2009.11.25 自交総連情報タイトル

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減車の実効確保などアピール
[11・18中央行動] 交運共闘1100人が霞が関に結集

国交省前の集会
個人請願まえに国交省前で集会を開く参加者

参加者数

 自交総連は11月18日、交運共闘の仲間とともに11・18中央行動を実施、全体で1100人、自交総連から551人が参加しました。

霞が関・国土交通省前で10時半から決起集会(写真)、あいさつした交運共闘佐藤議長は、国土交通行政の規制緩和路線からの決別を求めました。吉田常執(埼玉)が自交総連を代表して決意表明しました。個人請願の後、厚生労働省前に移動して集会、個人請願を行いました。

 12時20分から、日比谷野外音楽堂で、全労連・春闘共闘、公務部会、民間部会共催の決起集会がひらかれ2500人が結集、菊池書記次長が交運共闘を代表して決意表明しました。

 行動と集会では、「多すぎるタクシーを減らせ」「安全運転で生活できる労働条件にしろ」などのムシロ旗が掲げられ、労働実態と減車をアピールしました。

 午後からは代表が国土交通省、厚生労働省交渉、国会議員請願にとりくみました。



国交省交渉
国交省交渉に臨む飯村委員長はじめ自交総連の代表



「減車、1年程度で何らかの効果を出したい」

【2009.11.18 国土交通省交渉】
出席者  組合側  飯沼委員長、石垣・鈴木・岡田・緒方副委員長、今村書記長他13人(本部、埼玉、東京8、神奈川、京都、大阪)
 国交省  自交局旅客課岩川課長補佐他5人
要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.タクシー活性化法の実効性確保について

 (1) 地域協議会で、運輸局から提示されている「適正車両数」にまで減車が実現した場合、当該地域のタクシー運転者の賃金はどの程度改善されると想定しているのかについて明らかにすること。

 (2) 自主的な減車に当って、現に雇用されている運転者の解雇・雇止めや減車を口実にした高齢者再雇用の際の選別など雇用問題が発生しないように、減車は、適正な勤務体制への変更および新規採用の停止による人員調整に応じて、段階的・計画的に実施することを徹底すること。

 (3) 特定地域において減車に非協力的な事業者については、事故発生率や法令違反率などの実態を公表すること。

 (4) 行政として実施可能な、あるいは計画している減車インセンティブの具体策を、来年度予算での措置状況を含めて示すこと。

 (5) 共同で行う事業再構築が定められている特定事業計画の認定について、公正取引委員会と調整する際には、タクシーにおける減車は他産業での生産調整とは異なり利用者利便を損なうものでないことをよく説明し、公正取引委員会が必要以上に制約的な姿勢をとらないように努めること。
 (1) 全国で協議会が設置されているが、かつて需給判断をしていたことを参考に、労働者、利用者への影響を考え適正車両台数を示していきたい。(賃金の額は)賃金制度に相当影響を受ける。地域によってはオール歩合、あるいは累進歩合と様々で、全国統一で示すのは難しい。

 (2) 原則として事業者の自主的なとりくみとなる。特定事業計画で確認していきたいが、急激な人的調整はできない。指定の残存期間も考えて完全達成ではないがある程度のものは1年で、来年末ぐらいまでには何らかの効果を出したい。

 (3) 基本的に計画に基づいて、多くの参加を呼びかけていきたい。そうした状況で特定事業計画を策定したい。特定事業計画に参加しない事業者(だけ)と言うことではなく、法令違反には厳しく対処していく。

 (4) インセンティブについては、特定事業計画が出る前に、モデル事業を推進していく上で補助金5000万円の予算要求をしている。税制面も事業所税免税、課税上の特例を考えている。それ以外も現在考えているが、まだ固まっていないので現時点では示せない。他の手段もあるならば助言いただきたい。

 (5) 今回の新法に基づく事業計画などの自主的な減車は、公正取引委員会の適用除外になっていないので、公取に意見を聞く。
 (地域計画で一律2割減車とか出すとどうなるか、との問いに)目標を定めると独禁法違反となる。(全会一致で施行された新法の実効があがらなければ、行政も我々も何のための新法施行となる、との指摘に)全体の利益を考えて談合せずにやっていただきたい。ただ省として、何が白で、何がグレーなのかを示す必要があると考えている。減車はやっていきたい。
 2.監査方針・処分基準の改正について

