2009.3.10 自交総連情報タイトル

自交総連siteトップ闘争情報2009 > 情報09.3.10



減車の実現めざし400台1000人結集
[3・5中央行動] 省庁交渉、議員要請、国交省個人請願も

明治公園の集会
明治公園に結集した400台のタクシーと1000人の参加者

 自交総連は3月5日、3・5中央行動を実施、午前10時から東京・明治公園に400台のタクシー、1000人の組合員が結集して決起集会をひらきました。集会には、全労連小田川事務局長、交運共闘熊谷副議長、日本共産党穀田国対委員長(国土交通委員)が激励にかけつけ、全運輸省労組の仲間も連帯参加、生活危機突破めざし確実な減車の実現をアピール、集会後、タクシーと徒歩のデモを行いました。
 12時10分からは、霞が関・国交省前での交運共闘の中央行動にも100人の組合員が別途参加、交運共闘の仲間とあわせ500人で国交省に個人請願を行いました。
 午後からは、国交省・厚労省・警察庁交渉、国会議員要請も実施しました。
 行動の様子は、TBS系、TV朝日系のテレビでも放映されました。
タクシーデモ 国交省前の行動
都内を走るタクシーデモ 霞が関・国交省前での交運共闘の行動



「減車の実効性高める方策を進める」

【2009.3.5 国土交通省交渉】
出席者  組合側  飯沼委員長、鈴木・岡田副委員長、今村書記長他16人(福島、東京、神奈川、山梨、静岡、石川、京都、大阪、広島、岡山、高知、福岡2、大分、長崎、鹿児島)
 国交省  自交局旅客課阿部地域交通政策企画官、高橋課長補佐他5人
要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.交通政策審議会答申をふまえて国会に提出したタクシー活性化の新法について、供給過剰地域において実効性のある減車措置がすすむようにすること。  交政審答申を受け国交省として新法を上程した。公正取引委員会などとも協議し円滑に減車が進むスキーム(枠組み)が盛り込まれている。法案が通れば実効性を高める方策を進めるが、行政の公権力をもって、事業者に減車を迫るということは、財産権の問題から難しい。
 ――法案成立後の作業はどういう流れになるのか。特定地域の指定基準は、通達で試行的に出された特定特別監視地域と同様のものなのか?
 特定地域で協議会がつくられ、ここの特定事業は、複数以上の事業者が事業をすることだと思うが、会社組織なのか、任意団体をつくらなければならないのか?
 グループ化するところと、そうした所に一切入らず我が道を行く事業者をどうするつもりなのか?
 成立後、1年以内の施行に向けて政令を公布し、省令を定め、運用基準を決める。まだ国会で議論されていない状況なので、詳細に言えないが、(省令の確定前には)パブリックコメントをやる。
 特定地域の指定基準は、国会審議での指摘もある(だろう)が、特定特別監視地域の通達は一定の目安になる。  協議会の(事業者の)メンバーは、事業者と団体を指す。地域計画は、事業者代表が協議会の構成員であり、地域全体の台数の過半数でなければならないとしているが、全事業者ではない。
 特定事業計画は、無線グループなど既存のものであってもよいし、グループ化は事業者の自主性に委ねる。省令で定める。その際、地域のタクシーが良くなる事業は、法制度が許す限り特定事業にしたいと考えている。
 ――協議会の構成メンバーで、地域の長となっているが東京で言えば都知事になるのか?  都道府県レベルでも、市単位でもかまわない、制約を考えていない。
 ――区だけで協議をしても実効が上がらないのではないか?  営業区域の重なる所は、すべての市、区などが協議に参加する権利がある。一方で、宮城県レベルや、仙台市だけでも成り立つ。
 2.過度な運賃競争が行われている地域において、労働条件悪化につながるような運賃ダンピングを適切に規制する措置をとること。  適正な競争を前提にした運賃は、利用者ニーズと言うこともあるし、不当な競争の恐れがない運賃で収支を償うものであれば規制すると言うことにはならない。
 「不当な競争を引き起こす」ものについては、交政審の提言を受けて、ガイドラインで明確化するために、研究会を立ち上げて検討を進めていく。
