2015.3.6 自交総連情報タイトル

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「怒」 労働条件改善の約束を果たせ
[3・4中央行動]
600人が国交省前で座り込み

国交省前での座り込み
国交省前で座り込み抗議する仲間(2015.3.6)

3・43行動参加者数、提出署名数  自交総連は3月4日、規制緩和の復活を許すな、労働条件改善の約束を果たせ3・4怒りの中央行動を実施し、約600人が国交省前で座り込み、怒りの声をあげました。

 午前10時から始まった抗議行動で城委員長は、特定地域指定基準の不十分さを指摘、規制改革会議の横やりに屈服した国交省の姿勢を糾弾し、労働条件改善の実効確保とタクシー運転免許の法制化を訴えました。全労連小田川議長、交運共闘片倉事務局次長、公務労組連絡会北村議長が連帯あいさつしました。

 座り込みを続ける中、早川副委員長が請願書を読み上げ、参加者が一人ずつ請願書を国交省の係官に提出。その後も12時まで行動を継続し、各地方、東京の各ブロックの代表が決意と抗議の発言を行いました。

 12時20分から日比谷野外音楽堂での全労連・国民春闘共闘の決起集会に参加し、城委員長が中央最低賃金審議会委員候補として決意表明しました。

 午後から代表による国交省・厚労省交渉、全タク連との懇談を実施しました。

請願書の提出
国交省に請願書を提出する仲間(2015.3.4)



「これでは生活できない」指定基準の矛盾を追及

国交省交渉
国交省と交渉する自交総連の代表(2015.3.4)

【2015.3.4 国土交通省交渉】

出席者  組合側  城委員長、石垣・早川・秋山副委員長、今村書記長他25人(本部2、山形、宮城、東京10、神奈川、静岡、京都、大阪3、福岡3、大分、鹿児島)
 国交省  自動車局旅客課佐々木博康タクシー事業活性化調整官他3人

要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.特定地域指定基準策定の経緯を、規制改革会議との折衝の内容等を含めて明らかにするとともに、すべての準特定地域について、指定基準の指標に係る数値を明らかにすること。  立法の趣旨や附帯決議を尊重するとともに、規制改革会議の意見を勘案して策定し、同会議地域活性化ワーキンググループで了承を得た。指定基準に係る数値については、地方運輸局に問い合わせてほしい。
 ――東北では、震災の影響で一時的に上がった需要をもとに算出したために、適正車両数が上がった。人口30万人に少し足りなくて入らない都市もある。
 ――規制改革会議は、営業の自由(憲法22条1項)を盾にとり、規制強化に反対しているが、憲法には「公共の福祉に反しない限り」とあり、タクシーが溢れて安心・安全が脅かされていることと矛盾する。規制改革会議の言うことは聞いて労働者の意見には耳を傾けないというやり方はおかしい。
 ――大阪では、適正台数の下限が繁忙期の実働率以下である。止まっている車を減らすだけでは意味がない。
 ――タクシー労働者の年収は200万円程度。生活できず、一家離散や自殺してしまう仲間もいる。そうした実態をわかっているのか。
 東北でも、一定の計算方法に基づいて計算した結果だ。流し営業が多い所は供給過剰の弊害が起きやすいという判断で、その一定の基準として30万人という要件を設けている。
 規制改革会議の意見を無視するわけにはいかない。
 2.特定地域が指定されたのちに、確実に減車、労働条件の改善が実現するために、どのような措置を取るのか明らかにすること。  各地域で策定する特定地域計画もとづき、事業者ごとに計画を作成してもらい、供給削減を実施してもらう。特定地域計画に合意しない事業者には、営業方法の制限や命令を行う。
 ――特定地域から外された地域でどうやって労働条件を改善するつもりなのか。  適正化と活性化の2つがあり、活性化のとりくみを進めて需要の掘り起こしをしていきたい。その中で国として支援できることはないか考えていきたい。
 ――これまでも活性化のとりくみを行ってきたはずだが、成果は出ているのか。総需要が増加しているという数字があるのなら出してほしい。  需要が増えたかどうか、今は(手元に)データがない。今後、増えるかどうかはやってみないとわからないところがある。
 ――国交省の考える労働条件改善とは何か具体的に聞かせてほしい。  賃金をいくらにしろとは言えないので、日車営収を指標とするのが限界だ。
 3.需給状況の公示によって準特定地域でも供給過剰であることは明らかであり、減車をすすめ、運転者の労働条件を改善する施策を講じること。  供給削減措置の実施とあわせて、利用者利便の向上や需要創出を図ることが重要との考え方から、事業者の創意工夫による計画的なとりくみを促す。活性化事業のとりくみ状況については、地域ごとに具体的な目標値や実施方法を検討のうえ、計画を策定し、その進捗状況を定期的に点検することを検討している。
 ――準特定地域から外され、労働条件の悪化があった場合、緊急的に措置できるしくみはないのか。  指標が悪くなれば再指定となるが、再指定されるまで(最低)1年待ってもらうことになる。
 4.国会の附帯決議で指摘されている累進歩合制度廃止の改善指導を行うとともに、歩合給と固定給のバランスのとれた給与体系の再構築、運転者負担制度の見直し、賃金制度の改善等について事業者の努力を促すこと。  厚生労働省とともに監査・指導等の機会を捉えて、累進歩合制度の廃止に関する働きかけ等を行う。今年1月に自動車局に設置した「新しいタクシーのあり方検討会」や「人材確保育成ワーキンググループ検討会」において、特措法の施行状況や賃金制度について議論する。
 5.改正特措法によっても成し得ない問題を解決し、タクシー事業の将来展望を切り開くために、タクシー運転免許制度等の抜本的な政策を検討すること。  法人タクシー制度等により事業運営を進めてきたので、わが国にはなじみにくいのではないか。
 今年10月より運転者登録制度の対象地域が全国に拡大するため、質の向上は期待できると考えている。
 ――これまでの考え方を変える時期がきているのではないか。諸外国ではちゃんと機能しているということも踏まえて、今後の検討課題に入れてほしい。  今後そういう話もあるかもしれない。

