2015.2.5 自交総連情報タイトル

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特定地域の指定基準決まる
不適切な基準のまま策定
準特定地域の需給状況も公示

 改正タクシー特定地域特措法にもとづく準特定地域の需給状況と適正車両数が1月27日に各運輸局より公示され、30日には特定地域の指定基準が決まりました。

 需給状況の公示

 全国153の準特定地域の需給状況は、改正特措法で毎年8月に公示するとされていたものが特定地域指定基準策定の遅れで延ばされていたものです。

 実車キロの最近5年間の動向などから算出されます。必要車両数(原則として適正車両数の下限と一致)が実在車両数より多ければ増車が可能となり、全国で福島・郡山と新潟・新発田で増車可能枠が出ました。

 全153地域の状況は、自交労働者月報bS06、2015年3−4月号参照。

 特定地域指定基準

特定地域指定基準試算

 昨年末からパブリックコメントを募集していた特定地域の指定基準は1月30日、ほぼ原案どおりに策定されました。

 需給状況の公示で示された適正車両数の上限を上回っている地域は指定されず、その他に実働実車率や実車キロ・営収などの指標が基準となります。

 東京特別区と大阪市域で試算したものが右の表です。東京は実働実車率の指標が条件をクリアできず指定されない見込みです。大阪は指標はクリアしていますが、協議会の同意などのハードルが残っています。

 この指定基準は、規制強化を敵視する規制改革会議が昨年6月に、特定地域は台数で全国の半数を有意に下回るようにせよなどと横槍を入れたものをそのまま受け入れて、なるべく特定地域が少なくなるようにつくられたといわざるを得ないもので、自交総連ではきびしく批判する評価と意見(前号の闘争情報15.1.16参照)を出しています。

 指定基準による特定地域の候補は以下の29地域です(○○市とないのは交通圏)。
 札幌▽仙台市▽秋田▽新潟▽長野▽金沢▽京浜▽京葉▽東葛▽千葉▽中・西毛▽静清▽大阪市域▽神戸市域▽奈良市域▽大津市域▽広島▽倉敷▽高松▽松山▽高知▽福岡▽北九州▽久留米市▽長崎▽宮崎▽熊本▽大分市▽鹿児島市




(参考)国交省が策定した特定地域指定基準

平成27年1月30日 国土交通省(各運輸局が公示)

特定地域の指定基準等について

1.特定地域の指定

 国土交通大臣は、直近年度末現在のタクシー車両数が適正車両数の上限値を上回っている準特定地域のうち、次の(1)から(6)のいずれにも該当する営業区域を特定地域として指定するものとする。ただし、日車営収が平成13年度と比較して増加している営業区域については指定しないものとする。
(1) 実働実車率が平成13年度と比較して10%以上減少していること。
(2) 次の@又はAのいずれかに該当すること。
 @ 当該営業区域内の営業所に配置するタクシー車両の台数の合計のうち、タクシー事業に係る営業収支率が100%を下回る事業者が当該営業区域内の営業所に配置するタクシー車両の台数の合計が占める割合(以下「赤字事業者車両数シェア」という。)が1/2以上であること。
 A 赤字事業者車両数シェアが1/3以上であって、前年度と比較して赤字事者車両数シェアが10ポイント以上増加していること。
(3) 人口30万人以上の都市を含む営業区域であること。
(4) 総実車キロが前年度と比較して5%以上増加していないこと。
(5) 次の@からBのいずれかに該当すること。
 @ 日車営収又は日車実車キロが平成13年度と比較して10%以上減少していること。
 A 当該営業区域における走行100万キロ当たりの法令違反件数の直近5年間の平均値が、全国における走行100万キロ当たりの法令違反件数の直近5年間の平均値を上回っていること。
 B 当該営業区域における走行100万キロ当たりの事故発生件数の直近5年間の平均値が、全国における走行100万キロ当たりの事故発生件数の直近5年間の平均値を上回っていること。
(6) 当該営業区域における協議会の同意があること。

2.指定期間等

 1.の指定は、原則として毎年1月1日を目途に3年を超えない範囲で期間を定めて指定するものとし、指定の延長は原則として1回に限って行うことができるものとする。ただし、指定期間中であっても、1.に掲げる基準に該当しなくなった場合(指定からの期間が2年未満の場合を除く。)、国土交通大臣は指定の解除を行うものとする。
 また、指定を解除する営業区域又は指定の延長を行わない営業区域にあっては、原則として準特定地域として指定するものとする。
 なお、当該指定及び指定の解除は告示により行う。

3.指定等のための各種指標の把握等

 指定等に当たっては各年度ごとの旅客自動車運送事業等報告規則(昭和39年3月31日運輸省令第21号)に基づく法人事業者の事業実績報告等を用いるものとし、地方運輸局は、毎年度の各営業区域ごとの数値を原則として7月30日までにとりまとめ、本省に報告するものとする。

附則

1.本通達は、平成27年1月30日から施行する。
2.平成25年度の各種指標に基づく特定地域の指定については、本則2.に定める期日にかかわらず、指定するものとする。


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