 3.運賃が改定された地区において、タクシー労働者の労働条件改善という改定の趣旨に反する事業者を厳しく指導し、実績における運送収入に対する運転者人件費の割合(歩合率)を維持させることを徹底すること。  平成18年以降、93運賃ブロックの内、57地区で改定が行われた。今回の申請に関しては、労働条件の改善を各事業者が行うということで国民の理解を得ている。収入の増加や労働条件の改善をきちんと公表することになっている。現在、実績が順次報告されている。そのなかで、趣旨を逸脱し、賃金支給率の低下が見受けられる事業者が13地区であり、ヒアリングを行うなどして改善指導している。
 ――東京は13か月連続で減収が続いている。経済情勢の悪化等もあるが7.22%の運賃改定を行って増収が出ない分、省として再度運賃改定をやるとなるのか。能率的な経営という部分で事業者はもっと他にやることがあるのではないか。省として知恵を出してほしい。  知恵はない。私たちが言えるのは、運賃改定で物事は解決しない、二桁の減収は大変なこと。いまやるべき事は、乗客を増やすか、車を減らすことかの二つだと思う。
 行政としてやるべき事はやるが、減車を真剣に取り組むこと以外にない。特措法、自主的減車を現場でどう実効あるものにするかだ。
 4.雇用情勢の悪化に便乗して運転者の大量採用・増車を計画している事業者について、労働条件の確保等適切な事業計画に基づくものであるかを点検し、不適切なものは改善指導し、現にある違法・違反行為は厳しく取り締まり、公表すること。  個別の事業計画は事業者の判断に委ねられる。しかしながら昨年7月、特定特別監視地域を設け、運転者の労働条件悪化や不適切な事業運営の下で行われる供給拡大については、労働条件確保などの計画の提出や実車率など、通達を出し勧告している。
 現にある法違反、改善基準告示違反などには、是正措置としてフォローアップ監査を平成18年4月から労働局関係機関とも連携し行っている。社会保険未加入など監査で確認した場合、労働局に通知している。
 最低賃金法違反の処分の強化の必要性も感じている。事業用自動車に係る総合的安全対策検討委員会で議論し、道路運送法による必要な対策を講じていきたい。
 ――大阪では最大手の無線協会・関協(タクシー協会副会長)が、5000人の雇用を宣伝している。最賃違反や生活保護基準以下の乗務員ばかりで、到底雇用の受け皿になる産業ではない。  今までもそうだが、基準に照らして各運輸局・支局が対処している。
 ――大阪では貧困ビジネスが行われている。寮完備と求人広告を出して寮の礼金を取る。駐車違反で2万円、スピード違反は10万円とる、嘱託乗務員が事故を起こせば全額補償させ、払えなければ貸し付けて借金漬けにして毎月回収する。さらに処分逃れや、増車目的で代表者をコロコロ変えるなど、現行法では対処できない行為が増大している。  名義貸しの問題では自交総連のレポートも参照し、是正に向け通達を発した。
 交政審答申でも指摘があったが、タクシー運転者の賃金問題、とくに歩合制賃金や運転者負担の問題を国土交通省としても合理的範囲で見直しを検討するため、近々検討会をたちあげる、労働組合団体にも参加を要請する。
 また、事業者の処分逃れの問題も国交省内部で検討している。
 ――地方で運転代行が増え、白タク行為が横行している。事故が起こってから保険に入っていないことが分かったりしている。国交省として白タク行為を野放しにしていいのか。  白タク行為の現場を押さえにくい。警察との連携と言うことになるが、違法行為は改善していきたい。
 5.すべてのタクシー車両に防犯仕切板の設置を義務付け、その材質・形状等も基準を設けるとともに、車内防犯カメラ導入の義務付けを検討すること。  昨年末から亡くなられた方もあり残念に思う。犯罪の撲滅に向け、事業者団体、警察庁など審議官クラスで意見交換した。平成16年に作成したタクシー防犯基準の見直しを含め引き続き検討していく。また、2月20日には、事務レベルではあるが仕切板や車内カメラの運用基準をタクシー団体、労働団体、自交総連にも参加していただいたが意見交換した。現在、各運輸局を通じ事業者に防犯訓練の実施を呼びかけている。
 ――国交省として仕切板を義務化するとか、補助金を出すとかの考えはないのか? なんぼいってもやらない事業者も現にいる。検討してもらいたい。  警察庁や事業者などとの協議で、義務化の意見もあるが、省としては、義務化してやらせなければならないものか、とも考えている。スピード感が大事だし、値段も1万円ぐらいだ。それすらつけられない事業者、それが公共交通といえるのか。法改正が伴うものなので早急にとはならないが、防犯基準の位置づけや具体的にどうつけたら良いのかなど、選択肢にないわけではない。

