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すべてのバス事業者に法令順守に向け指導などを行うよう要請する自交総連の代表=5月8日、厚労省内 |
大阪で起きたあずみ野観光バスの事故などを受け、規制緩和で「タクシー以上にひどい」といわれる観光バスの実態が注目を集めるなか、自交総連は5月8日、大阪地連バス部会と連名で厚労省に申し入れを行い、権田副委員長らは、実情を詳しく説明、本省として必要な対応をとるように要請しました。
実態把握してるのか
交渉には権田副委員長、小林・菊池両書記次長が参加し、厚生労働省からは労働基準局監督課・監察係の川辺博之事務官ほか2人が応対しました。
すべてのバス事業者に対して、法令順守にむけた「通達・告示」などの文書による指導を行うこと。また、すべてのバス事業者への監査を実施することについては、「問題のある事業場を把握して監督指導を実施し、違反があれば指導している。また、国交省が通達にもとづき監査して、その中で違反があれば相互通報制度で通報がくるので、緊密に連携して、監督指導していきたい」としました。
権田副委員長が「実態を把握しているのか?」と問うと「違反などの情報があれば対応したい。主体的な問題もあって全部行くわけにいかないが、情報はほしい」としました。
「本省として業界全体を指導する通達などの手立てをとるべきだ」との指摘に、「労基法違反を野放しにするようなつもりはない。いま持っているツールで指導していくのが第一義的な問題だが、ご意見は真摯にお聞きしたい」としました。
改善のための基準「告示」を改正することについては、「告示は関係労使の合意形成を図って定めたもので、まずはこの遵守徹底を図っていくことが大切だと思う。告示の改定は中央労働基準審議会で審議する手続が必要となる」としました。