2013.7.12 |
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厚生労働省は7月10日、年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の取扱いについて、従来の取扱いを改める通達を出しました。
自交総連埼玉地連八千代交通労組の組合員が、不当解雇を撤回させて復職後に有休を届け出たところ会社が認めなかったため、有休の権利があることの確認を求めて訴えていた裁判で、最高裁が6月6日に従来の厚労省通達の解釈と異なる判決を出したことをふまえたものです。6月27日の自交総連の交渉で、厚労省は通達改正を約束していました。
○最高裁判決については情報6月10日付を参照
○厚労省交渉については情報6月27日付を参照
基発0710第3号
平成25年7月10日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長
平成25年6月6日、労働基準法(昭和22年法律第49号)第39条の解釈について、最高裁第一小法廷において別添のような判決がなされたことを受け、昭和63年3月14日付け基発第150号・婦発第47号「労働基準法関係解釈例規について」について、下記のとおり改めることとしたので、了知されたい。
記
第1 法第39条関係<出勤率の基礎となる全労働日>を次のように改める。
(略、表参照)
第2 法第39条関係<全労働日が零となる場合の年次有給休暇>を削る。
○昭和63年3月14日基発150号
改 正 後 | 改 正 前 |
<出勤率の基礎となる全労働日> 年次有給休暇の請求権の発生について、法第三十九条が全労働日の八割出勤を条件としているのは、労働者の勤怠の状況を勘案して、特に出勤率の低い者を除外する立法趣旨であることから、全労働日の取扱いについては、次のとおりとする。 1 年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の日数は就業規則その他によって定められた所定休日を除いた日をいい、各労働者の職種が異なること等により異なることもあり得る。 したがって、所定の休日に労働させた場合には、その日は、全労働日に含まれないものである。 2 労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日は、3に該当する場合を除き、出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものとする。 例えば、裁判所の判決により解雇が無効と確定した場合や、労働委員会による救済命令を受けて会社が解雇の取消しを行った場合の解雇日から復職日までの不就労日のように、労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日が考えられる。 3 労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日であっても、次に掲げる日のように、当事者間の衡平等の観 点から出勤日数に算入するのが相当でないものは、全労働日に含まれないものとする。 (一)不可抗力による休業日 (二)使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日 (三)正当な同盟罷業その他正当な争議行為により労務の提供が全くなされなかった日 |
<出勤率の基礎となる全労働日> 年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の日数は就業規則その他によって定められた所定休日を除いた日をいい、各労働者の職種が異なること等により異なることもあり得る。 したがって、所定の休日に労働させた場合には、その日は、全労働日に含まれないものである。 なお、次に掲げる場合については全労働日に含まれないものとする。 一 使用者の責に帰すべき事由による休業の日 二 正当な同盟罷業その他正当な争議行為により労務の提供が全くなされなかった日 |
(削除) |
<全労働日が零となる場合の年次有給休暇> 問 労働争議に伴い懲戒解雇された労働者がその解雇を不当労働行為なりとして救済の申立を行い再審の結果中央労働委員会より救済命令が出されて会社が解雇の取消を行ったので、復職した労働者が年次有給休暇を請求したという事例があり、これが取扱に疑義があるので左記の点について何分の指示をたまわりたい。 記
一、本事例の場合懲戒解雇の日より会社の解雇の取消しの日迄の間は使用者の責に帰すべき理由により労働することができなかったものと解すれば解雇の取消により復帰した労働者についての法第三十九条第一項の全労働日の算定にあたっては、一年の総日数から就業規則により定められている年間の休日数の外懲戒解雇の申渡により労働することができなかった日数(但し休日を除く)を差し引き計算すべきものと解する。二、右の計算により全労働日を算定するとすればこの会社では継続一年の起算日が本法施行前に入社した者については九月一日、法施行後入社した者については当該入社月日となっているのであるが何れの場合においても次の二つの場合が生ずる。 1、当該労働者が前年における全労働日の八割以上出勤しておれば有給休暇を与えるべきものと解してよいか。 2、当該労働者の前年における全労働日が零となる場合出勤日数も零となるので有給休暇の取扱を如何にすべきか。 答 一、貴見のとおり。 二、1、貴見のとおり。 2、労働日が零となる場合は、前年に労働日のあることを前提とする法第三十九条の解釈上八割以上出勤するという法定要件を充たさないから、年次有給休暇の請求権は発生しない。 |
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