずるのか明らかにすること。  旅行業者の安全阻害行為を処分する。バス会社が届出運賃違反をして、そこに旅行業者の関与が認められる場合、旅行業法で旅行業者を処分する。
 5.ディズニーリゾートなどを目的地とする(定期便)高速ツアーバスが運行されています。大阪では路上での乗降が今も行われていますが、どのような対策をとられているのか明らかにすること。  (施設利用)チケット付の販売は、新高速乗合バスの規定が適用にならない。(東京駅などで途中下車して乗合バスのように利用している事例があるが、との指摘に)途中下車の情報があれば教えてほしい。個別の事例で判断していく。
 チケットも付けず(違法に)都市間輸送をしている例もあり、調査して取り締まっている。
 6.2013年8月以前と以降で「貸切バス委託管理の受委託」はどのように推移しているのか明らかにすること。  移行前にツアーバスをしていたのは、企画旅行社58社、運行のみ228社。13年8月時点で、乗合49(ウィラーが8社に分社したので実質42)社となり16社撤退、運行受託30社。その後、乗合2社増え、受託は3社減って27社となっている。
 7.2013年8月に新たな運行形態、交替運転者配置基準に移行しましたが、それらを維持発展させるための監査体制の構築を図ること。  監査体制を強化し、街頭監査などを行うことにした。公正な処分のための体制も増強している。


自交総連siteトップ闘争情報2014 > 情報14.3.4

自 交 総 連