 (1) 新監査方針・処分基準に従って監査を徹底すること。とくに、最低労働条件を守らずに不当な競争力を保持し、それによって増車や運賃値下げを行うなど悪質性の高いものを重点的に摘発すること。

 (2) 労働時間、最低賃金などの違反の摘発に当っては、公正保持のため地域における全社の改善を重視し、違反の背景要因である不当・不適切な賃金制度などを是正することで再発防止をはかる指導を行うこと。
 (1) 最賃割れは問題だと思っている。タクシーは労働時間、最賃問題、「改善基準」違反が頻発していると認識している。道路運送法違反もきちっとやっていく。「安全プラン2009」で悪質事業者、社会保険未加入、処分逃れなどを重点に、10月1日に新たに施行された監査基準に基づきやっていく。

 (2) 労基署もタクシーだけを見ているわけではない。改善は急がれるが、事業所があれだけあって、しかし監督官はあれだけしかいないのだから限界がある。
 3.運賃制度等の改正について

 (1) 従来は自動認可運賃の枠内であったが、新たに公示された枠から外れて下限割れとなった運賃については、新たな運賃改定を待つことなく、運転者の労働条件確保など下限割れ運賃の認可に際するのと同様の指導を行うこと。
 現に認可されている定額運賃、割引運賃、割増率の引き下げについても同様の措置をとること。

 (2) 不当な競争を引き起こす運賃について、事業改善命令を発して変更を命ずる際の基準・指標を明らかにすること。
 営業区域をまたぐ特定地域間の定額運賃(東京―成田空港など)について、実質的な割引率が大きく、地域間で事業者の経営基盤に大きな差があるような場合には、不当な競争が惹起されていないか精査し、是正すること。

 (3) 最高乗務距離の規制地域の全国的な指定状況を明らかにし、隔日勤務以外の運転者の最高乗務距離算定の根拠を示すこと。
 (1) 新たな下限割れも事業者に毎月、人件費、走行費等を報告させ、重点的な監査を行う。また、現に認可されている割引運賃も場合によっては、変更命令もあり得る。すでに恒久認可されているものは監視はしていくが、新たに1年の期限を付すことはない。また、期限付き認可は新しい基準で審査する。

 (2) 不当な競争は排除していく。社会情勢の変化もあるが旅客の利便や利用者の保護なども総合的に見て判断していく。各地方運輸局が行っていくが本省としてもきちんと監視していく。

 (3) 基本的な考え方は本省として示しているが、各地方運輸局が、運賃、運行記録、道路運送法、改善基準などを参考に、実態も考え業界団体などの意見を聞きながら進めている。

