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企業閉鎖対策等を学ぶ
8月に加盟した大阪国際観光バス労組の仲間も参加した総括学習会=8月30〜31日

 派遣社員等の組織化重視 バス部会総括学習会 (『自交労働者』2000.10.1)

 【大阪】大阪地連バス部会は2000年度総括学習会を8月30〜31日、和歌山・白浜温泉でひらき17人が参加しました。
 佐伯委員長が規制緩和に関して講演。「規制緩和万能論は21世紀の日本を多国籍企業栄え、大失業と福祉切り捨ての社会にする」が「国民の反発で、明かりも見えてきている」としました。
 権田書記長からは、倒産・企業閉鎖・身売り対策について具体的な問題提起が行われ、7月31日廃業した大阪観光バスを例にとり、参加者全員で状況分析し、これからの組合は経営分析できる能力も必要との課題をもちかえりました。
 次年度の重要課題「派遣社員等の組織化・分裂組合の組織拡大を行うための具体的な方針を出し実施すること」を確認しました。


企業閉鎖の攻撃と団結して対決

 大阪・バス部会 (『自交労働者』2000.7.15)

 【大阪】大阪地連バス部会が6月29日にひらかれました。
 春闘報告として、中央観光から定昇1000円のみ一時金なし、東豊観光は夏季一時金最低13万円、中央交通は社長と常務が病気入院のため団交ができず、一時金については昨年並を仮払いするよう申し入れていることが報告されました。
 観光バスは、不況のうえに今年2月から規制撤廃が実施されたため、犠牲を労働者に押しつけるリストラ「合理化」、企業閉鎖などの攻撃がひろがっています。
 昨年来、2人の組合員を解雇するなど組合攻撃をつづけている大阪観光では、会社から7月20日に企業閉鎖するとの通知を受けました。一方的な企業閉鎖反対で組合員が一致団結して対処し、最悪の場合は組合事務所を確保して闘う決意を確認していることが報告されました。この攻撃には、バス部会として対処していくことを確認しています。
 (大阪・松下末宏)

淡路花博から回答

 乗務員休憩室増設など約束 (『自交労働者』2000.6.15)

 【大阪】大阪地連バス部会とバス連絡会が4月28日に申し入れた淡路花博への施設改善要請(前号で既報)に対して、淡路花博・夢の架け橋記念事業協会側から5月31日に回答があり、組合との懇談も行われました。
 まず協会側から1日あたり平均入場者数は4万6千人で、観光バスは平均600台であるとの報告がされました。
 協会は、バスが駐車場から出るのにかなり時間がかかることについてはすでに一定の処置を講じているが、さらなる方策を検討している、と答えました。
 バス駐車場内の乗務員休憩室や一般客用のトイレの増設については、乗務員休憩室は6月20日までに増設す
る、トイレは女性用10台、男性用計6台をすでに増設したとの回答がありました。その他全9項目についても、改善するとの回答を得ました。
 続いて行われた懇談では、これから設置される乗務員の休憩室について、アイドリングストップを完全実施させるためにも、乗務員が利用したくなるようなものとなるよう施設の充実を要請しました。(大阪・松下末宏)

淡路花博への改善申し入れ

 協会が前向きに検討を約束 (『ハンドルおおさか』2000.5.15)

 淡路島で開催されている国際園芸博覧会「ジャパンフローラ2000」夢の架け橋記念事業協会に対して、観光バス労働者の視線で問題点を指摘し「よりよい博覧会へ」との思いで4月28日、自交総連大阪地連権田書記長、バス部会・松尾会長(中央交通)、松下事務局長(東豊観光)、田儀中央観光労組委員長、バス連絡会松並会長(大阪淡路観光)の5人が、施設の改善を申し入れました。
 協会から、会場管理部の伊藤功部長他2人が応対。毎日・読売・神戸の各新聞社が取材するなか、9項目の要求(前回掲載分参照)を提出し、回答を求め、その中でも3つの項目を重点に申し入れました。
 まず最初に駐車場からバスが出るのに最低1時間以上かかり、最高で4時間かかった時があることを伝え、改善を求めました。
 具体的には、出口の増設は早急には対処できないため、せめて出口の信号を14時30分〜16時30分の間は駐車場から出る方を優先にするように申し入れました。
 2つめは、駐車場内のトイレの問題です。乗務員のトイレは簡易の小規模の休憩所に男女各1か所しかなく、見物客には1か所もないのが実態です。これについては、現在女性用10台、男性用5台の簡易トイレを駐車場内に設置すること検討しているとのことでしたが、要請団からはせめてその倍の数を出口と中間2か所に設置するように強く申入れました。
 3つめは、乗務員休憩室についてです。現在、簡易の建物に8畳の和室がありますが、あまりにも狭く、ないに等しいものです。そのため乗務員はバス内で休憩していますが、これから夏にかけて、エンジンをかけっ放しにすることになります。いま、アイドリングストップを義務づける流れのなかで、先進的な博覧会でそれに逆行することはいかがなものかと詰め寄りました。
 それに付随し、乗務員の食事も休憩所でとれるようにしてほしい、また弁当の販売をするように申入れました。
 約2時間の交渉でしたが、全9項目の各要請事項については、前向きに検討することの約束を取りつけ、交渉を終了しました。

