団体交渉で要求書を手渡す組合代表 (2003.6.12、東自教労組夏季一時金交渉) |
団体交渉の日時が決まれば、いよいよ実際の交渉です。団交は、労使の真剣勝負ですから、十分準備をし、職場の態勢も整えて、要求をかちとれるようにしなければなりません。
団交は、少人数の組合ならば全組合員が参加して行うこともあります。多人数の場合は交渉委員を選出しての代表交渉となりますが、別の場所で職場集会をひらいて待機するなど、全組合員が参加しているという意識をもてるようにします。
うしろに多くの組合員が控えているという重みが交渉の場での迫力となりますし、逆に組合員が無関心で役員だけの交渉というのでは経営側に見透かされてしまいます。
交渉にのぞむ前には、要求の内容、交渉の進め方、発言の役割分担などについて意思統一をしておきます。
交渉は委員長や書記長が中心になってすすめますが、残りの交渉委員も黙っているのではなく、切実な職場の声を代表して援護するようにします。
発言に迫力は必要ですが、感情的になったり、乱暴な態度や非常識な言葉づかいは控えなければなりません。
組合の要求は正当なものなのですから、そのことに自信を持って、あくまで事実にもとづいて、冷静に相手を説得するようにします。
交渉の途中で、経営側から新しい提案などがあり、事前に打ち合わせていない局面になったときは、必ず休憩をとって意思統一をします。経営側の誘いに乗って、よくわからないままに、その場で承諾するようなことがあってはなりません。
組合側に不利な問題のときほど、会社側は「委員長、いま決断してください」「トップとしてこんなことも決断できないのですか」などと、おだてたり、皮肉を言ったりしながら、その場で決断を迫ることがよくあります。その場で答えないのは恥ずかしいことでも何でもありません。落ち着いて「労働組合の主人公は組合員です。皆で決めるのが組合民主主義です」と答え、持ち帰ってよく検討するようにします。
交渉の経過は逐一組合員に知らせ、最終的な場面では、待機している組合員にもはかって、全体の意思を確かめたうえで決着します。
交渉は何回にもわたることがありますが、その都度キチンと記録をとっておかなければなりません。毎回の交渉の終了時に、要求項目ごとに回答内容や交渉の到達点をまとめて議事録にし、日時を入れ、労使双方が署名し、それぞれ保管します。これを議事録確認といいます。
交渉がまとまれば、その内容を正確に文書にして、労使が署名、押印します。これが労使協定・労働協約です(詳細は次項)。