「(改善基準の改正)環境整備には努めている」

厚労省交渉
厚労省室長補佐に要請書を手渡す早川副委員長(左、2015.3.4)

【2015.3.4 厚生労働省交渉】

出席者  組合側  早川副委員長他12人(本部、東京5、神奈川、大阪2、福岡3)
 厚労省  労基局労働条件政策課小城英樹室長補佐他2人

要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.累進歩合制度の廃止に係る指導の実効性を高めるため、国土交通省と連携し、全タク連と都道府県のタクシー協会に通達を出すこと。  累進歩合は、従来から廃止すべきものとして重視している。国会の附帯決議を受けて昨年1月に徹底する通達を出した。
 ――現状で実効が上がっていないからこそ、効果のあるものとして直接事業者に通達を出すべきではないか。  昨年の通達は都道府県労基局長宛てだが、オープン通達として、内容は事業者にもわかるように、指導方針を書いてある。直接、事業者宛てというのも、出せないというわけではないので、意見として考えていきたい。協会の役員会に出て説明するなどもしている。工夫してやっていきたい。
 2.地域別最低賃金を下回る賃金を是正させるとともに、違反が繰り返されることのないよう、附帯決議で指摘されている歩合給と固定給のバランスの取れた給与体系の再構築が進むような対策を講じること。  最賃を下回っていれば是正指導を行う。歩合給の場合、通常の6割の保障給が必要ということは指導している。
 ――違反が繰り返されないためには、賃金体系を適切にする必要がある。そういう指導をするべきだ。  繰り返し指導し是正されなければ送検する。違反を繰り返さないように運営するようにと(賃金体系等を)導くこともある。
 3.運転者負担制度や罰課金、交通事故負担金の廃止にむけ、啓発、指導を強化すること。また、労使協定によらず賃金から一方的に控除する等の不当行為をなくすよう指導すること。  労基法24条で賃金は全額払いが原則とされており、控除できるのは、法令で認められたものか、労使協定を結んだものだけだ。労使協定があっても「事理明白なもの」でなければ控除できない。
 労基法16条で予め損害賠償額を定めた賠償予定は禁止されている。
 個別の事案については担当署に相談してもらいたい。
 4.昨年施行された過労死等防止対策推進法で、国は「過労死等の防止のための対策を効果的に推進する責務を有する」(第4条)とされたことをふまえ、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準を、過労死認定基準以下の労働時間となるよう改定し、法制化すること。  タクシーの深刻な状況は承知している。まずは基準を守ってもらうことが必要と考え、周知指導している。見直すとなると、労使の理解を得なければならず、どういう合意ができるのかを見極めないと実効性が伴わなくなる。法制化は、特定の職種について罰則をもって規制しなければならないという強い理屈づけが必要となる。
 ――改善基準は拘束時間で規制しているが、実態は実労働時間に近く、過労死が異常に多い実態となっているのをどうするのか。  過労死防止法で今後の研究が定められたので、法制化の議論も出てくるだろうが、逆に事業者からは、特にトラックでは、もっと基準を緩めろという声が出ている。それを押えるのに精一杯な実情だ。
 省の方から基準の改正をしろとは言い出せないが、そのための環境整備に努めていきたい。

「(特措法)落胆と憤りを感じている」

全タク連との懇談
全タク連へ要請・懇談する自交総連の代表(2015.3.4)

【2015.3.4 全タク連懇談】

出席者  組 合 側  城委員長、石垣・秋山副委員長、今村書記長他5人(本部、東京2、京都、大阪)
 全タク連  三浦副会長、神谷理事長他4人

要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.特定地域特措法の今後の運用、適切な規制強化等について(意見交換)   (ほぼ)全会一致で成立した法律が、このような形に変えられてしまったことに落胆と憤りを感じている。規制改革会議はおかしいと言わざるをえない。意見があるのなら、国会審議の前か、遅くても最中に出すのが常識。審議中は知らん顔をしておいて、法律が出てきてから意見を言うというのはナンセンスだ。
 ただ仮に、東京が特定地域に指定され協議会が開かれたとして、規制反対派の事業者がたくさんいる中で、うまくまとまるのかといえば疑問だ。指定された地域が今後どうなっていくのかを注視していかなければならない。
 (準特定地域について)新特定地域をまず設定し、その受け皿として準特定地域を設定すべきだった。それなのに、旧特定地域をそのまま準特定地域に横流しにして、しかも定義まで変えられてしまった。準特定地域の指定基準が本当にこれでいいのかもう一度考えなければならない。
 供給過剰の解消にむけて、この間さまざまな法律が作られてきたが、抜本的解決には至っていない。今回のことであらためて限界を感じた。
 2.国会の附帯決議で指摘されている累進歩合制度廃止、歩合給と固定給のバランスのとれた給与体系の再構築、運転者負担制度の見直し、賃金制度の改善等について、各事業者が理解するようとりくまれること。  法律の大きな目的は賃金・労働条件の問題解決。われわれとしても、働く人の労働条件をそれなりのものにしないと、業界に人が入ってこなくなってしまうという危機感があった。しかし、実際にはその目的がぶれてしまっている。労働条件について全く考えず、制度ばかりを動かすというやり方は、世界的に見てもおかしい。


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