2016.10.26 自交総連情報タイトル

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自治体訪問し安全な公共交通を要請
宮城地連が全自交と共同  ライドシェアの実態は知られていない

 宮城地連は、全自交宮城地本と共同で県内全自治体に対しライドシェア反対の要請行動にとりくんでいます。
 9月13〜28日にかけて、県内自治体を手分けしてまわりました。
 いずれの自治体でもライドシェアについては検討しておらず、積極的に導入しようとの動きはありませんが、「情報も入ってこない。グレーゾーンが解消されれば選択の一つかな?」(石巻市)との声もあり、ライドシェアの実態がよく知られていないこともわかりました。
 また、高齢化や人口減少により、バスだけでは地域交通を担えなくなっています。
 「バス路線で乗客が少なく採算にあわないところも。周辺部では公共交通の手が回らない」(気仙沼市)など、地域公共交通の確保に苦悩している様子がわかりました。

宮城地連 自治体要請行動報告書(2016.9.13〜28実施)
自治体名
担当課
ライドシェアについての意見 公共交通に対する自治体の抱える問題 自治体で独自に行っている交通政策 国や県に対する要望 その他
9/13
栗原市
企画部市民協働課
検討していない 宮交路線の縮小、高齢化 市民バス
一迫地区でデマンド(タクシー会社に委託)
  公共交通は安全が第一
地元企業の保護
9/13
大崎市
市民協働推進部まちづくり推進課
検討もありうる(市民の交通の検討の段階) 宮交路線の縮小、タクシーの継続性 市民バス
市内循環線を検討中(バス、タクシー、ワゴンなどの検討)
  公共交通は福祉と考えている
タクシーとデマンドのすみわけ
9/13
香美町
総務課、企画財政課
  小野田、宮崎地区は宮交撤退 デマンドバス、町民バス
デマンドはフルデマンドで全域をカバー、料金はエリア制 1エリア300円、2エリア500円
  利用者の安全が第一
9/13
女川町
企画課
言葉は知っていたが中身については詳しくは理解していない
要請書を見て調べた状況
違法性が少なければ検討の余地もあるのかな?
震災前は5社あったが現在は2社13台
利用者から乗りたいときに使えない(との声)
保育所送迎が問題になっている
町民バスを運行。現在、無償で運行しているが10月から有料になる
学校関係はスクールバス運行
  タクシー会社にも運転者が足りない
バス会社にも運転者が足りない
9/13
石巻市
地域振興課
ライドシェアを導入するための協議はしていない
情報も入ってこない
グレーゾーンが解消されれば選択のひとつかな?
宮交バスの廃止路線の運行
宮交バスの運転者不足
宮交→住民バス
乗合タクシー、デマンドタクシー運行
地域公共交通会議を実施
宮城交通運行の部分については補助が出ている  
9/13
東松島市
総務課
ライドシェアについては情報がないし、議題にもあがっていない 利用者からの要望で大型ショッピングセンターに乗り入れてほしいとのこと
ルートの見直しをする予定
乗合タクシーを市内タクシー会社に委託
震災の時に支給されたハイエース3台を運行(運転者はバス会社)
   