「足切り以下オール歩合は累進歩合制度に該当」

【2009.11.18 厚生労働省交渉】
出席者  組合側  菊池・池田書記次長他7人(東京5、神奈川、本部)
 厚労省  労働基準局監督課恩田事務官他2人
要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.最低賃金法違反に関する個別の改善事案については、「最低賃金との差額払い」によって一時的に解決するケースが全国的に見られるが、真の解決とはなりえていない。したがって、オール歩合給賃金等における改善措置では、労働時間に応じて最低賃金額以上の賃金を確実に保障する制度を確立するよう指導すること。  賃金の総額を労働時間で除した時間単価が、法定の最低賃金に満たない場合は当然最低賃金法違反で、差額の支払いなどで是正をさせるということをしている。賃金制度は、法に違反しないかぎりは、事業場の裁量にゆだねられているので、要望にあるような制度を確立することは困難がある。
 (「制度を改めなければ違反がくり返される」との指摘に)違反がくり返されないやり方を考えてくれという指導は実際にやっているし、今後もしていく。
 2.最低賃金法違反を免れるために、駅待ち等の待機時間を労働時間として取り扱わず賃金計算するケースが多発している。こうした意図的に行っている脱法行為は厳重に指導強化すること。   労働者が自由に利用することができることが保障されていれば休憩時間だが、労働者が自由に利用することができない、例えば手待ち時間とか、タクシーであれば駅待ちの時間とかそういったものについては労働時間として取り扱うように指導している。
 ――例えば、タコメーターで10分以上止まったものを会社が一方的に休憩時間だと決め付けて、車を離れたという証明もなしに、一律に休憩時間とみなすのは違法なことにならないのか?  そういうことであればウソを言っている会社が悪いということになるが、それをみつけるためには、運転手のかたにも協力してもらうという場面があるので、そういった場合には協力してほしい。
 3.累進歩合制度については、判断基準をより明確にするとともに、足切り額以下オール歩合給とする賃金制度については累進歩合制度廃止の対象とすること。  累進歩合制度については、通達によって廃止するものとしている。通達にもとづき、関係事業者に集団指導や自主点検 をつうじて、周知をはかるほか、監督指導をつうじて、そういった制度を把握した場合には文書による是正指導を行っている。
 (足切り額の前後で歩合率が変わる)足切り額以下オール歩合は歩合給の額が非連続的に変化するということで、累進歩合制度として指導の対象になる。
 4.時間外及び休日の割増賃金の適正な支払いを徹底すること。とくに、あらかじめ賃金総額を決めておき、割増賃金分を他の賃金項目で相殺してしまうようなケースがあるが、明らかに法違反であり、改善指導を徹底すること。  賃金制度自体は最低賃金を下回っていない限りはこちらとしては違反とはいえない。
 一定額を払うという決まりでその額を超えて残業をしたのであれば、その差額を払えということになるが、法定の割増額より多く払っているものは違法といえない。
 5.事業者間の公正を保持し違反の再発を防止するため、最低賃金法違反の是正及び累進歩合制度の廃止対策につい ては、地域の全ての会社を対象とした監督・監査を実施し、地域的な一掃をはかること。  (地域で)一斉にということだが、昨年からの不景気により、雇用情勢が悪化するなかで、さまざまな業種でも法定労 働条件が守られず、たくさんの情報が寄せられ、監督官がそれらすべてをみていくには限界があり、すべてのタクシー事業者に一斉に監督するというのは大変困難で、優先順位をつけて対応させていただいている。
 6.労働者保護と公正な競争の確保のため、社会保険未加入対策の強化を行うこと。最初から社会保険の加入を逃れるために高齢者の定時制乗務員のみで営業している会社については実態を調べ適切な指導をすること。  未適用事業所については厚生年金の届出をするように指導している。適用事業所であっても、加入漏れが判明した場合は、事業主に指導を行い適正化につとめている。国交省と連携して未適用事業所とか、加入漏れの疑いがある場合は、情報をもらって、調査をする。
 ――とくに最近多いのは嘱託といわれる人が増えてきて、実際は普通の人と同じぐらいの労働時間で働いているのに、嘱託だからということで社会保険に加入できていないが、それについてはどうするのか?  どういう身分であれ、どういう勤務形態であれ、実態にもとづいて適用するということが原則になる。適用するにあたっては、賃金台帳とか、タイムカードなどを確認して、加入漏れがあった場合は事業主に対して加入の届出をするように指導していく。

「タクシーの現状には概ね理解」

【2009.11.18 国会議員要請】
出席者  12人(本部2、東京10)
要請先  24人(民主6、自民5、公明2、共産6、社民2、みんな1、 国民1、改革1/衆議院13、参議院11)
 議員請願は、12人が参加して6班をつくり、衆参の国土交通委員理事をはじめ24人の議員を訪問、要請しました。
 参院国土交通委員佐藤信秋議員(自民)の秘書には、タクシーの現状を説明。秘書からは「タクシーの現状は概ね理解していますので議員に伝えます」と返答がありました。
 仁比聡平参院議員(共産)は、議員本人が対応。全会一致でタクシー活性化法の成立したことのお礼を述べ、新法の実効性がはかられることと、タクシーを目の敵とした過剰な取り締まりの現状を訴え、今後の協力を要請しました。  議員からは「これまでの自交総連の運動が規制緩和の見直しとなった。これからもタクシー労働者のために一緒にガンバロウ」と激励されました。
 その他の議員は、秘書に資料を渡して説明、要請しました。


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