2013.3.11 自交総連情報タイトル

自交総連siteトップ闘争情報2013 > 情報13.3.11



賃金底上げで需要拡大、安全確保を
[3・5中央行動] 523人で国交省請願、集会、銀座デモ

銀座デモ
銀座をデモ行進する仲間

参加者数

 自交総連は3月5日、都内で中央行動を実施し、523人が参加しました。
 11時から国土交通省前で決起集会を行い、城委員長は主催者あいさつで、「社会全体の賃金の底上げが需要拡大につながる。そのことが公共交通機関で働く我々の労働条件を改善し、安全・安心を確保することになる」と訴え、今春闘をおおいにたたかおうと呼びかけました。また、「安倍内閣が行おうとしている消費税増税は、業界全体に大打撃を与えるもので、必ずや阻止しなければならない」と訴えました。全労連・大黒議長、交運共闘・安藤副議長の連帯あいさつを受け、参加者が請願書を国交省に提出しました。
 その後、日比谷公会堂で全労連・国民春闘共闘主催の決起集会、13時半から銀座を通って東京駅までのデモ行進。プラカードやゼッケンで、減車や賃上げ、法律まもれ、運転者負担廃止などの要求をアピールして歩きました。また、同時刻には国交省、厚労省交渉も行いました。
国交省前での要求行動
国交省前での要求行動


国交省との交渉
国交省との交渉

「適正化はしないで、活性化のみで行っていくと考えているわけではない」

【2013.3.5 国土交通省交渉】

出席者  組合側  城委員長、石垣副委員長、今村書記長他19人(本部、山形、宮城、福島、埼玉2、東京6、神奈川、静岡、京都、大阪、福岡2、鹿児島)
 国交省  自動車局旅客課坂田タクシー事業活性化調整官他5人

要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.再指定された特定地域での地域協議会において、運輸局が適正車両数を示すなど現状を改めて認識したうえで、目的である運転者の労働条件改善へむけた点検、検討、計画が進められるようにすること。  昨年10月に142の地域を再指定したが、地域計画の進捗状況には差があるので、適正車両数の算定等は各地域協議会にゆだねている。労働条件改善については、運転者の賃金を今後3年間調査することにした。
 ――地方の協議会では、適正化の減車はもう限界だから、活性化の需要拡大策だけ議論しようという雰囲気があるが、省もそういうスタンスか?  適正化はもうしないで、活性化のみを行っていくと考えているわけではない。両方必要だ。
 2.タクシー活性化法の附則にある「道路運送法に基づく制度の在り方について早急に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」また「運転者の登録等に関する制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」との条項にもとづく現在の検討状況を明らかにし、「必要な措置」としてタクシー運転免許制度を検討すること。  活性化法にもとづいて適正化・活性化のとりくみが進められてきて、日車営収の向上など一定の改善はあるが、依然として指定要件に合致しているので特定地域を再指定したところだ。今後とも適切な措置を実施していきたい。
 運転者資格制度については、これまで法人タクシー制度のもとで、流し営業がある一定の地域で登録制を実施してきた経緯があるので、(個人を主体とした)タクシー運転免許制度というのは、現状ではなじみにくい。今後の検討が必要だ。
 ――政権が変わったが、タクシー事業法制定の動きとの関連ではどうか?  民主党案、自民党案、整理試案と出ている。活性化法の5年後見直しとどうリンクするかということは、今のところなんとも言えない。
 ――活性化法でやってきても限界があることははっきりしている。新しい発想で運転免許制度などを検討すべきではないか。  トラック協会で運転者に1級、2級と資格を認定しているが、そういうものを活用してくださいと(事業者に)言っているが、タクシーは活用していない。そういう仕組みも考える余地がある。
 3.運転者登録制度について、登録運転者証を事業者が速やかに返却せずアルバイト運転者を乗務させるために不正に使用しているなどの実態を把握し、運転者証の申請・交付・返却などを運転者に行わせるように法改正すること。  タクシー適正化特措法では、運転者証の表示義務は事業者にあることから、交付も返納も事業者の義務となっている。これを運転者にさせることは二重発行の防止にかんがみ適さないと考える。
 ――事業者による不正使用の実態は知っているのか。  それは承知している。不正があれば、運輸局に言ってもらえれば対処する。
 4.検討中とされていた「タクシー賃金システム懇談会」の報告等の扱いについて、その検討結果を明らかにするとともに、最低賃金確保、累進歩合制度廃止等に寄与できるような報告や提言を出す方向をめざすこと。  有識者のとりまとめ案をいったん提示したが、内部で意見もあり再検討となっている。(タクシー事業法等の)議員立法の動きもふまえて、適切に対処したい。
 5.タクシー運転者負担制度について、@障害者割引が運転者負担となっているものについては直ちに改善の指示を発するとともに、Aその他の手数料、設備投資費用等、当然に事業者が負担すべきものを運転者に負担させている事例については解消させる方策をとること。  運賃の割引を実施した後も適正な原価を償っているか厳正な審査をしている。運賃改定の際には人件費割合の維持を指示している。労働条件改善に反する場合は必要に応じて指示をする。
 (要請の趣旨が理解されていないようなので、これまでの経緯も踏まえて再度の回答を要請)
 6.貸切バスの交替運転者配置基準については、すべての貸切バスについて、走行距離1日500km(回送も含め、一般道は2倍換算)、夜間は距離に関わらず二人乗務とする等、適切な基準に改めること。  関越道事故を受け過労防止検討会を設け、7月に夜行ツアーバス、12月にスキーバスや夜間の貸切バス運行について基準を定めた。昼間の貸切バスについても年度内を目途に結論を得るようにしたい。要望は検討の参考にしたい。

