まじめに働いているのに家族も養えず、食べていくことさえ難しい――タクシー労働者はいまや日雇い派遣などの労働者と並んでワーキングプアの代表になってしまいました。
これは仕方がないことなのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。タクシーがこんな状況になってしまったのには、れっきとした原因があり、その最大のものは、2002年から実施された規制緩和です。
現場で働くタクシー労働者の意見を無視して強行された規制緩和のために、利用者は減少しているのに、タクシー台数は急増、1台当たりの売上げがどんどん下がりました。経営者は、競争のツケを労働者にしわ寄せし、累進歩合制度やリース制など、低営収でも利益が出る「合理化」に必死となりました。
その結果、タクシー労働者の賃金は、全国最低の沖縄で年収183万円(07年)となったのをはじめ、多くの地方で4人家族の生活保護基準より低くなり、最低賃金法違反が続出するありさまです。
少しでも営収を増やそうと長時間労働となり、乗客を奪い合うため、交通事故が増加、多すぎるタクシーが道をふさいで、無駄なCO2を大量に排出しています。
力を合わせて、政府の規制緩和政策やそのツケをまわす経営者と対抗しなければ、事態はますますひどくなるばかりです。
自 交 総 連