2013.11.20 自交総連情報タイトル

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交通運輸の適正労働条件、安全確保
[11・14中央行動] 国交省・厚労省・全タク連と交渉

国交省請願
国交省前に集まり請願行動をする仲間

参加者数

 自交総連は11月14日、交運共闘の仲間とともに11・14中央行動を実施し、全体で800人、自交総連から444人が参加しました。
 国土交通省前で10時半から決起集会(写真)を行い、交運共闘・藤好議長があいさつ。交運労働者にも影響を与える秘密保護法の廃案を訴えるとともに、本来の理念から変質してしまった交通政策基本法に反対を表明し、労働者の労働条件と安全の確保の重要性を強調しました。全労連・根本副議長が連帯あいさつ、JAL争議団、全厚生争議団の代表が不当解雇撤回の支援を訴えました。参加者が一人ずつ請願署名を手渡している間、庭和田常執(大阪地連書記長)が自交総連を代表して決意表明しました。
 厚生労働省でも個人請願を行いました。
 12時20分から、日比谷野外音楽堂で、全労連・春闘共闘の決起集会がひらかれ、2000人が結集しました。建交労・相木副委員長が交運共闘を代表して決意表明しました。集会後、国会までデモ行進しました。
 午後からは代表が国交省、厚労省、全タク連との交渉を行いました。

国交省前での要求行動
国交省前での要求行動




国交省との交渉
国交省との交渉

「新特定地域の指定は今より厳しい基準で」

【2013.11.14 国土交通省交渉】

出席者  組合側  城委員長、石垣・秋山副委員長、今村書記長他18人(本部2、埼玉2、東京10、神奈川、京都、大阪、福岡)
 国交省  自動車局旅客課坂田則義タクシー事業活性化調整官他4人

要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.タクシー活性化特措法の特定地域指定が今年10月までに解除された三重・北勢交通圏、岐阜・東濃西部交通圏について、その根拠となった指標のデータを明らかにされるとともに、解除以前に運転者の労働条件改善という法の目的が達成されたのかどうか認識を示すこと。  全国では車両数は規制緩和前に戻り、日車営収が改善したが、まだ多くの地域で供給過剰が改善していないので再指定した。
 (解除したところは)平成13年度と24年度とを比較し、日車営収、実車キロが改善されている。日車営収が改善しているので、運転者の労働条件も一定度改善したものと認識している。
 2.国会で審議中のタクシー活性化特措法等改正案が成立した場合、特定地域・準特定地域を指定する要件・指標がどのようになるのか、現在検討している内容を明らかにすること。  衆議院で可決されたが参議院で審議が控えているので、それを踏まえつつ適切に対応したい。成立すれば運用を検討する。
 ――特定・準特定地域の基準はどうなるのか。  審議が終わっていないので確定的なことは言えない。提案議員は、改正後の特定地域は現行の特定地域より厳しい基準となり、準特定地域が今の特定地域に近い、と答弁している。附帯決議でも新特定地域の指定は今より厳しい基準でやれとしているので、当然それを踏まえていきたい。
 ――通達はもうつくりはじめているのか。労働者の労働条件をよくする方向で基準をつくるのか。  まだつくってない。法律が成立したら、公布の日から2カ月後に施行となっているので、それを踏まえてやる。
 (労働条件は)当然、その方向で検討する。
 ――新しい公定幅運賃の幅は、現行と同じ5%程度になるのか。  これから検討する。附帯決議では、特定・準特定地域以外では従前どおりと言っているので、そこではそれを踏まえる。
 ――全国で運転者登録制をするというが、登録実施機関はどうなるか。国が補助金を出すのか。  補助金などの予算措置は考えていない。現行の登録実施機関を拡大する。
 ――附帯決議でも触れている運転者負担の廃止などは、通達で示すことを検討してほしい。  要望は承った。
 3.来年4月に消費税が8%となった場合の、タクシー運賃への増税分の転嫁等については、歩合給制度が中心である運転者の賃金が不当に減少することのないよう適切な指針を示し、事業者を指導すること。  現在、検討中で、適切に転嫁できるような方針を出していきたい。
 (「法人・個人の差がどうなるか」との質問に)免税事業者の取り扱いも検討していく。
 4.今年5月の最高乗務距離に係る名古屋地裁判決、6月の特定地域での増車申請に係る東京地裁判決等、タクシー規制に関する行政訴訟で国が敗訴している裁判について、控訴審では適切かつ十分な主張・立証を行い、安全確保のために必要な規制が否定されることのないよう努めること。   現在、全国で27件の訴訟があるが、ひとつひとつていねいに対応していく。
 名古屋の乗務距離の裁判では、規制は必要かつ合理的とされているが名古屋への適用が違法、東京の増車の裁判でも規制は必要だが新規の需要が見込めるのに一切増車を認めなかったのが違法という判断がされている。控訴審で処分の正当性を適切に主張していく。
 5.タクシー運賃の障害者割引制度で、割引分が運転者の負担となっている事例がいまだに散見されるが、割引の趣旨、導入の経過をふまえ、また実際に利用者利便を阻害する問題が発生することからも、改善させること。  運賃改定の審査の際には、割引を実施した後でも運収が適切かどうか(原価)を審査している。そのうえで、運転者人件費の割合を維持したうえで健全な経営が成立する改定を認可しているので、各事業者において労働条件改善が実施されるべきだ。非改善は事業者名を公表している。
 6.今年8月から施行されているバスの交替運転者配置基準については、適切な基準を再検討すること。   バス安全・安心回復プランの中で改定した。今後もフォローアップ会議で実施状況、効果検証等が検討される。