「求人内容が実際と違うということがあれば問題」

【2009.3.5 厚生労働省交渉】
出席者  組合側  石垣副委員長他8人(埼玉、京都、山形、東京2、大阪、山口、本部)
 厚労省  労働基準局監督課川辺事務官他3人
要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.タクシー関係の労働関係法、改善基準告示違反を摘発し、法令遵守を徹底すること。
 (1) 累進歩合給制の廃止を徹底すること。とくに足切り以下が極端に低い賃率となるものは、不況による営収低下で足切り以下となる者が増え、最低賃金法違反を誘発することになるので厳しく指導すること。
 (2) 手待ち時間を休憩時間に組み入れて、見かけ上の実労働時間を減少させて最低賃金法違反を逃れるやり方についてはこれを厳しく摘発すること。
 (1) 累進歩合制については、運賃収入と賃金の関係をカーブで表したときに非連続的に増減するものが数点ある場合は累進歩合給制だ。これについては、長時間労働とか、スピード違反とか、法違反を誘発するおそれがあるものについては通達に基づき指導を行っている。
 (2) 最賃違反についても、違反が見つかれば監督指導を行っている。
 監査指導をする時には、事業場で話を聞くだけでなく、賃金台帳なども確認して行っている。もちろん違反があれば指導をするし、情報もいただきたい。
 2.労働関係法令違反については、タクシーのみならず貸切バスでも相互通報制度を活用し、国土交通省との連携強化で、確実な摘発を行うこと。また、08年の相互通報の実績を開示(国交省、厚労省間の通報件数、タクシー、貸切バスそれぞれ)すること。  相互通報制度はもともとの対象が自動車運転者なので、タクシーに限らず、バスも対象となっているので、法違反があればやる。
 相互通報の実績については、平成20年、19年はデータがないが、18年以前については、18年が734件、17年は632件、16年は566件となっている。また、国交省より通報を受けた件数は18年が311件、17年が203件、16年が237件となっている。
 3.08年12月9日付基発第1209001号通達、パンフレット「厳しい経済情勢下での労務管理のポイント」で「使用者が一方的に就業規則を変更しても、労働者の不利益に労働条件を変更することはできません」としている内容を徹底し、指導すること。  パンフレットの通り指導を進めている。労働契約法の性質上、労基法と違い、違反していても直接指導することは難しいのであらゆる機会をつうじて啓発指導をしている。
 実際問題として何が労働者の不利益になるかということについては、民事訴訟の場で明らかにしていくしかない。この内容は不利益だと会社に言うのは難しい面がある。ただ、なるべく民事訴訟を回避するために、過去の裁判例などを示して、事業者に対し、一方的に就業規則を変更して労働者に不利益となるようなことをしようとしている場合は、あなたのやろうとしていることはこれ(裁判例)に近いことをしようとしているかもしれませんというふうに指導する。
 4.雇用危機を利用して、大量の「正社員」募集を宣伝しているタクシー会社があるが、その雇用形態は、リース制や累進歩合制賃金によるもので、売上げが少ない場合は最低賃金にも満たない低賃金になるのが実態である。ハローワークにおいては、過去の実績等も調査のうえ、雇用条件・求人票の内容(賃金・労働時間、養成費用の負担等)に誇大な内容や虚偽を記載させないようにし、求職者には、誤解のないよう丁寧に助言すること。  ハローワークで求人票を受理する際は、その内容に虚偽や誇大広告がないか細心の注意を払って求人内容をみている。
 求職者の申告によって、実際には内容が違うということがあれば問題があると認識している。問題がある場合には、受理する際に求職者に対して正確な内容を伝えるよう事業者に対し、周知徹底を図っている。受理する際には残業など各項目について事実と異なる記載がないかということについてチェックして、求人事業を行っている。
 5.貸切バスの労働関係法、改善基準告示の遵守、監督を徹底すること。とくに、改善基準告示の運転時間の上限および国交省の08年6月27日付の交替運転者の配置指針等を理由として現行の労働条件を低下させないよう指導すること。  告示の遵守、法令の遵守については指導を徹底していく。告示の上限を理由に労働条件を低下させてはいけないし、配置指針についても、あれは、キロ数だけ定めているだけであって、いろいろなケースがあると思う。キロ数にあてはまっていても、労働条件が良い場合も、悪い場合もあるので一概に言えない。ただ、労働基準関係法令違反などが認められる場合には指導を行っていく。

