タクシー運転免許法制化プロジェクト報告
もうひとつのタクシー 確かな再生へ
輸送の安心・安全、誇りと働きがい、地域貢献のために
 タクシー規制緩和が行われてから4年以上が経ちました。タクシーはどうなったでしょうか?
 私たちは、タクシーの現場に働く者として、規制緩和はタクシーを破壊する悪政だと当初から指摘し、反対してきました(「タクシー規制緩和って何?」参照)。 
 そして事実は、まさに私たちの危惧していたとおりの経過をたどりました。規制緩和により、タクシー台数は急増、運転者の労働条件は最悪になり、安全もサービスも低下することで、利用者の利益も損ない、渋滞や排気ガスで社会的にも迷惑をかけています。この現実を前にして、規制緩和を推進してきた政府・国土交通省も見直しをせざるを得なくなってきました。
 この報告は、規制緩和後の実態とその原因を改めて詳しく分析したうえで、タクシーを再生させる方策を提起したものです。
(2006年4月22日発表)

も  く  じ

タクシー
運転免許
法 制 化
プロジェ
クト報告
はじめに
T 規制緩和実施後のタクシー事業の現状
 1.事業をとりまく環境変化と現状
 2.労働者の実態とサービス・安全性への影響
 3.企業の社会的責任(CSR)と経営者の姿勢
U タクシー規制緩和の問題点と必要な規制強化の方向
 1.タクシー規制緩和の失敗とその要因
 2.特性からみた規制の必要性とタクシー運転免許の法制化
 3.地域に密着したタクシーのあり方と地域政策の重点
V タクシー運転免許構想への接近と政策課題
 1.タクシー運転免許の法制化とタクシーセンター
 2.タクシーとスペシャル・トランスポート・サービス
 3.タクシー政策決定への利用者・労働者の参画
おわりに

資  料
 図表1 タクシーの純増数及び増加率の実績
 図表2 タクシー運賃の多様化について
 図表3 タクシー事業の概況(輸送人員・営業収入等)
 図表4 タクシー運転者の年間賃金の推移
 図表5 タクシー運転者と男子常用労働者の労働条件比較
 図表6 各県の生活保護基準とタクシー年収の比較
 図表7 タクシー運転者の時間当たり賃金額と最低賃金の比較
 図表8 タクシー運転者の年間労働時間の推移
 図表9 運転中の病気(脳出血など)による事故発生状況
 図表10 健康診断時のタクシー乗務員と成人男性の有所見率
 図表11 タクシー交通事故件数の推移
 図表12 タクシーと全自動車の交通事故増加の推移
 図表13 走行1億キロ当たりの事故発生件数
 図表14 自交総連ドライバーアンケートの結果
 図表15 東京のタクシー運転者の年齢構成
 図表16 タクシー事業者による介護サービス事業実績
 図表17 旅客運送及び航空事業の運転者等の資格
 図表18 諸外国におけるタクシー運転者に係る規制
タクシードライバー法案大綱
ロンドン
タクシー
調査報告
はじめに
1 ノリッジ試験によって保証されたタクシー運転者の高い資質
2 数量規制か運転免許試験か
  ――なんらかの有効な規制が必要
3 市場の機能を生かし補完する運転免許試験
おわりに

 資料1 調査団メンバーと調査日程、訪問先
 資料2 ノリッジ試験のフローチャート図
 資料3 ロンドンのタクシー運転者数と車両数
 資料4 イギリス公正取引委員会レポート
      タクシーの数量規制の状況

自 交 総 連