2016.2.24 |
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質問する清水忠史衆院議員=2月22日、衆議院予算委員会 (衆議院インターネット中継から) |
日本共産党の清水忠史衆院議員は2月22日、予算委員会で質問に立ち、軽井沢スキーバス事故の背景にある規制緩和に切り込み、政府を追及しました。
清水議員は、悪質事業者の参入を許し、退出させることができず、事故を防ぐことができなかったのは、関越道事故後の対策では不十分だったということだと指摘、規制緩和による構造的な問題があるのではないかと追及。事業者が倍増し、安値競争が行われ、運転者の賃金が下がっているとデータを示して迫りました。
しかし、石井国土交通大臣は、規制緩和でサービスが多様化したなどとして、規制緩和が生み出したひずみを認めず、改めて課題を精査して抜本的な対策を講じなければいけないと考えていると言うにとどまりました。
労働時間規制の問題について清水議員は、運転者の過労死の多さを挙げて自動車運転者の改善基準の不十分さを指摘、過労死ラインを超える残業を認める基準は実態に合わないのではないかとただしました。
塩崎厚生労働大臣は、改善基準は労使で話し合いをして決まったことで、組合から告示の法制化と基準の厳格化の要望があるが、法定すると自動車運転者にのみ労基法を上回る罰則付きの義務付けを行うことになるため、関係労使の合意を図ることが難しいと、消極的な答えに終始。石井国交大臣も、まずは基準の遵守に努めたい、としか答えず、安全確保を真剣に考えているとは思えない姿勢でした。
清水議員は、二人の大臣の答弁からは、まったく本気度がうかがえないと抗議して、労使が決めることだと言うが、政治がイニシアチブを発揮して改善基準告示の見直し、法制化をやらないと、今回の事故の再発防止はできない、として実効ある対策を強く求めました。
自交総連と懇談する日本共産党議員団、左から穀田、辰已、清水、 本村各議員=2月16日、衆議院第2議員会館 |
清水衆院議員の質問に先だつ2月16日、軽井沢スキーバス事故等について自交総連と日本共産党の議員団との懇談、意見交換が行われました。自交総連から本部・菊池、大阪の庭和田、山本(バス部会)、東京の川崎、徳永、二階堂各氏が参加、日本共産党から穀田恵二、本村伸子、清水忠史衆院議員、辰已孝太郎参院議員と秘書らが参加しました。
最初に省庁から担当者を呼んで、事故後の対応などについて説明を受けました。
国交省は、対策委員会で議論していると説明しましたが、規制緩和が間違っていたとの認識はあるのかと質すと、規制緩和にはいい点もあるなどとして、反省の姿勢はみられませんでした。
観光庁に下限割れ運賃の押し付けで旅行会社が処分された例があるのかを聞くと、強要した証拠がなければ処分できない、実際の処分例はないとの答えでした。
厚労省は改善基準の改正については担当が来ておらず答えがありませんでした。
懇談では、関越道事故後の対策で、交替運転者の配置基準が改正されたが、その内容が不十分であること、公示運賃の改正では、旅行会社が手数料をバックさせていることなどの実態を説明し、個別対策だけではなく規制緩和自体の誤りを政府に認めさせなければならないとの点で一致しました。また、改善基準の改正、法制化が必要だが、厚生労働省が動こうとしないことから、運動を強めていくことが必要だと話し合われました。
ライドシェアについては、自交総連から、国家戦略特区で導入するとの議論が行われており、特区法改正に組み込まれることになる可能性もあると指摘して、阻止に向けたとりくみを要請しました。
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