「駐車違反票、周りを見て、乗務員がいれば貼らない」

【2009.3.5 警察庁交渉】
出席者  組合側  緒方副委員長他3人(宮城、東京、福岡)
 警察庁  交通局交通企画課寺崎課長補佐他7人
要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.タクシー、観光バスなど走行距離あたりの事故発生率の増加に対しての原因・背景などの分析・認識を説明されるとともに、関係省庁と連携し原因解明の調査の実施と事故防止の有効な対策をとられること。  交通事故は昭和45(1970)年をピークに減少し3分の1になっている。バスは減少し、タクシー・ハイヤーも減少しているが、死亡事故が増加傾向にある。事故原因は安全不確認が多い、年齢別ではハイタクの高齢者が22.1%と多い。
 平成16(2004)年には厚労省と労基違反、平成18(06)年には国交省と過労運転の背景責任等について論議してきた。事故・免許更新・安全運転など各講習も実施している。ドライブレコーダの活用も有効と考えている。後部座席のシートベルトの協力もお願いしたい。
 2.タクシー強盗の被害の防止をはかるため、防犯設備の開発、設置、対処方策の徹底等について、事業者を指導されること。さらに、防犯仕切板の100%設置及び車内防犯カメラの導入は法律による義務化を検討すること。  今年1月に自交総連も入っていただき防犯対策会議を立ち上げ、論議を行い、とりあえず防犯板取り付けの徹底をお願いし、防犯訓練も行うよう指示している。また、4〜5月にかけて防犯の具体策を指示している。
 3.プロドライバーとして法律を遵守することは当然ですが、現在行っている駐車違反取締りは、公道で営業する業態からタクシー運転手の生理現象さえも否定する違反摘発となっています。公衆トイレの周辺は違反摘発除外を検討すること。また、身分を隠した取り締まりなど「取締りのための取締り」は是正すること。  駐車違反の確認証票を貼る場合は、周りを見て乗務員がいれば貼らないように気をつけている。取締まりを目的にしていない。
 繁華街の地域の迷惑にならないよう、また客待ちタクシーが誘因事故につながらないよう安心・安全なまちづくりに向け、公平性をもって行っている。
 4.タクシーの交通事故防止や交通マナーの向上をはかるために、高度な資質を持ったプロドライバーを育成するために、現行の第二種免許より高度なタクシー運転免許(国家資格)制度の創設を検討すること。  二種免許は旅客の安全を目的に、危険の回避能力、高度なマナー、プロドライバーとしての模範など総合的に判断して実施している。タクシー運転免許は二種免許を大きく変えるもので慎重に検討しなければならないと思う。
 5.交通事故防止に関しての安全教育は、指定教習所に業務を委託し、地域と密接した交通安全センターとしての機能をもたせ、交通安全教育の充実をはかること。  現在4区分で講習を実施している。新たな義務づけは必要ない。高齢者教育は指定教習所で行っており、6月より75歳以上の記憶力、判断力の査定も行う。
 6.観光バス(貸切りバス)等の事故発生時には、事故惹起につながる労働者の異常な長時間労働などがないかなど、事故原因の解明と是正の方策を検討すること。  過労運転などの背景も見て判断している。

「タクシーで飯が食えるように、規制緩和撤廃へ」

【2009.3.5 国会議員要請】
出席者  16人(本部1、東京13、福岡2)
要請先  20人(自民9、公明2、民主4、共産2、社民1、国民1、 改革1/衆議院11、参議院9)
 議員要請は、16人が参加して5班をつくり、衆参の国土交通委員理事をはじめ20人の議員を訪問、要請しました。  衆院国土交通委員長望月義夫議員(自民)の秘書からは、来週から委員会を開催し、年度内には法案通過をめざす方向だと説明をうけました。
 笠井亮衆院議員(共産)は、議員本人が対応、「新自由主義は間違っていたと国民は気づき始めている。運転手さんは、本当にいまはたいへん、タクシーで飯が食えるように、規制緩和撤廃にともにがんばりましょう」と激励されました。
 その他の議員は、秘書に資料を渡して説明、要請しました。

参加者数


自交総連siteトップ闘争情報2009 > 情報09.3.10

自 交 総 連