淡路花博で改善申し入れ

 観光バス駐車場の改善など (『ハンドルおおさか』2000.5.5)

 4月24日に(大阪)自交会館において、バス部会(中央観光・中央交通・大阪観光・日本周遊・アクロス観光・東豊観光・コンビナート)を開催し、組合員から淡路花博覧会に対して多くの苦情が寄せられており、バス部会と大阪観光バス連絡会と共同で駐車場の改善を求めて、4月28日に「ジャパンフローラ2000日本委員会」財団法人夢の架け橋記念事業協会・貝原俊民理事長(兵庫県知事)に下記の申し入れを行うことを確認しました。

 申し入れ項目
 1.バス駐車場の出口の増設(メインゲートに出口を増設)
 2.バス駐車場内のトイレと乗務員休憩室の増設
 3.乗務員専用の食事と食事場所の確保
 4.乗務員にフリーパスの入場許可
 5.バス駐車場内でポール標識による区画表示の設置
 6.バス駐車場内のバリケードの一部撤去
 7.バス駐車場内のバリアフリー化
 8.バスの駐車予約申し込み期限の廃止
 9.駐車場内にごみ箱の設置

解雇権の濫用で無効

 大阪観光バス労組に勝利判決 (『ハンドルおおさか』2000.4.25)

 大阪観光バス労組の田村さんは、会社からの不当な言いがかかりをうけ解雇されましたが、労働組合に支援を求め裁判闘争を行ってきました。4月14日に勝利判決が出ました。大阪中央法律事務者の梅田章二弁護士からのコメントです。

 大阪観光バス会社が、運行係の田村弘靖氏を解雇していた事件で、大阪地方裁判所は、本年4月14日に、解雇が無効であるとの判決を言い渡しました。
 会社は、解雇理由として、第1に、田村氏が、中井部長から配車表を示されたことに対して「こんなもんできるかい」とか「明日は、仕事しない」と述べて、乗務拒否をし、中井部長が乗務してほしいと説得しても聞き入れず、乗務予定時間に出勤しなかったこと。
 第2に、田村氏は土曜・日曜の休日を自己中心的に取得し、他の従業員や業務に対する配慮が足りないこと。
 第3に、田村氏が、バスツアー先で道を誤り、後続車に迷惑をかけたが何ら反省していないこと。
 などというものでした。
 判決は、会社のこれら理由をすべて退けて、解雇を無効としました。
 まず、第1の理由に対しては、田村氏は、乗務日の前から発熱し、医師からインフルエンザであると診断され、点滴を受け座薬を入れるなどの治療を受けていたが、熱も下がったので出勤して事務所で配車表を確認したところ、泊まり勤務が割り当てられていることがわかり、中井部長に、熱が合って体調が悪く点滴を受け座薬も入れていることを説明し、泊まり勤務をはずしてほしい、どうしても人手が足りないのであれば日帰り乗務にしてほしい、などと述べて乗務変更を依頼したと認定し、会社側の主張した事実を退けました。
 第2の理由については、判決は、田村氏の休日の取得はすべて会社の承認を経て取得しているものであるから、解雇事由ないし、その補強事由とは認められない、として退けました。
 第3の理由については、田村氏が、道を間違えたことは事実であるとしても、田村氏が道を間違えた後に後続車を先導して引き返しにくい事情があったこと、他のバスも混在していて無線連絡が取りにくかったこと、結果的には、合流すべき時刻には、間に合ったこと、中井部長の証言でも田村氏が道を間違えることはあまりなく、この件では、始末書もとっていないこと。
 などの事実を認定し、懲戒の対象となることもなく、解雇理由になりえるものではないとして、会社の主張を退けました。
 このように会社の主張した解雇理由は、すべて退けられ、田村氏に対する解雇は、解雇権の濫用であり、無効であるとの判断がなされました。
 しかし、この判決は、次の2点で問題を残しました。
 ひとつは、判決によって強制的に賃金を支払わせることができるのは、判決確定までの期間という制限を加えていることです。
 最近、地裁民事5部は、このような傾向を示していますが、判決確定後も会社が無視する場合には、再度裁判を起こす必要が生じます。
 もうひとつは、田村氏の解雇中の賃金のうち残業手当や深夜手当について、現実にはたらいていないとして認めなかったことです。
 この点は、不当な判決結果となっています。
 田村さんは、すでに会社で就労していますが、正常な姿に回復させるために、この判決をきっかけとして組合のいっそうの支援を期待します。

(弁護士・梅田 章二)

違法行為には行政指導を

 バス労働者が運輸局交渉 (『ハンドルおおさか』2000.3.25)

