タクシー労働者の平均年齢は毎年確実に上昇しています。厚生労働省の発表で平均年齢57歳の水準です。いまや高齢者がタクシー産業を担っているといえます。これは、若年労働者がタクシー産業に入ってこないことを意味しています。
なぜでしょう。
30年前にタクシー運転手になった仲間は、「他の産業より賃金が高く魅力ある職業であった」と言います。しかし、現在のタクシー労働者の賃金では、結婚して一家を支えられません。職場では年金併用の定時制労働者が増加しているのです。
定時制、パート・アルバイト労働者は、全労働者比は東京・19.4%、神奈川・29%(5職場の平均)。四国や九州などの地方でも職場全員が60歳以上も存在しています。長崎ではパート・アルバイト的な労働者が65%、年齢は58歳(2職場平均)となっています。
賃金は、正規の労働者より5〜6%低くなっており長崎では7%も格差が生じています。
多くが、年金併用で高収入に見えますが、彼らのほとんどが、個人で国民健保などへの加入を強いられています。しかも、雇用契約期間が6か月〜1年と不安定です。
こうした不安定労働者が増加している要因は、先に述べた若者が職場にいないことに加えて、経営者にとって健康保険など社会保険の負担がなく都合が良いことです。
同一労働同一賃金や社会保険加入や職場権利の獲得は労働者としての権利です。これらの獲得は労働組合の重要な役割です。旅客自動車運送事業運輸規則第36条で、アルバイトの運転者の選任を禁止しています。
すべての労働組合がこうした不安定労働者を組織化し、すべての労働者の労働条件の向上を獲得することが緊急に求められています。
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