厚労省との交渉
厚労省との交渉

「継続雇用で、間を空けたり有休を与えないのは不適当」

【2013.3.5 厚生労働省交渉】

出席者  組合側  城委員長、石垣副委員長、今村書記長他11人(本部、埼玉2、東京6、神奈川、大阪)
 厚労省  労働基準局監督課岡崎監察係官他4人

要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.高齢者雇用安定法改正について、使用者が就業規則の解雇基準を恣意的に解釈・運用できるように改定し、継続雇用拒否に利用することがないようにすること。
 また、定年を迎えた労働者を一旦退職させ、日にちをおいたのちに改めて雇用契約を結ぶという手法など、安定した雇用を確保するという法の趣旨に反するものは是正させること。継続雇用後の有休付与の基準となる勤続年数は通算されるものとして扱うよう事業者に徹底すること。
 定年後に日にちをおくというのは、事務手続き上1日とか最低限の日にちが空くのは直ちに法違反とはいえないが、故意に、必要以上に空白をおくのは不適当で指導の対象となる。ハローワークに相談してほしい。
 勤続年数は、実質的に雇用関係が継続しているかどうかで判断する。定年後の再雇用は実質的に雇用関係が継続しているとみられ、通算した勤続年数に応じた有休を与えなければならない。違反があれば指導する。
 ――事業者の中には、継続雇用拒否の理由にするために、本体の就業規則を変えてしまおうという動きがあるのが問題だが。  就業規則を労働者に不利益に変更するのには相当の合理性が必要であり、労働者の意見を聞くなどの手続に従う必要がある。(規則の)内容を恣意的に解釈することは指針に反する。
 2.時間外・深夜労働の割増賃金の適正な支払いを徹底させること。オール歩合給制の場合に、歩合給相当部分と割増賃金相当部分が区分されていても、その割り振りが勤務実態と著しくかい離しているなど、時間外労働をすれば賃金が増えるという法の趣旨をそこなうものは是正させること。  いかなる賃金であっても、法律上支払うべき割増賃金の額を下回り労基法違反があれば指導する。
 (組合側から、最近の判例も引いて、どんなに残業しても総額が増えない賃金はおかしいこと、下記の最賃との関連も踏まえてタクシーのオール歩合の例を説明した)
 3.最低賃金法違反の根絶にむけて、監督を強化するとともに、将来にわたって違反が繰り返されることのないように、賃金制度の見直しを含めた地域的・集団的な指導を実施すること。  労働条件の確保で国交省とも相互通報制度を設け、平成24年には5000件監督指導した。最賃額を周知広報するため、関係各部署が行う集団指導のときに連携して最賃の説明もしている。関係団体の会合の場も活用して周知していく。
 (組合側から、歩合給の賃金の仕組みを説明し、最低賃金を固定的に保障するようにすれば最賃違反がなくなると説明した)
 4.長時間労働是正のために、自動車運転者の労働時間等の改善基準を、労働者の健康維持、安全を確保できる拘束時間、休息期間に改正すること。  現在の基準を遵守させることに力を入れたい。国交省のツアーバスの過労運転防止検討会にも参加しており、そこで乗務時間等の見直し等がされれば、参考にしたい。


自交総連siteトップ闘争情報2013 > 情報13.3.11

自 交 総 連