 バス部会は3月1日午前10時30分、近畿運輸局と交渉を行い、午後1時からバス部会を開催しました。
 近畿運輸局交渉では、自交総連以外の労組も参加し、2月に施行された道路運送法「改正」後の情勢などを質すとともに、適正な運賃が確保されるよう申し入れました。
 局は、貸切バスは、タクシーに先駆けて規制撤廃が行われたが、現在のところ新規参入の申請は数社にとどまっている、また、運賃については、上限15%・下限25%が公示されている、と回答。
 組合は、この運賃が利用者にも分かりやすい方法で(例えば車内掲示)示されるよう申し入れ、局は「本省に伝える」と約束しました。
 バス部会では、2000年春闘のなかで、企業にもこのことをきびしく指摘し、違法なアルバイト乗務員が増加している問題については、行政指導を求めるとともに、企業責任も追及することを確認しました。

大阪地連観光バス部会の2000年春闘統一要求書

 1.現行の月例賃金に固定給で3万5000円以上を上積みし、一時金は年間1人150万円以上支給すること。すべての労働者だれでも1万5000円以上の賃上げを行うこと。
 2.「自動車運転者労務改善基準」を遵守し、週40時間労働制の完全実施、週休2日制の実現、総拘束時間の短縮をはかり、手待ち時間を労働時間として厳格に取り扱うこと。
 3.年次有給休暇の付与日数は、12日以上とし、最高付与日数は2日以上増日すること。また、労働基準法改正を完全実施し、平均賃金の10%を保障すること。
 4.道路運送法・労働基準法関係法規と行政指導を厳格に遵守すること。特に、運賃ダンピング・区域外営業・アルバイト乗務員の雇用を直ちにやめること。
 5.1日の最高乗務キロの制限を制度化し、過労運転の防止策を講じること。
 6.安全輸送に万全を期すること。そのため、ワンマン運行はきびしく規制すること。
 7.スキーバス運行の連続運行を規制し、環境整備と労働条件の改善をはかること。
 8.女子ガイドの深夜労働に対する厳格な規制を講じること。
 9.大阪駅周辺など主要ターミナル付近に、観光バス利用者の乗降場所を確保すること。
 10.届出運賃については労働組合・利用者にも公表し、透明性をはかること。また、旅行業者との協議を積極的に行い、届出運賃を守ること。その際、運賃には社会的水準の労働力原価をふくむものであること。

労働者の権利擁護、学習強化で春闘勝利

 観光バス連絡会が学習会 (『ハンドルおおさか』2000.3.5)

 大阪の観光バス連絡会は2月22日、「2000年春闘勝利に向けて」の学習会を中央区内で開き、13単組・40人が参加しました。この連絡会は、自交総連や他産別組合・中立組合などが幅広く結集し、情報交換や交流を長年にわたってつづけています。
 開会にあたって松浪会長(淡路交通)は「2000年春闘は観光バスの規制緩和が施行されるなかで、企業のリストラ「合理化」攻撃もいっそう強まることも予想され、学習強化が必要だ」とのべ、とりくみの経過を報告しました。学習会では、-観光バスをとりまく情勢はきびしいが、国民のレジャー指向は強いこと。-職場の権利を守るには法律や法定闘争も武器となるが、労働者が権利を行使して団結し闘争しなければ絵にかいたモチにすぎない。-春闘では、企業責任と行政責任も追及しながら、倒産対策もぬかりなく準備すること。また、景気回復の決め手である国民の消費購買力増強の政治責任についても職場で議論すること。などが大阪地連の乾専従から提起されました。
 午後の討論では、「なんとしても昨年の賃下げ分を取り返したい」「不当な解雇には絶対負けられない」など、力強い決意が表明されました。
 尾崎事務局長(自交総連バス部会)は、「思った以上の参加で成功でした。この学習会を力に、春闘で奮闘します」と感想を述べていました。

全国のバス労働者の組織化を

 神奈川と大阪の仲間が交流 (『自交労働者』2000.2.1)

 【神奈川】 1999年12月16〜17日にかけて、神奈川地本主催の第4回バス交流会が、伊東温泉のホテル聚楽で開かれ、神奈川と大阪から、3組合、ガイド4人を含む19人が参加し、交流を深めました。
 交流会では、神奈川地本・須田書記長の報告につづき、参加者から様々な報告がありました。
 神奈川・イースタン支部からは、「古知資本に買収されてから初の春闘で昨年並の回答を得たが、冬期一時金は12月10日支給日だが12月17日現在でまだ支給されていない」との報告がされました。
 神奈川・天台観光は、5人の個人登録でまだ支部ではありませんが、支部としての公然化に向けて地本も検討しているとのことでした。
 大阪・中央観光は、不当労働行為のデパートといわれる状態で、年功の長い人で年収200万円もダウン、自交総連への攻撃が強くなったと報告。
 大阪・東豊観光からは、組合として会社再建案を出しているなどの発言がありました。
 その他、参加していた自治労連加盟の神奈川県観光、企業内組合の富士急横浜などから、労使の矛盾や、苦しいなかでも活発にたたかっている実情が語られました。
 また、全体の要望として、自交総連本部に全国のバス仲間を集めたバス部会の組織化が要望されました。



自 交 総 連