厚労省との交渉
厚労省との交渉

「休憩扱いには客観的な理由を使用者が示すことが必要」

【2013.11.14 厚生労働省交渉】

出席者  組合側  石垣副委員長、菊池書記次長他10人(東京9、大阪)
 厚労省  労働基準局労働条件政策課労働条件確保改善対策室川崎係長、監督課五十嵐係官他5人

要 請 事 項 回 答 要 旨
 1.労働関係法違反の根絶にむけ、監督・指導を強化し、労働基準監督官を増員すること。  少ない監督官で多くの事業場を担当している。きびしい財政状況ではあるが、十分な監督官を確保するよう努めていきたい。
 2.時間外、休日及び深夜労働の割増賃金の適正な支払いを徹底させること。とくに、割増賃金の区分が不明瞭な賃金規定や、名目上は支払ったことにして同額を歩合給から差し引くなど、労働基準法が割増賃金を定めている趣旨に反する脱法行為は、北海道・三和交通等の判決の趣旨に基づき、適切に指導し改善させること。  割増賃金を適切に支払うように指導している。出来高払い賃金の場合でも、割増賃金が適切に支払われなければならない。指摘された裁判例も参考にしながら指導していく。当然、最低賃金も支払われなければならない。
 3.最低賃金の確実な支払いを確保するため、歩合制であっても、最低賃金を固定給部分で保障するなど、賃金制度の見直しを含めた指導、助言、啓発を実施すること。また、最低賃金引上げに向けた中小企業への支援事業を充実させること。  最低賃金を守るよう指導・援助している。中小企業への支援で予算措置もとっている。
 支援制度は、団体向けのものでは全タク連にすでに助成している。個別の企業向けにも一定の要件で上限100万円の支援制度がある。
 ――違反をその都度摘発するだけでなく、将来にわたって違反が起こらないように賃金制度を指導することが重要ではないか。  パンフも作って、集団指導もしている。賃金制度自体を変えるという点でも、モデルを示すことも検討している。
 4.停車時間を一律に休憩時間とみなすなど、手待ち時間を休憩時間として扱わせないようにすること。仮に使用者が休憩時間だと主張する場合には、その証明義務は使用者側にあるということを周知徹底すること。  休憩時間は、使用者の指揮監督下にあるか、労働者が自由に使えるか、で判断する。車両が停止していれば、常に休憩時間と扱えるものではない。手待ち時間が労働時間というのは、はっきりしている。
 ――自動日報等で、○分以上の停車を一律に休憩扱いするものは、おかしいのではないか。  一律に休憩にするのはおかしい。休憩時間というためには、客観的な理由を使用者が示すことが必要だ。そのように指導しているので、問題があれば監督署に示してほしい。
 ――自動日報で、グループ会社みんな同じプログラムで、一律に休憩扱いするようにしている例がある。そういうプログラムを組むこと自体が法違反をねらうものといえるのではないか。  自動的にということであれば、(休憩扱いする)客観的な証拠にはならない。個々の事例については何ともいえないが、法令遵守に関して望ましくないとわかれば、プログラムの変更も指導できる。
 5.自動車運転者の労働時間等の改善基準を、労働者の健康と利用者の安全を確保できる拘束時間、休息期間に改正すること。とくに、バスの休息期間の8時間は早急に11時間以上とすること。また、改善基準の最大拘束時間を上回る日程のバスツアー等については関係省庁と協力して是正させること。  審議会で合意を得たうえで定められたものなので、この基準を遵守することで対応している。(「改正の社会的要請は高まっていないと考える」との答えに、改善基準の長時間労働容認が過労死を招いていることを指摘し、認識を改めるよう強く要請した)
 改善基準の遵守では、合同監査、相互通報制度で国交省とも連携して対応している。



