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貸切バスの安全確保対策を
運輸局へ適切な対応要請
大阪地連バス部会 |
(『自交労働者』2010.11.15)
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近運局に要請書を提出する岡田委員長=10月14日、近運局内 |
【大阪】総務省が9月10日に国土交通省に貸切バスの安全確保対策に関する勧告をしたのをふまえ、大阪地連およびバス部会は10月14日に近畿運輸局と交渉を行い、「勧告」にもとづき適切な対応を速やかに行うよう要請しました。
交渉で組合側は、旅行業者がバス事業者に対して、“公示を下回る運賃”や“改善基準告示違反となる長時間運転”が前提の行程を押しつけている実態について、「局はどんな措置を取ったのか」、「区域外営業の実態を把握しているのか」、「旅行業者がそれを承知で発注しているのが明らかになった場合に対処(観光庁への通報)しているのか」と質問しました。
局側は運賃違反について「処分の対象はバス事業者となるが、利用者や旅行業者の要請に(やむなく)応じる形が多々見られるので、運賃違反で処分した事例はない。観光庁への通報に関しては事故が起こった場合や、無謀な速度での運行指示が発覚した時に通報することになっており、過去に通報した事例はない」としながらも、「公示運賃に関してはほとんどのバス事業者が違反している状態であり、何らかの方針を立てなければならない」との認識を示しました。
また、区域外営業については「実態は承知している。“事業計画を変えるべきではないか”と指導することになる。旅行業者が区域外違反を強要した場合、通報する制度になっていないので、今後検討されるのではないか」と回答しました。
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運動の力で争議解決を
2010年度総括学習会ひらく |
(『自交労働者』2010.9.15)
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開会あいさつする伊藤会長=8月19日、大阪・自交会館 |
【大阪】バス部会は8月19日、自交会館で「2010年度総括学習会」をひらき、1年間の運動総括と新年度の運動方針を決議するとともに、同部会の元事務局長・尾崎博明氏を講師に迎えて学習しました。
伊藤会長はあいさつで「貸切バス業界は2000年の規制緩和以降年々厳しい状況に追い込まれ、07年に長時間労働による居眠り運転で死傷者27人を出した『あづみ野観光』事故以後も労働環境は改善されていない」と指摘し、バス事業者に対して優位に立つ旅行業者を巻き込んだ規制強化実現に向けて奮闘することを呼びかけました。
「貸切バスの1年契約制の不当性と撤廃闘争の重要性」と題して講義を行った尾崎博明氏は、「定年まで安心して働ける明るい職場」にするために裁判・労働委員会闘争など事業者の不法行為に対するたたかいだけにとどまらず、「1年契約制をなくすしかない」と確信して組織拡大に全力をあげた経験を話し、組織拡大が撤廃闘争勝利につながった経験を力説しました。
「総括学習会」は最後に、争議解決と労働環境を改善するため奮闘することを全体で確認して終了しました。
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大野会長のイジメに反撃
営業所周辺で抗議宣伝 |
(『自交労働者』2010.9.1)
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横断幕でアピールする大阪地連の仲間=8月19日、中央交通・八尾車庫前 |
【大阪】大阪地連は8月19日、会社ぐるみのセクハラ・パワハラ、組合つぶしと闘う中央交通労組を支援するため、中央交通八尾営業所周辺で抗議宣伝行動を展開しました。
地域住民にむけて宣伝のマイクを握った大阪地連の岡田委員長は、「大野会長は自交総連つぶしに狂奔し、松尾運行課長は組合員に対してセクハラ・パワハラを行っています」「大阪地裁が組合側の訴えを棄却する不当判決を下して以後、会社からの陰湿な報復が続いています」と経過を紹介。「中央交通は人権無視を反省し、労使関係を正常化すべきです」と強調しました。
また、原告を代表して支援を訴えた中央交通労組・廣田副委員長は「先日、私は会長室に呼び出され、何の用事かと思ったら、会長は世界地図を広げていました。そして、『これはどこや、これは何や』と40分以上も問い続けました。私はバスガイドですから、日本全国の勉強がしたいのに、どうして会長の嫌がらせにつきあわなければならないのでしょうか!」と怒りをぶちまけました。
宣伝と同時にとりくまれた同社への要請行動では、岡田委員長、同地連・池田副委員長、八尾労連・糸賀事務局次長が八尾車庫の事務所に赴き、「セクハラ・パワハラ行為是正を求める要請書」を提出し、早期解決を求めました。
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「違法な業者生き残るのおかしい」