9/13
気仙沼市
震災復興・企画課総合交通政策室
動きについては知っているが、市としては検討をしていない バスを走らせている路線で乗客が少なく試算にあわないところも
大島にタクシー会社があるが、親子でやっており営業ができていない
市内の周辺部で公共交通の手がまわらないところがある
バス路線は、現在はミヤコーバスに委託
乗合タクシーはタクシー会社に委託し2路線で実施している
  気仙沼のタクシー協会の前会長がデマンドタクシーに反対している。組合からも言ってほしい
9/13
南三陸町
企画課
今のところ話はない
地域公共交通会議にバス・タクシー会社の委員が入っているので自然と行かないと思う
BRTが決まったので、それへのアクセスについて検討している
高齢化によりバス停まで歩けない。バス停がない地域もあり、今後、考えていかなければならない
町民バスは委託している   震災による宅地や仮設のめどが来年あたりでつくので、交通問題については今後の課題
震災前に比べ住民が4000人減った
9/13
登米市
企画部市民協働課
市としては検討していない
インターネットなどで情報は見ている
バス路線は幹線だけで、すべての需要には応えられない
バス路線も1日3便程度。利用者が1〜2名の時もある
デマンドについては、直でやるか、協議会でやるか、タクシー会社に委託するかで悩んでいる
東和町米川で地域協議会をつくりデマンドタクシーを走らせている   石越、南方からタクシー会社が撤退し空白
他のところでは回送距離が長すぎ、嫌がる
(地域合併の問題か?)
自治体名
担当課
ライドシェアについての意見 公共交通に対する自治体の抱える問題 自治体で独自に行っている交通政策 国や県に対する要望 その他
9/26
大郷町
赤間正幸町長
よくわからない 宮交路線はなくなった 住民バス 松島・塩釜・利府へ、町内もくまなく回っている
料金100〜200円
運行距離は県内自治体で一番長い
アクセスの良さをアピールして企業誘致
  公共交通は安全が第一
地元企業の保護
9/26
美里町
防災管財課
関心はない 宮交路線はなくなった 住民バス 時刻は毎年見直している
南郷地区でデマンドタク
  タクシーは南郷に1社、小牛田に3社
住民バスについて大崎市と情報交換している
9/26
涌谷町
企画財政課企画班
検討していない 住民バスの利用率の低さ
費用面で住民の要望に応えきれない
増便、バス停増設など
住民バス 宮交路線を仙北富士交通が引き継ぐ。入札で5年契約
デマンドは検討したが実施に至らず
  タクシーは1社、代行は4社
タクシーから代行になった社もあり
9/27
松島町
総務課環境防災班
概ね知っているが、まだ役場内では検討はしていない。資料で勉強したい 運転者の急な欠員の対応が大変
地元のバス・タクシー会社への委託も今後考えている
10年前から他地域に先駆け自前でマイクロバス4台を運行している   観光地での外国人の対応は?
団体客は観光バスで来るので他の交通機関は使わない。個人的な旅行客は徒歩で観光するので苦情はない
観光案内所を充実させている
9/27
富谷町(10/10から富谷市)
企画部
検討していない
公共交通は安心・安全が重要、顔が見えるわけではないので不安
高校生の通学費用の親の負担が大きく、要請がきている
泉中央駅までのバスなどの渋滞問題
泉中央駅からの帰りの宮交バスの本数が減らされている
町民バスを自治体で運行している(100円、70歳以上無料)
交通弱者(公共交通を使えない)の対策が課題
  町内でタクシーの台数が少ないという声は特に出ていない
9/27
大和町
まちづくり政策課
検討していない
地元のタクシー会社との協力で解決したい
住民の地域に住みたいという要望を大切にし、ちょっと不便なところの解消をめざしとりくんでいる デマンドタクシーに力を入れていく。現在4地区で実施(大和タクシー3地区3台、みちのく観光1地区マイクロ)。デマンド300円、70歳以上150円。バスは1地区
デマンドの利用者は増えている
住民の足を守るための補助金等の増額 タクシー会社もトヨタの進出などで水揚げが上がっており、デマンドとの兼ね合いが難しい
9/28
大衡村(おおひらむら)
企画財政課
検討していない 高齢者や障害者に対する対策が遅れている
仙台と村を結ぶ高速バスの終了時間が早すぎる
町内5路線で住民バスを走らせている(100円、中学生以下無料)、他に大和町や大崎市と結ぶバス路線も(500円)ミヤコーバスに委託し赤字を補てんしている
他にスクールバスも2台
住民バスに対する補助金 デマンドタクシーも検討したい。村内にタクシー会社がなく、大和町のタクシーを利用している
子育て支援で1回5万円の補助を出している(タクシーにも使える)


 各地連・地本は以下の見本を参考に申し入れ書をつくって自治体要請に活用してください。意見書・乗合タク事例集はこちらのリンクにあります。
 ライドシェア反対弁護団意見書
 乗合タクシー事例集


(自治体要請書の見本)

2016年  月  日

(地方自治体名、首長名) 様
全国自動車交通労働組合総連合会(自交総連)
中央執行委員長  城 政利
(地 連 ・ 地 本 名、委 員 長 名)


自家用車を利用した運送方法の拡大に慎重な対応を求める要請書


 日頃より住民生活の向上のためにご尽力されていることに敬意を表します。
 私たちは、全国のタクシー労働者でつくる労働組合(全労連加盟)です。
 私たちは、今年5月に成立した「国家戦略特区法改正」による自家用車による運送方法の拡大を危惧しています。この法改正は、「過疎地等での観光客の交通手段として、自家用自動車の活用を拡大する」という安倍首相の発言を契機に具体化し、海外からの旅行者を主な対象にして自家用有償旅客運送を拡大するというものですが、実際には旅行者に限定せずだれでも自家用車で運送し、将来のライドシェア合法化への地ならしとしての意味を持っていると考えられます。
 ライドシェアは、二種免許を持たない一般ドライバーが自家用車で旅客を輸送するもので、安全を旨とする公共交通とは相いれないものです。実際にライドシェアが行われている諸外国では、事故や犯罪など多くの問題を引き起こし、当局から禁止されているところも多数です。わが国では道路運送法に違反する白タク(無許可タクシー)行為に相当します。
 今回の法改正を契機に、ライドシェア企業であるウーバーなど外国企業のスマホアプリをつかった自家用による旅客運送を安易に導入することは、危険なライドシェアにつながりかねないもので慎重な対応が必要です。
 交通が困難となっている地域の交通問題への対応としては、公共交通機関であるタクシーを使った乗合タクシー・デマンドタクシーなどの運行が各地でとりくまれており、国の補助等もあります。安全なタクシーの活用をご検討いただきたいと思います。
 自交総連では、ライドシェアの危険性を明らかにするため、法律専門家の協力も得て意見書を作成しました。関係する資料とともにお渡ししますので、ぜひお読みいただき、地域交通確保についての参考にしていただきたいと思います。
 ぜひよろしくお願いいたします。
以 上


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