全タク連との懇談
全タク連との懇談

「新特定地域は今の特定地域の半分くらいではないか」

【2013.11.14 全タク連懇談】

出席者  組合側  城委員長、秋山副委員長、今村書記長他6人(埼玉、東京、神奈川、京都、福岡、本部)
 全タク連  三浦副委員長、各務理事長他5人

要 請 事 項 回 答 要 旨
 〈懇談事項〉
 1.タクシー活性化特措法等改正案の成立にむけた展望、情勢について
 2.消費税増税に関し、
 (1) 来年4月からの消費税増税中止を求める一点での労使共同のとりくみについて
 (2) 増税が実施された場合に、その影響が労働者の賃金低下につながらないようにするための方策について

 〈要請事項〉
 若い労働者が働き続けられ、就職したいと思えるような産業とするため、労働条件改善について、とくに以下の点を重視してとりくまれること。
 (1) 最低限の賃金は固定的給与として支払われる安定的な賃金制度の確立
 (2) 社会常識に反する運転者負担制度の廃止
 (3) 労働時間の短縮と1人あたりの営収の増加にむけ、1車1人・2車3人制を1車2人制にするなど適切な勤務形態への地域ごとの統一的転換
  特措法改正法案について、来週には参議院を出て早い時期に成立するものと期待している。
 (営収)実績の方も多少なりとも上昇しており、働く皆様方にも還元されてきたのではないか。同時に、それが満足できる数字でないことは十分承知している。
 今度の法律が成立すれば、その内容がもっと前進していくものと思っている。来年の消費税増税時に運賃が乱れることによって、結果的に労働者が苦労することのないような形にしていかなければならないと思っている。
 3年半前に民主党がつくったタクシー事業法では、免許制と更新制、公定幅運賃、独禁法の適用除外、登録制度の全国拡大、事業者に対する適正化の5点が内容だったが、そのうち免許制や更新制以外は完全とは言わないまでも大方、今回の法律に入ったのではないかと思う。
 あれだけの附帯決議が入っていれば、行政でもそれなりに考えてやってもらえるだろうと期待している。

 (「法律の実効性について懸念はないのか」との質問に対し)この法律は議員立法なので、あくまで衆議院の質疑応答の中での答弁等を踏まえたうえで我々がどう思っているかを申し上げる。
 まず、準特定地域が一段落ちた地域だと思うのは間違いだ。具体的な中身は現行の特定地域をさらに強化したもので、そこに公定幅運賃という新しい制度が上乗せされることになるので、今の特定地域よりもワンランクアップした地域になる。
 今の特定地域は基本的には準特定地域になるのだろうと思っている。
 運賃については、要件が何もないことから非常に発動しやすいだろう。割引運賃については後々の議論になろうかと思うが、基本運賃の乱れについては法律施行後一気に制御されるだろうと期待している。
 特定地域については、議連や部会の議論の中では、大まかに言って今の特定地域のうち半分くらいではないかと話されている。全てが特定地域になることはないが、ほとんど特定地域にならないということにもならないと思っている。


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