2015.7.13 自交総連情報タイトル

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新公示運賃や「インバウンド」の実態 調査せよ
バス部会 国交省交渉

国交省交渉
国交省で要請書を渡す石垣部会長(左)(2015.7.10)

 自交総連バス部会は7月10日、石垣部会長(自交総連副委員長)ら9人が参加して国交省交渉を行いました。
 初めて参加した福岡・甘木観光でバス乗務員をしている組合員が「30歳で結婚したばかりだが、なんでこんなに長時間労働なのに給料が低いのと嫁からいわれる。賃金を良くしないと労働者も確保できないし、安全も保てない」と現場の実情を訴えるなど、バス行政の問題点を追及しました。



【2015.7.13 バス部会国土交通省交渉】

出席者  組合側  石垣・秋山副委員長、本部、宮城、神奈川、大阪2、福岡2
 国交省  自動車局旅客課バス産業活性化対策室高瀬課長補佐他4人

要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.昨年4月から実施されている貸切バスの新公示運賃制度について、その運用実態をどのように把握、検証しているのか明らかにすること。旅行業者が手数料・紹介料などの増額をバス会社に要求して運賃値上げ分を実質的に相殺してしまうなどの事例に対して、新制度の趣旨が実現するよう対策を講じること。  新運賃の収受状況や手数料の実態はバス協会を通じて調査し、フォローアップ会議(7〜8月開催予定)で報告される。
 手数料は民間同士の商習慣だが、その増額が新運賃の安全確保の趣旨を損なうことがあれば対策を講じたい。
 ――新公示運賃違反で処分した例はあるのか?
  バス会社の半分は協会非加盟だがどうするのか?
  処分はまだない。いま調査中で違反があるという報告は来ている。
 協会非加盟のところも調査をする考え方はある。
 ――ブローカーが安値で仕事を斡旋している実態がある。  旅行社とバス会社の間に会社があることは認識している。それが明確な道運法違反とは言えない。新運賃は運転者人件費を全職種平均に近づけるための設定なので、ちゃんと公示運賃を取ってもらいたい。
 2.「インバウンド」(外国人旅行者)を主な業務としているバス会社で「改善基準」違反の1か月連続勤務や運転者のバス車内宿泊、公示運賃以下での運行など法令違反が蔓延しているとの報道や報告が寄せられている。実態を把握し、重点的に監査指導行うこと。  「安全・安心回復プラン」で監査や処分は重点的に行うことにし、街頭監査も導入した。関東・関西・中部の主要空港周辺でも街頭監査をしている。
 ――インバウンドの運転者で1か月間1度も休んでいないなどの実態を目にしている。放置すれば、いずれ事故が起きる。観光にもマイナスだ。  急な行路変更があるとか、いろいろ問題があるということは聞いている。具体的な違法行為の情報があれば教えてほしい。
 3.運転者の体調急変による事故等を防ぐために、長距離・夜間・大型などの一定の条件の運行には、保安要員(バスガイド・車掌)の乗務を義務付けるとともに、消火器・緊急表示灯の点検、避難訓練を義務化すること。  見通しが悪い等の道路を除き車掌なしの運行は認められている。(体調急変については)交替運転者の配置や何かあった場合に運行管理者が速やかに対応できる体制とするように義務付けている。
 バスジャック対策の訓練や設備の日頃からの点検、災害対策の避難訓練などを呼びかけている。
 4.交替運転者配置基準を、すべての貸切バス・高速乗合バスについて、走行距離500km(回送を含み、一般道は2倍換算)、夜間運行は距離に関わらず運転者2人制とするよう改正すること。  配置基準は関越道の事故を契機に、関係者の意見を聞いて、運転者の生理的な観点もふまえて最低限の基準として定めた。
 まずは基準の周知徹底、実効性の確保に努めたい。
 5.過労運転による事故の防止及び昨年施行された過労死等防止対策推進法で、国は「過労死等の防止のための対策を効果的に推進する責務を有する」(第4条)とされたことをふまえ、厚生労働省に働きかけ、連携して、自動車運転者の労働時間等の改善基準を改正すること。  自動車運転者が長時間労働となっている点は認識している。
 改善基準は、労基法では規制が難しい自動車運転者のケースについて労使・関係者が協議して、実情をふまえて最低限の基準としてつくられたものと認識している。
 国交省では過労運転等の防止のため、ハード面で、睡眠状態を把握する機器などに補助を出している。
 ――どうしたら改善基準を変えてもらえるのか?
  独自の基準づくりも含めて国交省としてとくに力を入れてほしい。
 旅客の安全を守るためにしっかりと対策を講じていく。事故には、労働時間や健康起因の問題もあるので、健康管理をトータル的に考えていくべきだと考えている。


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