大阪・第10回バス部会
メディアが過酷な労働実態報道 |
(『自交労働者』2010.8.1)
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【大阪】大阪地連バス部会は7月13日、第10回バス部会をひらきました。
会では、松下書記次長が「東洋経済新報社から取材を受け、週刊東洋経済・7月17日号に運転手の過酷な労働実態∞改善されない安全対策≠ニ題して掲載された。バス部会の運動は東京のメディアからも注目されている」と報告しました。
同誌が取り上げたのは、大手旅行会社が企画する「大阪〜岐阜・白川郷日帰りツアー」。走行距離650キロ・拘束時間16時間以上の過酷な労働実態です。記事は「07年の大事故(あずみ野観光事故)後も一向に改善されないバスの安全対策。いつまた同じような事故が発生してもおかしくない状態だ」と警鐘を鳴らしています。また、「排ガス規制や安全性、従業員の労働環境を遵守している事業者がつぶれて、違法な業者ばかりが生き残るのはおかしい」との貸切バス事業者の声も紹介して、「現場の怒りに国土交通省は向き合わなければいけない」と締めくくっています。
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嫌がらせの現状訴える
20人の仲間が地裁前で宣伝
大阪・中央交通労組 |
(『自交労働者』2010.7.15)
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地裁前で、職場の現状を訴える岡田委員=6月30日、大阪地裁前 |
【大阪】セクハラ・パワハラ被害と闘っている中央交通労働組合員(原告バスガイド)4人は6月30日、早朝8時から大阪地裁前で5月13日に下された不当判決に抗議する宣伝行動を、大阪地連の仲間20人とともに行いました。
大阪地裁判決は、大野準一会長(当時社長)の「たかが胸、お尻触ったぐらいで…会社を敵に回して人生棒に振るのか…」との発言を「解雇をほのめかすものと受け止められてもやむを得ない」、「ハラスメントの調査方法が不十分」、また、松尾運行課長の業務指導のあり方も「適切を欠いている」などと認定しながら「証拠がない」「不法行為とまで言えない」として原告の訴えを棄却しました。
地裁判決後、大野会長と松尾課長が原告に「判決」分を読めと迫ったりするなど嫌がらせが続いている現状を訴えました。
また、裁判所で働く女性に対して「みなさんは胸やお尻を触られて平気なのでしょうか」と問いかけ、原告(バスガイド)はマイクを手に、大阪高裁に対して一刻でも早い救済を切に求めました。
原告5月20日控訴、高裁第1回口頭弁論は9月1日に行われます。
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中央交通労組
不当判決に怒り 現場の実態理解しない裁判所 |
(『自交労働者』2010.6.15)
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判決報告集会でがんばろうをする大阪地連の仲間=5月13日、大阪弁護士会館内 |
【大阪】中央交通・松尾運行課長からセクハラ・パワハラを受けた中央交通労組の組合員4人が、会社と松尾課長を相手取り、不法行為の損害賠償を求めて起こした訴訟は5月13日、大阪地裁が組合側の請求を棄却する不当判決を下しました。
判決は「大野前社長の発言は解雇をほのめかすものと受けとられてもやむを得ない」としながらも「その前後の発言内容等を勘案すれば…発言の意図するところは…」と必要以上に社長を思いやり、「圧力をかける意図に出た発言であるとまではいえない」と結論づけました。
そして松尾課長のセクハラ・パワハラ行為についても「裏付ける証拠がない」「他にこれを認めるに足りる証拠はない」などと切って捨てましたが、セクハラ・パワハラは密室で行われることが多く立証が困難であるからこそ、司法には原告組合員の職務上弱い立場を考慮した判断が求められるのではないでしょうか。
運動広げ勝利するまで闘う
閉廷後に行われた報告集会で弁護団の雪田弁護士は「労働現場の実態を裁判所は全然理解していません。判決文を読めば読むほど憤りが沸いてきます。こんな行為が認められるような世の中でいいのかという思いです」と唇をかみしめました。
原告を代表して当該の廣田副委員長が「約2年にわたって事実を裁判所に訴えてきたので判決に戸惑ってはいますが、引き続きたたかっていきたい」と決意を述べ、支援を訴えました。
大阪地連の岡田委員長は「判決をかさにきた会社の報復攻撃を許してはならない」と話し、原告4人に「貴女たちには多くの支援者がついているので、がんばってください」と勇気づけました。
最後に大阪地連のなかまは「これからが本当のたたかいだ」とガンバロー三唱で気勢を上げました。
同20日に原告の4人は、中央交通闘争のセクハラ・パワハラ裁判の不当判決を不服とし、大阪高裁へ控訴するとともに、大阪争議団共闘会議に加盟して「運動の輪を広げ、勝利するまで闘う」と決意を表明しています。
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