(5)要求書の書き方と提出

要求は全体がまとまれるものを
文面は正確に、一斉に提出

 【要求書の例】

○年○月○日

○○○○株式会社
 代表取締役社長 ○○○○殿

○○○○労働組合
 執行委員長 ○○○○(印)

要 求 書

 ○○労働組合は○月○日、第○回大会において下記の要求を決定しましたので、労働者の実情を十分理解の上、誠意をもって応えるよう要求します。

  1. 現行賃金を1か月当たり○○円引き上げること。(現行歩合率を○○%とすること。)
  2. 一時金は年間○○円とすること。
  3. 所定労働時間は月間○○時間とすること。
  4. 有給休暇の取得制限をしないこと。計算は仮想営収方式とすること。
  5. 車両のグレードアップをはかること。
  6. 会社の閉鎖、譲渡など、全従業員に多大な変化をもたらす問題については、事前に組合に申し入れ協議すること。組合の合意なき場合は一方的に実施しないこと。
  7. 実施は、○年○月○日からとすること。
  8. 以上の要求について、○年○月○日までに回答されること。
以 上

 労働組合の活動の基本は、なんといっても組合員の要求をまとめて、経営者との団体交渉によって実現することです。要求を出さないのでは労働組合の価値が半減してしまいます。

  要求のポイント 

 大会や職場集会で十分議論をして要求をまとめていくわけですが、その際、重要なポイントがあります。
 一つは、みんな(大多数)が望んでいることで、みんなが一致できる要求ということです。組合員はそれぞれ多くの不満を抱えていると思いますが、それらを出し合うなかで、全体がまとまれるものを絞り込んでいきます。
 二つめは、正当性がある要求ということです。会社に対してはもちろん、利用者や地域の労働者からみてもわがままでない、切実で当然の要求だと思われるような要求であってこそ、闘いにも力が入ります。

  要求書づくり 

 要求は、具体的には、執行部(三役、書記長)が文書にまとめて、大会などで全体の合意がえられれば決定となり、会社に提出します。
 要求書の文面は一字一句もおろそかにできません。不注意で誤字や脱字、意味不明の文などがあれば、団体交渉の場で最初から経営側にそれを指摘されて、紛糾したり、回答引き延ばしに利用されたりすることにもなりかねません。
 ある組合で要求書の社長の名前の漢字が一字違っていたために、団交でなかなか本題に入れなかったという実例もあります。

  要求書の提出 

 春闘や秋闘の時期で、地連(本)、本部の要求提出日が決まっている場合にはその日に合わせ、また統一要求書がある場合はそれも一緒に提出します。
 提出日には執行部が集まり、会社の責任者(社長)に提出しますが、不在の場合は、責任ある役員に手渡し、誰に、いつ、どこで渡したか記録しておきます。



前へ    次へ

自 交 総 連